まるい月の中では無数の星の稚魚たちが瞬いて、細く月が欠けてゆくにつれ、ひとつ、またひとつ、ぴゅーんと月から星が生まれ出て、無限の空へ流れて行った。
彼らは真夜中の黒に、明けゆく仄かな白に、陽が昇り切った裏側に、暮れなずむ蒼の彼方に、月の糸を引き消えていった。
月を宿した星屑の光が大地に溶け込み、やわらかな水に還ってさらさらと川を流れてゆく。
そのうち水面をぴちぴちっと跳ねる頃、ちょうど月が満ちてきて、彼らは再びその時をめがけてぴゅーんと集う。大地の夢を引きながら。
まんまるな月が湖面を映して輝く刹那、稚魚星たちは息を潜めて始まりを待つ。
新月には空一面に、満月にはその懐へ、星は巡り旅を続ける。
俯いて意味を考えるより、大きなうねりのその行く先でまた空に散り、さえずる光となって舞い踊れ。
彼らは真夜中の黒に、明けゆく仄かな白に、陽が昇り切った裏側に、暮れなずむ蒼の彼方に、月の糸を引き消えていった。
月を宿した星屑の光が大地に溶け込み、やわらかな水に還ってさらさらと川を流れてゆく。
そのうち水面をぴちぴちっと跳ねる頃、ちょうど月が満ちてきて、彼らは再びその時をめがけてぴゅーんと集う。大地の夢を引きながら。
まんまるな月が湖面を映して輝く刹那、稚魚星たちは息を潜めて始まりを待つ。
新月には空一面に、満月にはその懐へ、星は巡り旅を続ける。
俯いて意味を考えるより、大きなうねりのその行く先でまた空に散り、さえずる光となって舞い踊れ。