咬合と全身 ホワイトニング

咬合を介して顎関節症と不定愁訴への歯科的アプローチ

歯周病予防・ムシ歯予防・口臭防止を兼ねたMIホワイトニング

咬合治療

2006-08-14 13:36:40 | MLより
咬合治療が身体各部の症状を消失或いは緩解させたと歯科医師である以上は考えたいのですが、残念ながら科学的に証明されたモノはありません。
TMDの一部或いはかなりの症状は自然消退する可能性があり、何ら治療もせずに経過観察している間に三大症状が消失することはあります。
その様な症例では心理的要因によって惹起された場合が多く、自然に消退することは十分に考えられます。やはりSelf Limitingな症候群なのでしょう。

TMD症状と考えられている多くは必ずしも病的状態を表しているわけではないでしょう。
顎関節や咀嚼筋の疼痛は基本的に無害で正常な変化であると考える人が結構多く、顎関節症の臨床症状を正常な変動の範囲内にあるとする考えもあります。
整形外科医(特に関節炎を専門とする医師)は他の症状を全く伴はない顎関節雑音は、臨床上、重要な意味を持たないと考えているようです。まして筋疲労時の鈍痛を疾病の症状と考えるには問題点があります。

精神的ストレスだけでは顎関節症の原因にはならないと考えていますが、精神的ストレスによる生化学的変化によって個体の抵抗性は咬合的ストレスがTMDを惹起し得る状態まで低下させると考えます。
心療内科では、投薬等によって患者の抵抗性を高めることによってTMDを治そうと試みますが、もっと臨床的で早い解決法は原因を除去することでしょう。
精神的、感情的な問題を解決するには何年もかかるでしょうけれども、咬頭の干渉は簡単に行うことができます。

余談になりますが、五十肩は肩関節周辺のInner MusclesとOuter Muslcesのアンバランスから生じるのでは?と考えています。それ故、治療法はその両方の筋群を鍛え、バランスを取るようなエクササイズを行えば治るのではと考えていますが、現実はなかなか治りません。私もそうでした。

最近、五十肩で整形に約1年通院するも、腕が90度以上上がらない69歳の女性にキアテックを施しました。
施術直後には160度位まで上がり、三日目には180度まで上がるようになり、生活面では支障を来さない状態までになりました。
キアテックは重心軸調整という考えの基に導入しているのですが、そのポイントは頚椎です。

下顎運動は中枢神経機構や上位頚椎を主体とした頚椎全体の動き、上顎を含む頭蓋骨の動きが一体になったものと考えています。もっと大きく考えると、安静位が姿勢維持位と言われるように、下顎運動は全身との調和の元に円滑に動くものなのでしょう。

この下顎運動の異常が三叉神経群や中枢神経幹にストレスを掛け、全身にわたる違和感、手足の痺れ、痛み、起立不能、腰部の痛み、脊椎の彎曲や原因不明の難病が起こるのかもしれません。これら疾病を持った人々の咬合は異常で、頚椎の運動範囲は極めて小さいのが特徴のようです。

この五十肩の女性も、右右下顎臼歯部はインプラントで咬合回復の予定ですが、現在プロビジョナルクラウンが装着され、キアテック後は頚椎の運動範囲が大きくなりました。
・・・この辺りに鍵があるのかもしれません。
しかしながら、咀嚼器官や顎関節症と直接的関係を有していない身体各部の症状を顎関節症の関連症状とみなしたりするのは危険です。

少なくとも顎口腔系の調和を図った治療を行いこそすれ、調和を乱した治療は、健康を脅かす目に見えない刃物を患者に突きつけることになるかもしれません。

咬合と全身を考えた場合、歯科が大いに関与して症例では、リハビリを行えば、自ずと良くなると考えています。
体表治療は、それらの治療期間を短縮するのに役立ちますが、根本的治療ではないと考えています。
体表治療の心得を知るのは大切ですが、体表治療家になる必要はないでしょう。
・・・歯科医学の研鑽に一生を費やしても時間がないでしょう。





全身的咬合調整の作用機序・・・5

2006-08-11 13:48:15 | TPOA 全身的咬合調整
全身的咬合調整を行えば、確かに良くなるのですが、その理由付けが十分に出来ないので、施術をしながらもどうしてなんだろうと悩んでいます。
それと、3点セット(キアテック・頚椎瞬間調整・頸部ストレッチ)で治療した患者で、あまりいい結果が得られなかった患者に4点セット(キアテック・頚椎瞬間調整・頸部ストレッチ・反射的咬合調整)で全身的咬合調整を行うと、見違えるように良くなっています。更に5点セット(キアテック・頚椎瞬間調整・頸部ストレッチ・反射的咬合調整・アプライアンス)にすると!
これも、理由付けは出来るのですが、驚きの一つです。

何でもそうですが、それなりの理論背景というか理由付けが出来ないと、患者に自信を持って対応できません。でないと、民間療法の域を出ないでしょう。

こんな簡単な方法で・・・しかも名人芸でなく・・・不定愁訴が緩解するなら、出来るだけ多くの先生方に知って貰いたいと考えていますが、、、実際、TPOAをやっていくといろんな発見があります。それに対応する方法をいろいろ考えながら理論構築ができるのでしょう。
それと施術を受ける患者が納得して貰うことも必要ですね。理論的に理解できなくても感覚的に理解して頂くとか、、、
そういう考えからすれば、
患者が完全に信頼してくれれば、又違ったやり方もありますが、キアテックも患者が負担にならない程度のオーバーアクションも必要でしょうね。



