月・火曜は学校教育の話です。今回は、前回(R6.2.26)に関連した話です。
初任者時代に勤務した学校で、先輩の先生から言われた事があります。概ね、こんな話でした。
学校教育は公教育なんだから、必要な教材教具は公費で準備すべき。公費で準備出来なかったからと言って、それを自腹を切って購入して授業で使うのは、授業の私物化に他ならない。厳しい言い方をすれば、「趣味」で教育を行っていると言えるだろう。
若い頃は、「成る程なぁ」と思っていましたが、年齢を重ねるに従って、何か引っかかりを感じる様になってきました。
この意見が間違っているとは思いません。正しいと思います。
ただ、最近の私は別な意見をもっていて、それもまた正しいと思っている…と言う事なのです。「正義」は人の数だけある…と私は思っていますから、何も矛盾はないと考えています。
それで私の意見です。
例えば、教師としての技量を高めたいと考え、書籍や雑誌を購入する人は、沢山いると思います。仮に、その書籍や雑誌に掲載されていた学習プリントをコピーして授業で使った場合、少額ではありますが、自腹を切った事になります。これは、「趣味」で教育を行っているのでしょうか。私は、「趣味」とは言えないと思います。
別な例です。教師としての技量を高めたいと考え、休日に開催されている有料の研修会に参加する人も、日本全国には一定数以上います。その研修会で学んだ内容を、そっくりそのまま授業した場合、これも広義では自腹を切った事に含まれると思います。では、これも「趣味」でしょうか。やはり私は、「趣味」とは言えないと思います。
「公費で出来る範囲で全力を尽くす」…決して間違っているとは思いません。と同時に、「自腹を切ってでも、より良い教育を子供たちに与えようと努力する」…これも正しいと思うのです。
そんな訳で私は、自腹で購入した教材教具で授業している事も少なくありません。
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。