木曜はラノベ愛語り。今回は、私の参加しているSNSである、noteにも登録されている先生の作品です。
今回紹介するのは、真鳥カノ先生の『家政夫くんと、はてなのレシピ』です。発行は、最近、我が家の本棚でスペースを広げつつあるアルファポリス文庫です。
この作品、いわゆる「なろう系」ラノベでも、ラブコメ系ラノベでもありません。ごく普通の大学生が主人公で、ごく普通の家庭が舞台です。当然、魔王もドラゴンも出てきませんし、転生やタイムリープもなければ、いちゃラブやヤンデレも出てきません。かなり昔に紹介した『スーパーカブ』みたいな、日常生活の中で主人公が成長していくのを楽しむ作品です。
物語は、主人公の泉竹志(イズミタケシ)が、野保(ノヤス)と言う老人宅の家政夫を始める場面からスタートします。最初は頑固そうな野保ですが、野保の妻の遺したレシピノートを竹志が発見した事から変化が始まります。そのレシピは詳しく書かれているのですが、1つか2つ「?」とされた部分があり、それが何かを解き明かさないと、料理を完成させる事が出来ません。竹志は「?」が何かを考え、料理を再現していきます。それに伴って、野保にも、野保の家族にも、竹志自身にも大きな変化が見られる様になっていくのです。
この作品、まず構成が見事です。最初はレシピの謎解きが中心なのですが、徐々に野保や竹志の抱える問題が中心になっていきます。その問題に向き合う事は、野保にとっても竹志にとっても自分自身に向き合う事であり、問題を解決する事は、最終的に家族の再生へと繋がっていきます。この流れが実に自然で、それだけに、後半になるにつれてグイグイ引き込まれる感じでした。
また、この作品は描写もイイ。例えば、本編の最初の部分。
今回紹介するのは、真鳥カノ先生の『家政夫くんと、はてなのレシピ』です。発行は、最近、我が家の本棚でスペースを広げつつあるアルファポリス文庫です。
この作品、いわゆる「なろう系」ラノベでも、ラブコメ系ラノベでもありません。ごく普通の大学生が主人公で、ごく普通の家庭が舞台です。当然、魔王もドラゴンも出てきませんし、転生やタイムリープもなければ、いちゃラブやヤンデレも出てきません。かなり昔に紹介した『スーパーカブ』みたいな、日常生活の中で主人公が成長していくのを楽しむ作品です。
物語は、主人公の泉竹志(イズミタケシ)が、野保(ノヤス)と言う老人宅の家政夫を始める場面からスタートします。最初は頑固そうな野保ですが、野保の妻の遺したレシピノートを竹志が発見した事から変化が始まります。そのレシピは詳しく書かれているのですが、1つか2つ「?」とされた部分があり、それが何かを解き明かさないと、料理を完成させる事が出来ません。竹志は「?」が何かを考え、料理を再現していきます。それに伴って、野保にも、野保の家族にも、竹志自身にも大きな変化が見られる様になっていくのです。
この作品、まず構成が見事です。最初はレシピの謎解きが中心なのですが、徐々に野保や竹志の抱える問題が中心になっていきます。その問題に向き合う事は、野保にとっても竹志にとっても自分自身に向き合う事であり、問題を解決する事は、最終的に家族の再生へと繋がっていきます。この流れが実に自然で、それだけに、後半になるにつれてグイグイ引き込まれる感じでした。
また、この作品は描写もイイ。例えば、本編の最初の部分。
車輪が回る。自転車が生む軽やかな音と共に、竹志の頬を涼やかな風が撫ぜた。
短い言葉ですが、必要な描写がなされているので、大雑把ですが映像が浮かんできます。その映像をイメージしたまま読み進めていくと、少しずつ竹志という主人公の人物像が分かってくるのです。
「なろう系」ラノベだと、物語の骨格だけで読ませる作品が多々あります。それはそれで面白いのですが、「もう少し描写があると、もっと面白くなるのになぁ」と感じる時があるのも事実です。ですから、こうやって描写のイイ作品を読むと、私なんかは、それだけで嬉しくなってしまいます。
あと、最後に個人的に嬉しかった事を。この作品の題名は、『家政夫くんと、はてなのレシピ』です。この題名を見た時、「あ、真鳥先生とは気が合いそう」と感じました。何故なら、『家政夫くんとはてなのレシピ』でも『家政夫くんとハテナのレシピ』でもなかったからです。
『家政夫くんとはてなのレシピ』だと、「家政夫くんとは」と誤読される可能性があります。それを避ける1つの方法として、『家政夫くんとハテナのレシピ』とする方法があります…が、これだとカタカナが連続して軽い感じになってしまいます。
では、どうするか…そこで、『家政夫くんと、はてなのレシピ』です。「、」を打てば誤読を防げるし、軽い印象になる事を避けられます。実は私、記事の中で、その様な意図で「、」を打ってる事が沢山あるのです。「真鳥先生も同じ考えなのかな」と感じて、何となく嬉しくなってしまいました…って話でした。
読みやすく、楽しく、最後はホロッとくる作品です(実際、私は泣けちゃいました)。気軽にスッキリしたい方に、強くオススメしま~す。
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。