咬合と全身 ホワイトニング

咬合を介して顎関節症と不定愁訴への歯科的アプローチ

歯周病予防・ムシ歯予防・口臭防止を兼ねたMIホワイトニング

TMD患者は来ない!・・・周囲で言われるほどTMD患者はいるのでしょうか?

2012-01-13 12:48:11 | TMD 顎関節症

若い先生方から、
「僕の医院はTMD患者が来ない。」
「TMDを訴える人が少ない。」などをよく耳にします。

本当にその医院に行かれている患者さんたちは顎関節に問題を抱えていないのでしょうか。
患者自身が歯科とは関係ないと考えているのではないでしょうか。
だから説明しても仕方がないと考えているかもしれません。
更には、顔のゆがみ、頭頚部の疼痛や凝り、腰部の痛み、手足の痺れなどは歯科とは関係ないと考えている患者さんは実際に多いです。

咬合治療によって改善或いは寛解するケースも多いのが現実です。
・・・エビデンスはありませんが、仮説は立てられるし、現実に良くなっている患者も多いです。
・・・頭痛の80%は咀嚼筋が関与していると言われています。咀嚼筋なら歯科医師の十八番です。

歯科医院側も以下の内容を患者さんに質問してTMDのスクリーニングをしているか疑問です。
だから患者さんは歯科医師に話しても無駄と思っているのかもしれません。
しかも歯医者は削って詰めたり、歯を抜いて義歯を入れたり、歯石を取ってくれる所と考えている人たちが多いのも現実。
? Do you get frequent headaches?
? Do you have muscle tension in your jaw?
? Do you have facial pain?
? Do you clench or grind your teeth?
? Do your teeth feel sensitive?
? Do your TMJ's click or pop?
? Do you get vertigo or dizziness?
? Do you get tinnitus?
? Do you get ear congestion?
? Do you have an over bite or over jet?
? Are you a mouth breather?
? Do you have neck pain?
? Do you have posture problems?


諸々

2012-01-10 11:14:26 | 四方山話

今週、リコールで上下総義歯の80歳の女性患者が来院しました。
昨年、10月にリマウントして咬合器上で咬合調整しました。

昨年の秋くらいから体調が悪く、首が回らなくなったらしいです。。。ドキッ!義歯の咬合調整をしたから!?
そして、昨年11月からリハビリ科のある病院に通院し、殆ど毎日、首を牽引しているそうですが、今日、視ると左側には45度程度回旋できますが、右側へは殆ど動きません。
キアテックの診断はALかARかは迷いましたが、前重心は分かっているので前方から全方向型パワー注入をし、五指ソフトリングで確認したところ、すべて閉まりました。所要時間は3分程度です。
患者に首を回してもらうと、右側は殆ど動かなかったのに、左側と同様に45度以上回旋、左側は45度以上回旋できるようになりました。。。患者からは「何かおまじないをしたんですか」と言われました。
この患者の姿勢は猫背です。猫背の場合、肩こりも酷いでしょう。

歩く姿勢が大切だと、最近、いやズーッと思っていたのですが、脚と骨盤しか考えていませんでした。
この頃は肩甲骨で歩けば姿勢も良くなるし、肩の凝り難いことが分かりました。
ウォーキングでも腕を振るようにといわれますが、腕を振るのは肩甲骨を動かせるためというのが理解できてきました。
また、歩行となると下半身に重点を置きがちですが、身体は一つです。体全体を動かさないと健康的には歩けないと言うことでしょう。
また、肩甲骨で歩くことを意識することで、先ほどの患者のような猫背も予防できるのではと考えたりします。
四十肩、五十肩も肩甲骨の動きに大いに関連があるんでしょう。

そうそう四十肩、五十肩で思い出しましたが、以前、やはり腕が上がらない患者で整形に長い間通院しているけれど、良くならないという患者がおられて、その患者にもキアテックをすると、かなり腕が上がるようになったのですが、その患者からは怪訝そうな顔をされて、歯医者なのに変なことをするという顔で見られました。

殆ど、大半の患者は、歯科医院は削って、詰めるところと考えているため、全身との関わりとは関係ないと考えています。。。だから、多くの歯科医院は、ある意味、助けられていると思います。
そんな状況の中で、以下のような患者が来院されて、治療することは歯科医師冥利に尽きます。
・・・それなりに問題があって苦しいですが、その反面、非常に楽しいです。

