詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

第二章「黒い闇」 愛憎物語~白と黒~

2012年01月13日 | 愛憎物語「白と黒」
【ご注意】

この小説は、今までの筆者の作風とはがらりと異なり、文中に若干の性的描写及び残忍な描写が出てきます。
ご了承の上お読みください。そういったものが、苦手な方はご遠慮いただきますようお願い申し上げます。
本著書は、作者のオリジナルフィクションであり、登場する人物及び団体名は実在するものと全く関係ありません。

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第二章「黒い闇」

「うん・・・・クック・・・・」
俺の掌に、瑠璃のかすかなぬくもりが伝わる・・・・
「なんで・・・・。幸成・・・・苦しいよ・・・・」

暗闇を照らす、一筋の月の光を浴びて、瑠璃の身体が軽くしなる。
俺は、両手でしめていた瑠璃の首元から左手を外し、親指と小指で赤く紅潮した瑠璃の頬をつかんだ。

「裏切り者を待っているのは、死だけなんだよ。」

俺の手から逃れようと、瑠璃が、頭を左右に振る。
俺は、首元と頬から両手を離し、乱暴に瑠璃の両手をつかむ。
ビクン
瑠璃の身体がかすかに震える。

「痛いよ。幸成。離してよ・・・・」

左手で瑠璃の細い両手首をつかみあげ、身体に巻きついたシーツをはぎとり
俺は、瑠璃の身体を見下ろした。

何度も何度も愛し合い、喜びもだえた瑠璃の身体が、今日はまるで知らない他人の身体に思えた。

「俺に隠れて、あいつと何をしていたんだ。あいつに何回やらせたんだ。」

俺の心に徐々にまた、あの真っ黒な嫉妬の渦が巻き起こってきた。

「お前は、俺のものだと言ったろう。お前は、俺からは逃れられない運命なんだよ。
何故って、俺は、お前を愛しているから。」

そういうと俺は、愛を囁いた唇を、恐怖でわななく瑠璃の唇に押し当てた。
震えながらもかみ締めた瑠璃の冷たい歯に俺の舌が割り込んでいく。

何度も交わした口付けも
あの日から、熱さをなくし、喜びの炎は鎮火された。
俺の口付けに全く反応をしない、抜け殻のような瑠璃・・・・・
お前は誰にも渡さない・・・・
まして、友達の雄喜になどは、絶対に・・・・
涙の筋が何本も描かれている、瑠璃の頬に口付けた。

「瑠璃。お前の心も、身体も一生俺のものなんだ・・・・」

恐怖に怯え、大きく見開かれた瞳から、再び幾筋もの涙がこぼれた。
そして俺の行為を拒絶するように、かみ締めた唇から、小さくカタカタと音が漏れた。

耳元から首筋にKISSをする。
胸元から足の付け根に・・
いつもと同じ道筋をたどり、やがて俺は、瑠璃の身体に自分を沈めた。

~第三章「白いシーツ」へつづく~↓
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