咬合と全身 ホワイトニング

咬合を介して顎関節症と不定愁訴への歯科的アプローチ

歯周病予防・ムシ歯予防・口臭防止を兼ねたMIホワイトニング

上位頚椎 3

2006-02-27 21:29:34 | 頚椎
上部頚椎サブラクゼーションによる脊柱管狭窄は後頭顆環椎上関節面周辺の内部組織、特に延髄を含む大後頭孔を通過する副神経脊髄根、椎骨動脈、前・後脊髄動脈、脊髄静脈にも直接的或いは間接的に影響を及ぼすことが考えられる。例えば椎骨動脈の圧迫では脳幹、小脳、大脳への血液供給が十分に行われず頭痛、目眩、言語障害、後頭部が思い等。又副神経の圧迫では胸鎖乳突筋と僧帽筋に緊張を見る。

この他にも上部頚椎と密接に関係あるのが咬合の問題です。この両者は共に相関関係にあり、咬合の問題も上部頚椎サブラクゼーションの原因の一つに含まれます。例えば歯科治療による補綴物による咬合異常は顎関節や上部頚椎に変位をもたらし、姿勢異常や様々な不定愁訴を発生させることになります。ですから、上部頚椎の調整後、冠脱離や人工歯脱離が自然発生的に起こる場合がありますが、これは上部頚椎の変位が取り除かれた結果、イネイト(先天的知能)による不正・異常咬合の調整のために起こる不自然な状態の修正なのです。咬合に問題のある患者は上部頚椎調整後、咬合の違和感を訴えることが多いのはこの辺りに原因があるのでしょう。

グゼーもクォードラント理論によれば生理学的な下顎運動は第2頚椎の歯突起を中心に行われており、咀嚼運動には上部頚椎と後頭骨に付着する後頭部の筋群が関与しているため咬合の不正と異常はこれら一連の筋群に緊張をもたらし上部頚椎のサブラキゼーションを惹き起こす原因にもなる。
例えば第2頚椎棘突起から後頭骨に付着している大後頭直筋は第1頚椎の後方変位を招き、第1頚椎横突起から第2頚椎棘突起に付着している下頭斜筋は第1頚椎の前方変位を招く。その他小後頭直筋、上頭斜筋等も上部頚椎変位に関わる主要筋肉となっています。




上位頚椎 2

2006-02-25 14:58:24 | 頚椎
Innate Intelligence
イネイト・インテリジェンス(先天的知能= 自然治癒力)は、脳で発生し、脊髄神経を経て全身の器官、組織、細胞へ伝達されていると考えられています。

卵子と精子が結びついて受精卵となり生命が誕生し、細胞分裂しながら骨格、内臓、顔、手足などを作ります。赤ちゃんが生まれると誰も教えないのにお乳を吸い消化吸収し排泄します。睡眠中も心臓は規則正しく動き、呼吸をし、体温も一定に保ちます。 

それらを作る力は遺伝子だとされていますが、オステオパシーやカイロプラクティスでは「先天的知能」の作用だと考え、脳内の「脳幹」にあるといわれています。
そして、病気を治す役目は先天的知能の中にある「自然治癒力」が担当しています。例えば、指を切っても治る、骨折しても固定だけでつく、これらは全て自然治癒力のおかげです。
先天的知能は体に異常が起こるとすぐ正常に戻そうとしますが、元に戻せない時は必ず代償作用が働きますが、これも先天的知能なのです。


上位頚椎 1

2006-02-24 18:53:02 | 頚椎
頚椎について、キアテック、頚椎瞬間調整、頚部ストレッチ等を絡めて暫く検討を加えたいと考えています。
特に上位頚椎を深く掘り下げてみたいと考えています。

上部頚椎の変位は脊柱の形態上、下部脊柱にCompensation(代償作用として二次的変位をもたらす)を発生させます。頚椎全体を矢状面から見ると前弯という生理的彎曲が保たれていますが上部頚椎(C1)の変位は頭部の重心移動を起こすことになり、その結果頚椎の生理的彎曲は失われることになります。
代償作用とは先天的知能によって得られる身体の平衡と姿勢の保持のためであり、脊柱の生理的彎曲の消失は1つのサブラクゼーションに対しての全体的(生体)維持の保護対策といえます。
当然の如く上部頚椎のサブラキゼーションによってとられる代償作用は下部脊柱を構成する椎骨間の椎間孔の形状やそれと関連した椎間板の形状、靱帯、筋肉、血管、椎骨間の関節面そして重心の移動は脊柱のみならず仙腸関節、股関節、膝関節、足関節にも影響を与え、ひいては身体全体に影響を及ぼすことになります。
このように特にC1の上・下方変位(AS:前上方・AL:前下方)、側方変位(R・L:ロックアップの状態)、回転変位(A・P:横突起の前後方)の三次元的複合変位は頚椎カーブの減少或いは増加を生じさせ、その結果下部脊柱に側彎、猫背(亀背)の構築異常(本来は先天的知能による代償作用としての正常な機能と考える)を形成させることになり、これに付随した症状を引き起こすことにもなる。


TMD治療の実態

2006-02-20 20:18:27 | TMD 顎関節症
顎関節症の発症・誘因として頚椎牽引・交通事故・ボクシング等による殴打・理美容院での洗髪(美容院症候群)・高枕による頚椎過屈曲・顎関節脱臼後遺症・歯列矯正・抜歯・不正咬合・偏咀嚼・ブラキシズム等々が挙げられます。