Q1=○○ ○○
Q2=○○@areas.eonet.ne.jp
Q3=1975’08’27
Q4=大阪府○○○市○○町
Q5=はじめまして。
数々の不定愁訴に苦しめられ、仕事や家事はもちろんのこと日常生活もままならない状態が3年続いています。

とりあえず体調不良の軌跡を報告します。

7年前に虫歯治療 ○○市にて
 この時に左奥上が低くなった

その2年後、今から5年前ぐらいから顎がかくかくいうようになり、前歯がかみ合わなくなり(ちなみに以前は前歯で裁縫の糸を噛み切ることができるくらいきちんと合わせることができた)、肩凝り・頭痛・顎の痛みが始まる。

4年前近所の歯医者さんで保険適用可能なマウスピースを作成してもらうが、付け心地が悪いのと効果が感じられないのとで続かず。

3年前 ドクターズショッピング
 ○○市民病院口腔外科
  「近所の歯科医で好きなところへ行って下さい」
 ○市のN歯科
  何の説明も何の治療もせず意味不明
 ○○大病院口腔外科
  「近所の心療内科に行って下さい」
 近所の心療内科
  抗うつ剤・抗不安剤など現在も服用中
  丸2年ほぼ寝たきり状態が続く。
  ※顎の痛みはいつしかなくなっていた
   咬み合わせが悪いのは相変わらずで、
   奥歯左右合わせて3点ほどしか当たってない感じで、
   それも点で接している感触で、
   どの位置が正しいのかわからないです。

去年10月 半年前
 近所で鍼灸整骨院デビュー
  様々な苦痛が一部軽減され、布団から出ている時間が増える。

先月 突然左奥歯がとても痛くなり、食事も苦痛だったので、近所の歯医者さんで銀色のかぶせを1つ外す。

以上です。

まずは相談希望なのですが、送迎をしてもらう主人の仕事の都合上、土曜の午前中しかお伺いすることができません。
月水金のみとのことですが、土曜日でも相談可能でしょうか?
よろしくお願い致します。

ということで、本日来院されました。
メールや電話でのやりとりでは噛み合わせドックを受けるということだったのですが、、、、
主訴
 食事をしていると顎が疲れ、長くかむことができない
 どこで噛めばいいのか分からない。

口腔内を診ると、
大臼歯部のみの嵌合で開口状態。
但し、上下前歯は咬耗しているため、以前は嵌合していたことが予測できます。

左側下小臼歯部舌側に骨隆起。。。この部位に過大な咬合力が加わっていると考えられれます。

左側TMJは開口運動時Crepitus

疲れてくると頚肩部の凝りと前額面と後頭部に拍動痛ではない痛みがある。

それ以外に
殆ど寝たきりの生活だが、鍼灸院で加療することでかなり頚肩部の凝りは楽になってきてる。頚部には円皮鍼が貼られていて、頚部は柔らかい。

口唇圧を測定すると3N程度で、会話中の舌の動きを見ていると上下前歯部を舌で押さえている状態。
パノラマ所見では、両側下顎等は吸収、変形し、筋突起とほぼ同じ高さを呈していました。
以前、TMJの疼痛で1cm程度しか開閉できなかったと述べる。

治療方針として
1.開口・・・歯列矯正
2.OMFT
3.CMO療法
患者には歯列矯正をした後、顎頭蓋矯正になると説明。また、治療の進度も心療内科と平行に改善していく必要がある。どちらにしても、矯正の検査を含めた機能的咬合分析の検査をした後になると説明し、終わりました。。。是非、治療をやっていきたいと思いました。

人生の1/3を過ごす睡眠ですが、就寝時の理想の姿は立っている状態を90度倒すことだと言われています。
矢状面から見た場合、脊椎のS字状彎曲をサポートし、前頭面からは脊椎は直線です。
昔々はフワフワの寝具ではなく、せんべい布団で寝るようにと言われた時期がありました。
本当はどちらが良いのでしょうか。就寝中は寝返りを打ったり、横を向いたりしてズーッと仰向けで寝ることは不可能でしょう。
昔の常識が非常識になったりすることから、今の常識も将来は非常識になる可能性があります。
・・・迷わされますね。

ということで、咬合と全身に対して歯科的アプローチをしようと思うと、歩き方、就寝時の姿勢なども無視できなくなってきますね。