JA農協と農林水産省はここ数十年、コメの消費量が減り、価格を維持するために減反政策を強化し、農家にもっとコメの生産量を減らすように指導してきました。
令和7年も、その減反政策により私の田んぼのコメ生産計画はなく、田植えをする場所へ写真の様に麦の芽が10センチほど伸びています。にもかかわらず連日、報道はコメの値段が80%も上がったと報じ、複雑な心境です。
写真:田は、コメではなく転作の「麦」が育っています・・・3月22日 撮影
確かに、大規模農家の様に生産性が高ければ経営の持続が可能ですが、小規模の稲作農家は毎年の赤字に苦しみ、それでも田んぼを荒らしてしまうと、二度とコメはできなくなることから、耕作を継続しているのです。耕作放棄をしようかと、迷っている農家が多いのも事実です。
減反政策のおかげか、60キログラム(1俵)あたり、2021年産1万2804円、22年産1万3844円、23年産1万5306円(8月は1万6133円、)24年産1万8513円でした。米価の上昇はJA農協と農林水産省にとって成果以外の何物でもありません。コメの不足は筋書き通りに進みました。
そして、今回の政府備蓄米落札価格の平均は、消費税抜きで60キロあたり、2万1271円(税抜き)でしたが、相対取引価格2万5927円(税込み・輸送費込)となって、市場に出回っても価格は下がらなく、むしろ値段は上昇すると思います。
この価格でも、小規模農家のコメの生産原価には対応できず赤字は続き、さらに全 農(全国農業協同組合連合会)と卸売業者との取引価格は上がっていくものと思います。