ケンポナシハウスの入口に、枝ごと落ちてきた。ケンポナシだ。
花序が出来はじめのころ、気がついて、みんなで梢をながめては、何の木だろうと話題になった。
ここが古いＹさんはなんでも知っていて教えてくれる、「×××ナシ、え～～っと、調べたんだけど、？？？ナシ、でてこないな・・・」
みんなが「サルナシ？」「それはお餅を包むやつだよ」「あっケンポナシ？」「はじめてみる」「毎日通る入口なのに気がつかなかった」「Ｃ級には出てこないよね」「Ｂ級にも無い」「Ａ級にも無いとおもう」「超Ａ級？」
そんなことがあって、気になっていたけど、手が届かないし、高くてよく見えないし、花が咲いているのか実になっているのか、いつが食べごろなのか・・・、
そのうちお祭りの準備で忘れていた
そしたら、お祭りの当日、落ちてきた。
ちょうど今年の温室公開のクイズのテーマが種子（しゅし・たね）・果実（かじつ・み）
展示に加えておく
グッドタイミング
食べてみる。 なるほどォ～ 梨だ
Ｗ先生、「美味しいですよ、甘くて、リカーにつけるとそれも美味しい・・・」
丸いところをつぶすと、つやっとした少し扁平な種が出てくる。
種子のある部分は丸い飛び出たところ。食べるのは、その下の膨れている柄の部分、ここが梨の味がする
バラ科の梨は、ガクの下の花托が発達し、膨らんで子房を包み込み、あの梨になるけど、
このケンポナシは花柄が膨らんで、でも子房を包むことなく、種の部分は飛び出て別々になっている。
いったい、誰がこれを食べて、種を運ぶのだろう。鳥散布か哺乳類散布だろうか。
樹上で食べられ、種が落ちるのか、落ちてきて食べられるのか
梨味の部分を食べて、種が落ちるのか、一緒に食べられて、消化管を通って糞と一緒に捨てられるのか。
こうやって花序がどさっと落ちてくるから、地上の動物が餌にするのかな？
この甘さは、結構なカロリーになりそうだ。色は地味、匂いも感じない・・・。
私は、種子の入っている丸いところはよけて、梨味の部分だけ食べたのだけれども・・・
サルやリスがこれを、手に持って頬張るのだろうか？
だれがこれを食べに来るのかみてみたい。
ケンポナシ Hovenia dulcis Thumb.クロウメモドキ科 ケンポナシ属
落葉高木、花期：６～７月、径約７ｍｍ、淡緑色、集散花序
分布：暖帯：奥尻島・本州・四国・九州・朝鮮・中国
備考：本州・四国の山には、よく似て葉の厚く、果実の表面に毛のあるケケンポナシがあり、同じく甘く、食べられる
参考：原色日本植物図鑑 木本編Ⅰ 保育社 p.244