コメの価格が高騰して食卓がピンチとなり、全国のスーパーの平均価格は最高値を更新するという中で“輸入してはどうか”と注目が集まっています。
コメの輸入は、価格面だけでなく、食べ物の安全や農業政策、さらには外交にまで影響する複雑な課題で、生産者として、また消費者としても注目しています。
令和6年のコメ1キロの価格は、国産で約400円でした。コメ価格は令和6年の後半から急激な上昇で約2倍の金額となりました。アメリカ産では約132円、中国産約140円、タイ産約88円と、生産性の高い諸外国のコメは格段に安いことは知られています。
では“輸入してはどうか”と思いますが、コメを主食にしているアジア諸国では、自国の食べ物として生産されているコメで、いつも余っているとは言い切れなく、令和4年のようにアジア諸国で冷害が発生すると輸入に頼れない場合もあります。
1993年「平成のコメ騒動」がありました。記録的な冷夏でタイからコメを輸入することになって、現在でも1キロ当たり341円の関税を掛けているといいます。
諸外国に比べ、生産性の低い小規模農家の保護のために、当時、細川政権の「コメは一粒たりとも入れない」との方針でしたが、必ず輸入しなければならない年間77万トンのうち、10万トンを主食用に、67万トンを加工用や飼料用として利用して、小規模農家を守ろうとしてきました。
外国のコメを輸入しても国内で消費されるかどうか疑問で、とりあえず備蓄米の放出の結果を待ちですが、コメを輸入することは、海外への投資であり、本来なら日本の水田(大規模農家)へ投資すべきではないかと思います。