shiba's scope

めざせ、ロジカルなロマンティスト。 

お歳暮のハイパント。(68.0: 小ブタ注意報発令中)

2007-11-24 12:22:47 | 日々のあれこれ

 カイシャ帰り、電車をすこし手前で降りて遠回りして歩くのが好きなのだが、新しい通勤ルートだと、家の手前で電車を降りてもあまりおもしろい通りがなかった。で、逆にカイシャからしばらく歩こうと思って、そうするとけっこう面白いルートがいくつか見つかった。この間は東京タワーの真下を通過するルートで、あまりにベタだけどキレイだったのでワンショット。

「Tokyo」の文字は2016年のオリンピック招致キャンペーンらしい。(やめといたほうがいいと思うけどねぇ)

 はて。

 すこし前になるが、ウチダ先生のブログで、住友信託銀行のCMをマクラに、財界、メディア、電通がこぞって高齢者の個人金融資産(1500兆円もどこにあるのだろうon earth?)のひもを緩めるかに腐心している、というようなことを書かれていた。(ここ、です。)

 この前テレビを見てたら、このウチダ説を見事に裏打ちするようなCMを見つけたので、ちょっとご紹介してみたい。

 それは流通超大手のイオンのお歳暮CM。たいへんアットホームな雰囲気漂うものである(こんなの←音、出ます)

 まず、業種柄このCMのターゲットは奥さん方だ。ということで「もう届いたかなー?」と想定している送り先は奥さん方のおじいちゃん・おばあちゃんだ(たぶん)。ちょうどその頃、奥さんの実家では「おいしそ~」「石狩鍋だね」とかいう会話が交わされている。

 興味を引くのは送った直後に「(ピンポーン)届いた~?」と子供(孫)を連れて奥さんが実家に帰っちゃう(らしい)ところだ(ピンポ~ン、じゃねえっつの)。しかも、「あったまるね~」とか言いながら自分が送ったお歳暮を食べちゃうのである。つまりこの親子、「贈ったものが自分たちの口にも入ること」を前提にお歳暮えらびをしているわけである。おじいちゃん、おばあちゃんも孫の顔が見れるもんだから「一緒だとあったかいね」とか言いながら「(ママの方の)おじいちゃん・おばあちゃんのところに行くといいことがあるわよ、ふっふ~♪」と刷り込んじゃったりしてる(なんだかねーまったく)。

 奥さんとしては、自分たちも食べるんだから、量はとーぜん多目よね(6人分位かしら)。それに、たまに会いに行くんだから、品物だって2ランクくらい上のもの(高級石狩鍋とか、豪華釜飯セットとか)でもいいわよね。だって、その分はどっちみちこの子のお小遣いか何かになって「キャッシュバック(あるいはプラスアルファ)」されるし、あら、結局ウチがお得じゃない、ふっふ~♪

 「自分たちが食べる分も加えて親にお歳暮を贈る」ことで、そうでない場合より一世帯当たりの単価は上がる。で、このお歳暮分のコストは結局、「孫へのお小遣いか何か」という形でおじいちゃん・おばあちゃんがもつことになる(高齢者の財布のひもがゆるむ)。つまりこのCMの意図は、「自分たちに贈られたお歳暮を、結果的により高いコストを自ら負担して高齢者が消費する」という構図をつくりだそうというところにある、ってことじゃないだろーか(かなりこじつけ)。でもって、それによってセーブされた子供世帯の消費は、また別の方面(クルマとか、家とか)へと拡張していくのである。ナニゲないCMにもこんな深慮遠謀がかくされてるのか、うーむ...。

 ここでわたしは、親族間のお歳暮をめぐるこのような構図を、ラグビーに引っかけて「お歳暮のハイパント」と呼んでみたい。高めのキックを上げて一旦相手方に捕らせ、捕った選手にタックル、そこを基点にしてさらに攻撃を展開する。こちらのサイトに解説されているので、ちょっと引用してみる。


タッチに蹴り出すわけでもなく、飛距離の短い、高い山なりのキック(ハイパント)を蹴り上げているシーンを、試合でよく見ると思いますが、どうしてわざわざ相手にボールを渡してしまうのかと疑問に思っている人も多いことでしょう。もちろん、ボールを蹴り上げた味方がキャッチすることもあります。ハイパントは、スタンドオフが蹴り上げることが多い。
じつは、このような行為はラグビーの代表的な攻撃パターンのひとつでアップアンドアンダー攻撃と呼ばれています。まずは、ハイパントを味方がキャッチして、そこからボールをつないでいけばそれだけ敵陣に進出したことになり、この攻撃は成功したことになります。
次に、敵がハイパントをキャッチした場合ですが、そのキャッチした選手にタックルをして、そこからモールやラックを形成して再びボールを獲得して攻撃します。味方がボールを取れるような、あるいは、タックルに行けるような距離に蹴り出せるような正確で高いキックを蹴れる選手と、ハイパントをキャッチした選手に激しくタックルにいける選手(ハードタックラー)が必要とされる。慶応大学の伝統的な攻撃だとも言われている。

 つまり、絶妙のパントを上げるスタンドオフが奥さん、そこをめがけて突進するハードタックラーがコドモ、ってことか。ふーん。え、じゃ、「お歳暮のハイパント」におけるダンナのポジションは?