対応としては神経内科・心療内科・精神科・整形外科・脳外科・内科・麻酔科(ペインクリニック)・鍼灸院・整体院・カイロプラクティ院への通院が考えられますが、なかなか歯科医院というのは思いつかないようで、悩んだ末に歯科医院に行く傾向があり、その段階ではどうして寛解しないのだろうか?どうして治らないのだろうか?という不安で身体面の不調から精神的な不調に陥られる傾向が多々見られ、歯科医院で歯科的原因を解消できても精神的な寛解、或いはそれまでの生活習慣の改善が必要な症例が多々見られます。

当院を受診された患者に既往歴を伺う時、過去の受診経験をお尋ねすると下記のようになります。
5箇所以上受診  51%
4箇所受診    12%
3箇所受診    10%
という事で複数受診後、当院に来られる患者数は約80%にも達し、初めての受診は約20%程度になります。この20%の患者の発症原因が歯科由来なら100%の確立で治癒又は寛解します。

更に発症から10年以上経過が約20%、5~10年経過が約70%で多くの患者が長期に渡って苦しんでいる事がよく分かります。
受診医療機関が多くなる程、患者の不定愁訴は増加・増強する傾向にあり、精神神経疾患(うつ病・分裂症など)と診断されている患者が約1割、これほどの状態ではないが神経症と診断される方は約6割にも上ります。

これは顎関節症病因の考え方には機械論的病因論と生物心理社会的多因子論の二つに大きく分けられますが、顎関節症患者の病因を正確に検討・確定されないままに各種の対症療法受けた結果、不定愁訴発現或いは更に新たなる不定愁訴発現の引き金になり、それら不定愁訴に対する不安感を患者の精神面に生じさせているものと考えます。それらが更なる医院ショッピングへと走らせ、悪循環が生じるのでしょう。

当院では従来の三位一体(顎関節・歯牙・咀嚼筋)から頚椎、特に上位頚椎(歯椎:第1,2頚椎)の四位一体とした考えと、重心軸と身体の中心軸の一致をはかった重心軸調整(キアッテク等)を臨床応用し良好な成績をおさめています。

診療としては姿勢の改善(重心軸調整)とオーソシス(Orthosis)を装着する事による感覚の遮断・咬合位の修正・咀嚼筋群のリラキレーション・顆頭位の修正を行うことで自律神経症状や心理的症状の改善又は寛解がみられます。

しかしながら約5%の割合で改善されないケースがあります。その理由は口の中に装着するオーソシスに馴染めない。過去の経験から判断して、現在進行中の治療で寛解又は消失されるのか?という不安で中断する形ですが、悪化例はありません。
それと患者自身、日常の生活習慣を積極的に改善する意志は必要です。歯科医師も努力する。そして患者さんも目指すべきゴールに向かって努力する。これがなければ治るものも治らないでしょう。
尚、
消失とは不定愁訴の消失を言います。寛解とは平常は殆ど支障なく暮らせ、不定愁訴も殆ど無いが何となく不安は残る。また開閉口時に僅かに関節雑音を発する或いは少し下顎骨が蛇行する程度を言います。


保険改訂

2006-02-18 13:14:23 | 四方山話
今回の保険改訂は厳しく、おそらく倒産・廃業が続出すると聞きますが、3%の引き下げでそれ程目くじらを立てる事なのかと思う私はおかしいのでしょうか?

現実には30年前の点数と殆ど変わらないのだから、定期的に小手先の改革をするなら、止めて欲しいというのが実感です。改正(悪?)される度に点数を覚えないといけないし、レセプトの中身も若干変わるため、レセコンを使用していない私にとって慣れるまでが一苦労です。
PZも即処もKFも殆ど変わっていません。変わらないという事は保険点数設定時と技術的にも、内容的にも変化していないと中医協は見ているんでしょう。

皆保険制度設立時、外国からドンドン入ってきた戦後の評価ではなく、戦前のレベルで設定したのでしょう。だから、元々保険点数は実態と合わない内容だし、旧厚生省も戦前のレベル以上の事を望んでいないようです。鋳造冠ではなくバケツ冠で十分と考えているのでしょう。

WHOによると世界の健康達成度NO1の日本。そしてGDPに占める医療費では世界ランク18位の素晴らしい保険制度。非常に効率の良い医療を実施している日本。この保険制度は国民にとって非常に素晴らしい福祉制度と考えます。国民の一人としてこの制度がいつまでも続くことを希望します。
但し、点滴もう一本運動や手術勧奨運動は止めての話です。。。。

本当に倒産・廃業が続出するなら、その制度は間違っているのでしょう。それが事実なら、伝家の宝刀(保険医辞退)を抜くべきでしょう。勿論、世論を味方にするだけの説明を国民にすべきでしょう。

昔から一部の歯科医師の中でよく言われてるように、予防に力を入れ、虫歯や歯周病をできるだけ作らないようにし、欠損に対する処置は自己責任という形を取ればいいなぁ~と思います。
・・・ニュージーランド?の様に、20代、30代で総義歯という人も増えるかもしれませんが、、、

ところで3%マイナスで、どうして倒産・廃業が続出するのでしょうか?
誰か教えて下さい。