090419 小山田緑地

　
今年のF研究会　第一回目は　小山田緑地　都立公園だ
多摩センターから1時間に1本というぎゅうぎゅうのバスまたは唐木田から徒歩　

園内にはいろいろな植生がある
まずはコナラやクヌギの林　林の下にはアズマネザサ
炭などに利用するため10数年で切られる　人の手のはいる林


クヌギには雄花と雌花が
クヌギ　ブナ科　コナラ属　Quercus acutissima　Carruth.

園内たくさんタンポポがあったけど 多くは在来のカントウタンポポ
　カントウタンポポ　
キク科　タンポポ属　Taraxacum platycarpum Dahlst.
花の茎は短いけれども　タネができる頃にはすくすくと伸びる
これで　より高いところからタネを風に乗せて飛ばすことができる　
なるほど

さっそく　ここでしか見られない花が登場！
　タマノカンアオイ
ウマノスズクサ科　カンアオイ属　Asarum tamaense
カンアオイの仲間は60種ほどあるそうだ
どれも地域限定で その土地その土地特徴的なのだそうだ　
タマノカンアオイは多摩限定

　チゴユリ
ユリ科　チゴユリ属　Disporum smilacinum A.Gray
続いてかわいらしいチゴユリ
うつむいて咲いている　花は1.5cm程か
　稚児百合
下から覗き込んで撮影

すぐそばの竹やぶでは七夕用の竹を作っているとのことで今はタケノコの時期
　

　セキショウの花
石菖　サトイモ科　Acorus gramineus　
下って　水辺に出ると　細い葉のセキショウが群生している
かきわけてみると・・・これは花の集まり
500以上はついているだろうか（Iさんが数えていた・・・）
葉に見えるけれども　細い緑色の「包（ほう）」がある
これが白くて大きいとミズハショウ　となる

　ヤブレガサ　
キク科　ヤブレガサ属　Syneilesis palmata

形も名前も面白い‘破れ傘’　
西表にはこれとそっくりのシダでヤブレガサウラボシというのがあった
同じ林の中には　優しい感じのナルコユリ
　ミヤマナルコユリ
ユリ科　アマドコロ属　Polygonatum lasianthum 　

続いて嬉しい蘭の仲間
　キンラン　
ラン科　キンラン属　Cephalanthera falcata
公園内ではキンランとギンランを保護育成している

少し明るいところでは　見上げると　試験管ブラシのような
　ウワミズザクラ
バラ科　サクラ属　Prunus grayana
これもサクラの仲間　属もソメイヨシノと同じPrunus属
あまりにも属が大きいので分類を見直す動きもあるとのことだった
こんなサクラもあるのね・・・今回は無かったけどイヌザクラというのもこれに似た感じ

途中つり橋を渡る　橋の下はかつては田んぼだったのだろうか
いったいにシュレーゲルアオガエルのケレケレ♪という鳴き声

　タチツボスミレ　一番多かった
スミレ科　スミレ属　Viola grypoceras

スミレ　葉柄に翼がある
スミレ科　Viola mandshurica　

　アカネスミレ
スミレ科　Viola phalacrocarpa

　ホウチャクソウ
ユリ科　チゴユリ属　Disporum sessile
ミヤマナルコユリに似ているけれど
チゴユリと同じ属で　チゴユリに近いんだ
宝鐸（ほうちゃく）とはお寺の軒先の風鈴


左はジュウニヒトエ　右はキランソウ
同じシソ科のキランソウ属
ジュウニヒトエ　Ajuga nipponensis
キランソウ　Ajuga decumbens
見事な株なので交代で写真を撮る
7つ花序があるからハチジュウヨンヒトエなんて洒落を言っている人も・・・

　ホタルカズラ
ムラサキ科　ムラサキ属　Lithospermum zollingeri
ベテランの皆さんが　ほォ～～いい色、少なくなったよね・・・と喜んでおられた
　フデリンドウ　小さい
リンドウ科　リンドウ属　Gentiana zollingeri

エンコウカエデの花
カエデ科　カエデ属　Acer mono var. dissectum
イロハモミジの花は赤くて下に向いているけれど
これは黄色くて上を向いている

　アケビの花　
アケビ科　アケビ属　Akebia quinata Decne.　
小さいのが雄花、大きいのが雌花
アケビは１つの株に雄花と雌花をつける　雌雄同株（しゆうどうしゅ）の植物だ


ここにあげたのは　今日見られたほんの一部
O先生　それからいろいろ教えてくださったベテランの会員の方々　
ありがとうございました

今年もよろしくお願いいたします


参考：学生版　牧野日本植物図鑑　北隆館
　　Botanical Garden HP