全身的咬合調整の作用機序・・・4

2006-08-07 14:01:56 | TPOA 全身的咬合調整
下顎の偏位は、必ず頭蓋骨の歪みが来ていると考えます。頭蓋各骨縫合部のズレは最大8mmといわれています。
  ・・・8mmも動くのか!という驚きは持っています。
ということは呼吸期の変形は最大で長径方向、幅径方向に8mmのズレがあると考えても間違いないでしょう。
この呼吸による膨張、収縮は鋭敏な指でないと感じ取れないでしょうね。また、一つの骨が8mm伸びればその反対側は8mm縮むと考えられます。すると柔軟な頭であれば平均4mm位が妥当でしょうか?

これに対する策として、腹式呼吸による横隔膜の上下運動、それによる仙骨の加圧&除圧、そして後頭骨ポンプの作動、頭蓋骨の長径、幅径の膨張・収縮による頭蓋骨呼吸。その結果、頭蓋骨は柔軟になり、歪みも解消方向に向かう。通常、仙骨への加圧は5~15gの力で十分といわれています。また、頭蓋骨調整もそれくらいの力だと言われています。

日常生活による生活習慣。口腔衛生から仕事中の姿勢、食養、就寝時の姿勢などが含まれると思います。それらによる身体の中心線と重心軸との誤差。この誤差が大きい程、身体へのストレスは大きいでしょう。それらに打ち勝つ体力、つまり筋力があれば別でしょう。

以上のことが相乗されて不定愁訴、Dis-Easeの状態になるのでしょう。やがて免疫力の低下からDiseaseになるという図式が考えられます。




全身的咬合調整の作用機序・・・3

2006-08-05 16:55:36 | TPOA 全身的咬合調整
全身的咬合調整の場合、歯根膜の部分的拘縮?を除去するのではないかと考えます。
ある歯に咬合ストレスが掛かり、均等な歯根膜腔の空隙が無くなり、歯牙自体の生理的動揺が阻害されている状態。
その緊張刺激が中枢に働きかけ、咀嚼筋などを微妙に調整する。当然、生理的正常な筋の収縮・伸張は阻害されているでしょう。
それをオーリングで確定し、該当部位を発見して、その該当部位を削除?する。又は該当歯の歯根膜の過緊張状態を指で揺することで取る。つまり歯根膜の凝りを取ることでしょうか?
・・・オーリングを骨格筋の筋反射テストの一方法と考えれば納得できる。
だから、ルーチンな咬合調整を行う部位とは違う箇所をホワイトストーンで撫でる。。。といった所でしょうか。
歯根膜の凝りの原因を取るというのが全身的咬合調整でしょう。そして歯根膜・咀嚼筋反射の正常化を図る。
しかしながら、それらの作業中にルーチンな咬合調整も必要になってくる場合もあるでしょう。

では、なぜその様な箇所が出来るかと言えば、機能的な不正咬合だからでしょう。
    ・・・これが、末梢性のブラキシズムを生むのかもしれない。
では、なぜ発症する人と発症しない人が出来るか。それは顕性不正咬合か不顕性不正咬合の違いでしょう。
では、なぜ顕性、不顕性が現れるか?と言えば、その人個人のストレスに対する抵抗力でしょう。





全身的咬合調整の作用機序 ・・・2

2006-08-04 13:33:28 | TPOA 全身的咬合調整
長年、顎関節症とそれに伴う不定愁訴の苦しみを実体験したことのない方には、科学的根拠やエビデンスがなければ、全身との関連性が肯定できないようです。人それぞれですが、人体はつながっています。狭い歯科領域だけでは解決できないので、否定されるのでしょう。
特に医科領域に浸食する部分なので、建設的に、友好的に見るのではなく、排他的に見られるでしょう。それ故、データーの蓄積は必要と考えます。

その一つが姿勢分析と考えます。咬合治療の術前と術後の差を記録し、総対数に対する改善される割合を調査すれば、それはエビデンスに近づくかもしれません。その様なデーターの蓄積がない限り、歯科界が治した!治ったと発言しても、医学界で冷ややかに見られることでしょう。
骨盤調整をすると咬合が変わったという話をよく聞きます。そして、歯科医師がAKAやその他の体表施術を修得する傾向が見られますが、それらは歯科界にとって混乱を招くことがあってもプラスになることは少ないと考えます。
それよりも、姿勢と顎位の関係や安静位の機序を学んだ方がより有効な気がします。つまり、歯科医師として顎口腔系の研究をする方が患者にとって幸せでしょうし、DFB方式から脱した、本当の歯科医師としての道が開けるような気がします。プロフェッショナルではなくプロフェッションとしての道が開け、患者を含めた国民或いは全世界中の人から尊敬の念を持って貰える職業かもしれません。それほどプロフェッションは素晴らしいのです。

今の西洋医学では、わからないことや証明されていないことのほうがズーっと多いのです。人体を宇宙と捉えると、分かっていることは両手に乗っかかる程度しか分かっていないとも言われています。人体のことで 人間がわかってることなんてほんの一握りなのでしょう。