南大東島には、前回書いた有名な鍾乳洞の他に、「地底湖」という魅惑的な響きのスポットがあります。
以前から雑誌などで読んで気になっていたのですが、有料の探検ツアーを予約して行く必要があるため、時間の調整なども含めどうしようかと行きあぐねていたところ、幸運にも、たまたま同宿だった島にとても詳しいOさんが、いつでも案内してくださるとのことで、お言葉に甘えて連れて行っていただきました。
(私と息子だけの完全なプライベートツアーで、しかも、ヘッドライトや長靴まで準備していただいて!)
この島の地下には、至る所に鍾乳洞や洞窟があるとのことですが、今回連れて行って頂いた「秋葉地底湖」の入口は、上の写真のように、畑のど真ん中のこんもりとした繁みにありす。
畑のサトウキビが生長して丈が高い時期は、この入口の繁みを見つけるのは難しいかもしれません。
とにかく、個人の畑を通らせていただくので、可能な限り畑を荒らさないよう、気を遣いながら繁みに近づきます。
繁みの中の一段低くなったところ、オオタニワタリが鮮やかな岩場の先に、更に下の方へ向かう真っ暗な入口が見えます。
照明の完備された「星野洞」とちがい、一歩入ると中は自然のままの真っ暗な状態です。
ライトを消して「真の暗闇」を体験した沖縄本島の戦跡「アブチラガマ」を思い出しながら、入口の方を振り返って見上げると、ちょっと不安になります・・・。
お借りしたヘッドライトで、足下と周囲を照らしながら、慎重に進んでいきます。
ところどころ、水たまりがあるのですが、下の方に書いた理由で、地底湖の水たまりはあるのかないのか非常にわかりづらく、うっかり気を抜くと靴を濡らしてしまいます。
畑の繁みから入口のあるくぼみに降りるところだけは、少し足場が悪いのですが、いったん洞窟の中に入ってしまえば、水たまりと、滑らないように注意すれば、それほど困難な行程ではありません。(この春小学生になった次男ですが、それほど苦労せず進むことができました。)
ここは、「地底湖」が売りの洞窟ですが、ちょっとした鍾乳石も楽しめます。
入口からおよそ5分ほど進んだくらいでしょうか、お目当ての地底湖が見えてきました。
透明度がとても高く、沖縄の海のような青い色が印象的です。
地上の湖などと違い、地底湖の場合、こちら側からのヘッドライト(写真の場合はフラッシュ)の光が当たるだけで、逆光による水面反射がないため、まるで水面がないかのごとく、水の中がきわめてクリアーに見えます。
地上の湖でこれだけ透明感のある写真を撮るには、水面の乱反射を除去する「PLフィルター」をレンズに装着し、その効き方を最強にする必要があるのですが、ここではPLフィルターは使用していません。
逆に言うと、地上でPLフィルターを使うと、水面反射がなくなって、実際に自分の眼で見るよりも透明感のある(ありすぎる)非現実的な写真が撮れるのですが、地底湖の場合は、自分の目で見た景色が、まるでPLフィルターを最強にして使った非現実的な写真のように見えるという、なんとも不思議な体験でした。
唯一、水面の存在を強く感じさせるのは、上から落ちてくる水滴によってできる「波紋」があるためで、もし波紋がなければ、何となく青い地面があるだけでそこに水があるとはすぐには気づかないかもしれません。
水紋の美しい、一番のベストショット!
この日は雨の後だったため、地上からしみこんだ水滴が多く、水紋が大変美しい風景を作ってくれました。
最後に、限られたご自分の時間を割いて、我々を案内してくださったOさん、ありがとうございました!
感動しちゃいました!
コメント、ありがとうございます!
ここは、南大東島の隠れた名所だと思います。
行く機会があったら、是非ツアーなどに参加して探検してみてくださいね。