咬合と全身 ホワイトニング

咬合を介して顎関節症と不定愁訴への歯科的アプローチ

歯周病予防・ムシ歯予防・口臭防止を兼ねたMIホワイトニング

顎関節症の誤解

2006-02-08 17:53:58 | TMD 顎関節症

学校歯科検診の項目にもなっているので、実態を知らないまでも顎関節症と言う言葉自体は、多くの人がご存知だと思います。
顎関節症の三大症状、口を開ける時に顎関節部から音がする、顎が痛い、口が開けにくいなどの症状はあまり知られていないようです。中には顎関節部は音が鳴るモノと思われている患者も多く見られます。どちらかというと、突然、食事中に口を開けると痛くて口が開けられず、ビックリされて歯科医院に来られる人の方が多いと思います。また、それらの患者さんに顎関節症ですよ!と言うと、キョトンとした顔をされることが多いのが現状のようです。
インターネットで検索すると顎関節症の治療について説明のある歯科医院はたくさん見つかります。スプリントと呼ばれるマウスピースを使って治療することも、かなり知られているかもしれません。しかし、不定愁訴は顎関節症が原因と思われている人達も多いのが現状のようです。

このようによく理解されていないまま、顎が痛くなったり、口が開かなくなったりしたら、歯科医院か口腔外科のある病院に行けば、当然、しかるべき治療が受けられるものと思っているはずです。しかし、いざ実際に診察を受けてみると、あなたは歯科医の説明や治療にショックを受けたのではないでしょうか?

一般的な顎関節症の治療法
診察をした歯科医は、
・特に治療法もないので痛み止めを出しましょう。
・大学病院を紹介しましょう。
・スプリントを作り、それを使うように指示するでしょう。
等を説明するでしょう。
顎関節症の症状と一緒に始まった肩や背中の痛み、耳閉感、倦怠感、睡眠障害などについて説明を求めても、歯科医は困った顔をして「顎とは関係がないと思いますよ」と言うかもしれません。顎関節症と関連して起きているように感じられる体の不調を更に強く訴えた人は、歯科医から心療内科の受診を勧められるかもしれません。

改善の兆しもない症状は患者を不安にさせ、消極的でなんとなく逃げ腰の歯科医の態度に、患者は怒りを募らせるかもしれません。

どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?

顎関節症とは、本当はどんな病気なのでしょうか?

科学的研究で明らかにされたこと
1990年代から行われた大規模な疫学的調査では、顎関節症はSelf Limitingな病気で症例の多くは顎関節症の症状はそれほどひどくならず、自然に治癒するという知見を得ました。しかし、筋骨格系の異常が自然に治るとは考え難く、どちらか言えば日常生活に支障を来さない程度に回復されると解した方がいいかもしれません。また、顎関節症を顎口腔系由来とストレスや体調不良等の全身的なものに由来すると考えた方がいいかもしれません。
勿論、後者の場合は自然治癒Self Limitingすることは十分に考えられます。一節に顎関節症の90%は自然治癒すると言われていますが、どちらにしても顎関節症はSelf Limitingな疾患と結論づけるには、もう少し検討を加えた方がいいでしょう。

では自然治癒しない残りの10%の顎関節症の場合、難治性の顎関節症と考えればいいのではないでしょうか。
これは先ほど述べた顎口腔系由来或いは全身的なものとの複合系と考えればいいでしょう。又、下顎骨体は頭部重心のバランサーと考えた時、筋骨格系或いは神経系にそれなりの影響を与えているでしょう。更にその影響を少なくするために全身的な補正が行われていると解しても良いでしょう。

ではこの10%の難治性の顎関節症へのアプローチになるのですが、その原因の主が顎口腔系由来とした場合、十分に歯科治療で対応することができるのです。それは三位一体(歯・咀嚼筋・顎関節)を考慮したオーラル・リハビリテーションです。
顎関節症の原因として姿勢、歯性そしてその混合(歯性+姿勢)です。姿勢は重心軸の調整で対応できるはずです。そうですPOA(重心軸調整・頚椎瞬間調整・頸部ストレッチ・反射的咬合調整)で殆どの症例に対応できるでしょう。
オーラル・リハビリテーションとPOAです。