 とここでわれわれは、CM中で「届いた~?」と玄関に現れるのはママと娘だけだったことを思い出す。なんだよ、結局パパは蚊帳の外かよ。いえいえ、さすがはイオン、パパの心証だって、ちゃーんと気にかけてます。終わりの数秒で、画面のうしろの方にうっすらパパも映ってる。しかも、ママのパパ、義理のお父さんとなんだか親しげに談笑してるっぽい。手が込んでるぜ、イオン。でもさ、そんな申し訳程度の気遣いが却ってパパたちの反感を買うんじゃあ、なかろうか。ま、わたしはパパじゃないからよく分からないけど。

 ふっふー♪


宿題のつづきを。(67.4)

2007-11-16 20:25:58 | 日々のあれこれ

 今日はオフでした。

 ダラダラしてたかったけど2つほど用事があったので、朝から出かけて3時過ぎに帰宅。休みということで久々に晩ごはんを引き受けたので、すぐに買い出しへ。近所のスーパー各店の価格帯もずい分把握できてきました。今日のメニューはサラダ、カルボナーラにメインはポトフもどき。さっきひととおり煮上がって火を止めたところ。サラダは出来合いの野菜ミックスだし、パスタは食べる直前ってことで、一息入れてこの日記を書き始めたと、いうわけです。

 さて。

 この前の宿題について、相変わらず考えつづけている。もともとキチンとした答えを出そうとは思ってなくて、なんと言うかこう、イメージとしてはもう少し輪郭づけることができたら、くらいの感じ。

 ま、それで今すこし見えているのが、ある物言いについて自分がウンザリしてる時は、同時に「『言いよどんだような痕跡』が見えないんだよな」とか、「『...って言ってる自分は?』というような動きが感じられないじゃん」とか思っているらしい、ってことだ。

 何か言おうとしているそばから、まさにその「言おうとしてるること」についての自分の前提とか、立ち位置を検証しようとする、あの、裁縫で「返し縫い」ってありますよね、ああいうイメージかな、そういうものが感じられないまま、「インパクトありまっせ~」と、大向こうウケだけを狙って押し出してくる(ように感じられる)物言いに出くわすと、ナニそれ..と、ゲンナリしてしまう、ようです。もうちょっと踏み込んで言うと、それは「ストイックさがまったく感じられない、思い切っただけの物言い」というふうにも表現できるかもしれない。

 もちろん、ありとあらゆるものをそんなふうに観察してるわけじゃない(当たり前だね)けど、何かの拍子にスイッチが入って、そういうモードになってしまって、そういう性分もラクじゃないねと思ったり、え、ひょっとして自分も同じようなことをやってたり?と思い直してみたり、するわけです。

 って、こんなこと書いてどれくらいハナシが通じるだろーか。普段にもまして書き方が回りくどくなってるの、間違いないですよね。全然「リーダーフレンドリー」じゃないような気がする。久々の更新で見てみたら、こんな訳わかんない記事で、結局ゲンナリさせてるのは自分だったりして...。うーん。いっか、まあ。いつもこんなだしね。

 というわけで、さらに訳分からなくなっただけみたいですが、ぐじゃぐじゃ考えてたら更にお腹も空いてきたし、そろそろサラダとパスタの準備に取りかかることにします。


デビュー。(67.8)

2007-11-05 01:05:17 | 日々のあれこれ

 新しい土地に住むようになって「ここではどーしよう?」と考えることの中でナニゲに「気になる度」の高かったポイントに、「どこで髪を切るか」というのがある。これまで15年同じ床屋さんに通いつづけて、しかもそこでも切ってもらう人も決まってたので、他の人に髪を切ってもらうこと自体、ちょっとした「冒険」でもある。これまで通ってたところは「雰囲気がちょっと美容院っぽい床屋さん」だったので、近くでも似たような店はないかと、ネットで検索、似てそうなコメントが書かれているところを発見。歩いて10分くらいのところらしい。よし、ここにしてみるか。

 店の前へ到着。小さくて、割といい感じの店。ん?でも床屋さんのグルグルサインがない。どーしようか、でもここで引き返しても他に当てがあるわけじゃないし、来週末まで待つのも意味ないし...ま、とにかく入ってみますか。

 えーと、初めてなんですけど。カードを作るのに、住所とかを書く。...あれ?他のお客さんの様子を見ると、仰向けで髪を洗ってもらってる。おお、ここは「美容院っぽい床屋さん」ではなく文字どおりの「美容院」だね。ってことは38歳にして「美容院デビュー」ですか。どんな感じ、と聞かれて、一応「よそに行ったらこう言うといいですよ」と前のところで教えてもらったように説明。おお、通じたらしい。で、こちらへどうぞ、と、わたしも同じように仰向けにされ「はい、シャンプーしま~す」(まいっか、とりあえず)

 それにしても、応対してくれてる人、ハンチングを被って、不精ヒゲがちょっとおしゃれっぽい感じで、年回りはわたしとそんなに変わらないのかな、なんだけど、物腰といい、髪の洗い方といい、ずい分丁寧というか、ソフトというか、ナヨっとしてるというか...。でも、手際よく、適当におしゃべりを交えつつ切ってくれる。引っ越してきて間もないとか、前はどこに住んでたとか、まあ、会話のテンポも合うし、いーんじゃないかな。ちょっとリラックスしてくる。

 カットが終わりそうな頃、恐る恐る(でもないけど)聞いてみると、別料金ながらシェービングもやってくれるとのこと。あ、よかった、お願いします。これもまた、ミョーにソフトな手際ながらていねい。ま、これはこれでアリ、かな。

 できあがりも(というほどタイソーなもんじゃないけど)ぜんぜんヘンじゃないし、これならいいんじゃないだろーか。お、平日は夜9時までですか。了解、次回は予約してからですね。ハイ。お世話さまでした。

 てことで、はからずも超遅咲きの美容院デビュー。ま、それなりに満足な感じにしてもらえたし、とりあえずホッとしました