会員になっている「NPO法人 シマフクロウ・エイド」の事務局・菅野さんから、シマフクロウ保護の活動について、NHKが朝のニュースで取り上げてくれるかもしれない、と連絡がありました。
先日取材を受け、先週の土曜日の朝に、道内向けローカルニュースで取り上げられたそうです。確定ではないものの、12月10日(月)の全国版「おはよう日本」(4:30~8:00)でVTRで放映されるかもしれないとのことでした。どうなるか分からないので、これは録画しなくては。
そう言えば、先日、新聞の片隅に、富士通が自社で開発した技術を応用して、日本野鳥の会のシマフクロウ保護活動を支援する、という記事が載っていました。
取り込んだ音声データの中から、シマフクロウの鳴き声だけを機械的に見分けるそうです。風などの雑音の中から、あの「ボーッ、ボーッ」という鳴き声をです。また、最新のネットワーク技術で広範囲のデータ収集を容易にすることも可能だそうです。
広いテリトリーで生息するシマフクロウを、人間が歩き回って探したり(シマフクロウは夜行性。冬の北海道の山中をヒトが歩き回るのは、それだけで冒険)、レコーダをあちこちに設置するのも限界があります。ですから、これは役に立つ技術でしょうね。
シマフクロウは生息域が広い、逆に言えば、生きていくには広いテリトリー・縄張りが必要です。他のフクロウと異なり、シマフクロウは、イワナやヤマベ、オショロコマといった川魚を主食としているので、テリトリーにはこうした魚がいることが前提になります。以前ある講演で聞いた時の話では、魚が生息する渓流に沿って幅1km、長さ10kmの面積が必要だそうです。
また、ねぐらとするのは大きな樹洞(樹木にある穴。うろ)ですが、シマフクロウが入れるだけの大きな樹洞があるよう「大樹」は、北海道といえども数が減っています。シマフクロウが、絶滅危惧種(国内では、道内に130羽ほど生息するのみ!)になってしまったのは、乱獲というような直接的な理由ではなく、生息環境が確保できなくなったからなのです。従って、これを増やすのは容易ではありません。北海道でも、これだけの自然を確保するのは困難ですからね。
「NPO法人シマフクロウ・エイド」は、そうしたシマフクロウの保護活動に取り組んでいます。今後も応援していきたいと考えています。
シマフクロウ・エイドのHPはこちらhttp://homepage3.nifty.com/fish-owlaid/
シマフクロウ(2010年10月、羅臼・鷲の宿で撮影。この宿については、賛否両論あるようですが、個体確保やシマフクロウの存在自体を広く知ってもらうということでは貢献していると思います。)