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ニッポンのゆる~い日常

「制度化」の域に至る韓国の反日

2013-08-06 12:03:50 | 正論より
8月6日付    産経新聞【正論】より



「制度化」の域に至る韓国の反日   拓殖大学総長・渡辺利夫氏


http://sankei.jp.msn.com/world/news/130806/kor13080603050000-n1.htm



 また終戦記念日がやってくる。韓国ではこの日を「光復節」と呼んで日本からの解放記念の祝日としている。70年近くも経(た)つというのに、この間、韓国が親日的であったことはない。それでも、南北朝鮮対立下の東西冷戦期においては反日は時に激しく噴出したものの、間歇(かんけつ)的であった。



 ≪事大、小中華主義へ先祖返り≫


 しかし、冷戦が終焉(しゅうえん)し、中国の強大化が露(あら)わとなり、日本の政治経済に翳(かげ)りがみえ始めるや、韓国の反日は公然たるものとなり、「制度化」の域にまで至らんとしている。強大化した中国への依存度を急速に高め、衰微する日本を見下すという、李朝時代以来、朝鮮に伝統的な「事大主義」と「小中華主義」への先祖返りを韓国は始めたのであろう。

 5月7日、朴槿恵大統領はオバマ大統領との首脳会談において「北東アジアの平和のために日本は正しい歴史認識をもつべきだ」と語り、北朝鮮問題については「米韓が連携して取り組む」と敢(あ)えて日本への言及を避けた。進退窮した政権末期に驚くべき反日的行動を繰り返したのが李明博前大統領であったが、それでも北朝鮮問題という極めつきの難題には日米韓の3国連携で対処するという一線から退(ひ)くことはなかった。

 6月27日、朴大統領は北京での中韓首脳会談に臨み、日本の歴史認識に懸念の意を表明する習近平国家主席の発言に応じて「歴史認識については韓国は原則をもって対応する」と主張した。実際、会談後に発表された「中韓未来ビジョン」と称する共同声明においては、両国の連携強化をうたいあげるとともに、「歴史認識問題はこの地域国家間の対立と不信を深刻化させており、中韓両国は共通の目標達成に努める」と記された。


 中露と国境を接し、海峡ひとつ隔てて日本に隣する朝鮮半島史が苦難に満ちたものであることを私は知っている。李氏朝鮮の開祖・李成桂は「小を以(もっ)て大に事(つか)ふるは保国の道也」と述べ、明国から自立した王朝として認められた。強大な中華王朝と君臣の関係を結んでその懐に入らねば李王朝の生存空間はなかったのであろう。この観念は明国が清国に代わり、さらに強化された(清韓宗属関係)。




 ≪明と君臣関係結んだ李王朝≫


 かといって、強大勢力に完全に同化してしまったのでは王朝の身の証しが立たない。中国の王朝と君臣の関係を保ちながらも、みずからを中華世界を構成する一部であり、さらには自身を中華世界の正統的後継者だとする自意識の涵養(かんよう)が必要であった。この微妙に屈折した自意識が朝鮮に固有の小中華主義である。

 事大主義と小中華思想は、中華世界の外方の日本を、取るに足りない、というより卑小な存在だとみなす価値観念でもある。この観念は民族的遺伝子のごときものなのであろう。清韓宗属関係を切断して朝鮮の自立を図らねば日本の生存が危ういと明治の指導者が考えたのは、極東地政学の論理からして当然の判断であった。その後の韓国併合にも往時の国際法上の瑕疵(かし)はない。


 しかし、事大主義と小中華主義の韓国からすれば、これは到底許すべからざるものであり、この情念は現在なお連綿として継承されている。いや、ますます強化されているとみなければならない。日本統治時代の対日協力者の罪を暴いてこれに量刑を科すための法律が2004年3月に成立した「親日反民族行為真相糾明法」だが、韓国憲法裁判所は今年の6月にその合憲性を認める判決を下した。





 ≪中韓にみくびられぬ力つけよ≫


 7月にはソウル高裁が、日本統治時代に戦時徴用された韓国人に賠償支払いを命じる判決書を出したばかりである。日韓間の賠償請求権は「完全かつ最終的に解決済み」だとする1965年の日韓基本条約などどこ吹く風である。反日は司法をも巻き込んでついに制度化の域に達したのである。

 中国の強大化は、韓国をして李朝時代の君臣関係への先祖返りの志向性に目覚めさせ、中韓が「共闘」して日本に歴史認識をもって迫るという時代に帰結した。これにどう抗するのか。中韓との首脳会談は安倍晋三首相の外交日程には入っていない。首相は「対話の窓はいつも開いている。主張することがあれば対話のテーブルで主張すればいい」と発言している。


 それで十分である。その間に日本の自衛力を中韓にみくびられないほどまでに拡充し、日米同盟における集団的自衛権行使容認のために可能な限りの努力を継続し、憲法改正に向けての地歩を着々と固めていかなければならない。

 参院選での圧勝によって「ねじれ」は解消され、長期安定政権への期待が久方ぶりに高まっている。国民はいつになく強い政治的凝集力をみせつけたのである。おそらくは次の国政選挙までの3年ほどが、極東アジアにおける日本の勢力圏のありようを国際的に証す最後の決定的な時間となるのではないか。(わたなべ としお)















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