8月ももうすぐ終わり。ずい分涼しくなりました。朝、駅に行くのに東に向かって歩くんだけど、この間まではちょうど太陽を真正面に見る感じですごく眩しかったのが、最近は通り沿いの建物で日陰ができるようになった。近所の西友にも新さんまが並ぶようになったし、キリン秋味のCM(今年は沢村「セクスィー部長」一樹!)も流れ始めたし、季節は動いておりますです
ここのところ読んでいた本についてすこし。
横山秀夫「クライマーズ・ハイ」。堤真一の主演で最近映画にもなっているけど、なかなかよかったです。組織の不条理さとか、主人公との年齢の近さとか、自分とダブらせつつ感情移入してしまいました。1985年の日航機事故が作品の素材になってます。ラストシーンは電車の中で読んでたんだけど、ちょっとウルっときてやばかった。20数年前の40手前って、今よりもかなり「大人」だったのかも、という印象も。これは自分と比べてってことなのかもしれないけど。あと、細かいことだけど気になったのは、舞台は85年なのに「JR前橋駅」っていう単語が一か所出てきたこと(p.247)。人物のセリフじゃないからまだいいのかもしれないけど、国鉄がJRになったのは87年。「JR」要らなかったんじゃ?
サイモン・シン「フェルマーの最終定理」。これはもう少しで読み終わるところなんだけど、94年にこの定理を証明したアンドリュー・ワイルズのドキュメンタリー、っていうか、正にドラマ。350年間も証明されずに、世界中の数学者が立ち向かっては打ち負かされてきた定理って、言ってしまえばなんてことはなさそうだけど、なんだろう、ほんと、とんでもない話です。
フェルマーが見つけた定理は、
「nが2より大きい自然数であれば、Xn+Yn=Zn を満たす、自然数X、Y、Zは存在しない」
というもので、言ってること自体はわたしにも分かる(一応)。けど彼はこの定理の証明を残さず、
「この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる」
ってだけ書いておいたそうな(ヤなヤツ。でも友達になれたかも)。で、これを証明するのに350年もかかったと、こういうことです。350年ですよ。恐るべし、数学。
この本、ワイルズのことだけじゃなくて、この定理を中心とした数学の歴史についても分かりやすく書かれてて、読み物としてほんとうにエキサイティングです。ウルトラ文系のわたしが読んで面白いのだから、難しい数学の知識がなくても楽しめること、請け合いです。