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食糧自給を抜きにした自衛はありえない
愚かなことに、日本は自衛をおろそかにしてきた国である。自衛とは、独立国であることの証しであるが、はたして日本は独立国といえるであろうか。
「食糧自給率100%でない国は独立ではない」といったのはフランスの故ドゴ-ル大統領であった。このド大統領の言によれば、日本は、独立国ではない。自衛・防衛といっても、それは日本農業が健在であってこそである。
自衛隊があろうとも、食糧自給がカロリ-換算で40%にも低下した今日では、食糧輸出国の兵糧攻めにあえば、自衛そのものが自壊してしまう。いかに最新のジエット戦闘機や戦車などがあろうとも、自衛隊員は食べないで侵略者と戦うことになりかねない。数日という短期戦ではなんとかなるかもしれないが、長期戦になれば耐えられないことは想像に難くない。ゲリラ戦を行うにしても、食糧自給がなければ干上がってしまい、長期にわたる粘り強い抵抗は不可能である。
ベトナム戦争で、ベトナム民族解放戦線のアメリカ軍への抵抗が、あれほど長期にわたって続けられたのは、食糧があったからである。ちなみに、彼らの食べ物は玄米であった。
自衛・防衛の要である食糧自給が、かくも脆い国は、先進産業国ではわが国をおいて他にない。 アメリカ、フランスなどの農業大国は別格としても、欧州の多くの国々は、ほぼ食糧自給が可能である。
農業と工業のバランスが崩れた日本のような「工重・農軽」の国は、先進産業国では例外的だといってよい。
一国の独立・自衛の根本は、食糧の自給、つまり農業の保全にある。であるから農業が衰微した日本は、隷属国家というのが言い過ぎであれば、半独立国とでも呼ぶしかあるまい。