「若者の〇〇離れ」という話をよく聞く。私がよく聞いていたのは「若者のクルマ離れ」だったが、最近聞くのは「若者のお酒離れ」という言葉。コロナ禍を経て、飲み会文化が以前ほど盛り上がらず、若者の間でお酒に対する考え方が大きく変わったという。これはマスコミが報じている内容だが、ネットの書き込みなどでも、職場の飲み会への参加に消極的な若者の意見が多くみられる。彼らの「なぜ自腹で職場の飲み会参加を強制させられなければならないのか?」という意見は確かに納得できる。今後の日本を担う若者の意見はもっと尊重される社会でなければならない。「最近の若者は」と言ってそういう意見を否定的に捉える年輩者は、古い考えを改めるべきだ。
そもそも私自身がお酒を飲まなくても全然困らないタイプで、3年以上お酒を飲んでいない。最後にいつお酒を飲んだのか覚えていない。大抵の飲み会は割り勘だから、ソフトドリンクしか飲まなくてもお酒を飲む人と同じ金額を払わなければならない。飲む飲まないは本人の意志だから、それに対して不平は言えないが、そもそもお酒が苦手な人であれば損をした気分は否めないだろう。ちなみに私個人の今までの経験上、飲み会に参加した事で親睦が深まった事がない。また、接待という行為には(する側もされる側も)全く魅力を感じないので、飲み会でお酒を飲む必要性を全く感じなくなった。だからこういう点で多様性を尊重する動きには大いに歓迎だったりする。
ただ、マスコミの「若者の〇〇離れ」の報道には恣意的な意図を感じている。若者が車に乗らなくなったとか、お酒を飲まなくなったという理由として、価値観が変わったからだと報じているが、価値観が変わった理由について深く言及されていない。私は若者が自由に使えるお金がほとんどないからではないかと思っている。つまり長年の不景気による低賃金のせいだと思っている。お金に余裕があれば、別にお酒を飲まずノンアルで飲み会に参加しても良いと考える若者もいるだろう。また、興味はなくてもとりあえずクルマを持って困る事はなく、特に熊本のような地方都市でクルマのない生活は難しい。若者の価値観が変わったのは物理的な理由による理由が大きい。