B○○論から
人のからだの健康は全身がくまなく機能し、円滑に営まれることにより保たれるもので、手、足、眼、耳、口、鼻、皮膚、骨格、臓器、脳、それぞれが適度な刺激を受けること(機能すること)が健康の基本的要素の一つである。からだのひずみ、こり、痛み、しこり、不快感など、からだの上部がいつもゆがめられていると、全身の調和が崩れ、そのゆがみに順応するひずみを招くことになる。しかし人のからだには自然治癒能力、生体維持防御機構があり、健康なときには生理的な余裕が大きく、すぐに病気になることはない。しかし長期に渡る慢性的症状は、その刺激により局部的にからだを少しずつひずませ、さまざまな臓器、器官、組織の機能を低下させ、病気を引き起こすことになる。これらのことからからだのひずみは病気の源となる。口腔内の歯は膜に包まれていない臓器である。直接的に刺激を受けることがヒトのからだの中で最大となる。噛み合わせのずれは顎口腔系の最も大さなからだのひずみの一つと考えることが出来る。
○B○理論とは、人間が本来持っていた咬合状態を見つけることによって体全体のバランスをとって健康を取り戻そうという理論です。
ゆがんだ体に調和した咬合ではなく、咬合によって体を調和させていくことを目的としています。
歯科では、歯を削る、挙上する、あるいは歯列矯正のように物理的な力によって歯を移動させることで、痛みがなく更に気持ちの良いという感覚を求めていきます。
それが体全体の良いバランスの基準となります。
基準がないと単に歯を削ったり、足したりの試行錯誤になってしまいます。
基準を求めることによって体全体に良い影響を与えることができるようになるのです。
体にやさしいと言えない環境やストレスが増えている現代社会では、健康を取り戻すためにいっそう○○O理論は重要になってくるでしょう。
・・・よく知りませんが、内容を調べてみると咬合理論はマイオドンティクス理論みたいですね。
通常、人間の身体は三次元で前後、左右のバランスが整うべきで、背骨を中心として咬合平面、顎のライン、肩のライン、腰のライン、膝のライン、足首のラインの並行が理想です。 したがって歯の噛み合わせが悪いだけでも、体全体に与える影響力は「大」なので、これは至極もっともな考えだと思うのですが、、、最近、人間の身体とはそれ程 『ヤワ』 なものだろうかと考えてしまいます。
どんな生物でも、自然治癒力や順応力はあるでしょう。だから進化があるのでしょう。四つ足歩行の動物にとって、2本足歩行するヒトは異種ですよね。重力の常識から逸脱したものかもしれません。まして、鳥類は空を飛べるんだから、逸脱していますよね。
咬合関係のセミナーを開いたり、受講すると、よく出る質問が咬合高径だと思います。適正な咬合高径とは。決まって出る答えが「安静位-安静空隙量=咬合高径」です。私も、面倒くさいからそう答えます。
咬合高径の垂直的、水平的位置は主に頬粘膜と舌、閉口筋と歯牙萌出力のバランスの取れた位置に設定されます。その位置が決定される重要な要素の一つは姿勢と考えます。この姿勢がくせ者で、成長過程で、或いは社会人になって職業としての姿勢などが影響してくると考えます。
例えば、TPOAをしている時、低位咬合という結果が出たとします。通常は低位だから高径を挙げましょうとなるのですが、当然、順応力はあるので、その順応された位置を安易に変えることはできないと考えます。
つまり、低位の分、何処かで代償補正されているはずです。代償補正=歪みと考えたくありません。その低位は、あくまでも歯科医界の話です。
頭部が前屈すると下顎は後方へ移動します。すると、アップライトでは低位であっても適正な咬合高径になってくるはずです。視線が水平でなくやや下方気味で仕事をする場面の多い人の場合、頭部は前屈です。
前屈で仕事をしている時、低位咬合が適正咬合になっているかもしれません。その代償補正が前屈であったり、猫背であったりするのでしょう。もし、このケースでいわゆる咬合を挙上すると、仕事中は咬合過高となり咬合性外傷を起こすかもしれません。
そんなことを考えていくと咬合再構成などはとてもできません。
では、咬合再構成はどうするかといえば、、、
通常3度の食事で、咀嚼時の上下の歯牙が接触する時間は5分とも15分とも言われています。その他ではブラキシズム以外は殆ど接触していないはずです。つまり、安静空隙位に下顎は存在しているという事になるのでしょう。つまり、適切なフリーウェイスペースを無意識に取れる位置が理想的な咬合位ではないかと考えます。
人間の身体は器械で無いことは確かです。多少の狂いが有っても代償補正や生体維持防御機構があってそれなりに順応していくと思います。だからこそ、歯科的所見が同じであっても、ある人は健康に、またある人は不定愁訴を抱えながら生活していくのでしょう。歯科医師はその見極めが大切だと思います。つまり診断力でしょう。
以前から、別に肩が水平でなくても、首が傾いていても、自覚症状が無ければ、それはそれなりにバランスが取れているのだからいいのではないかと考えています。乱暴な言い方ですが、歪み大いに結構!という感じです。それを自覚していない人に加療する方が問題だと考えています。
歪み=病気の源=病気=治療にはならないと考えます。
歪み=病気の源≠病気という人もいるでしょう。
顕性不正咬合と不顕性不正咬合の見極めでしょう。
昔、昔思ったことなのですが、
関節窩は加齢と共に平坦→凹彎→平坦 となります。
その過程で、むし歯ができ治療、噛み合わせが狂いTMD、やがて抜歯などが起こり、やがて総入れ歯、総入れ歯の時点で理想的な咬合平面と咬合位を得ることができ、TMDは治癒。
という流れを考えたことがあります。
結構、咬合に問題のある患者はパノラマ撮影時のセッティングが難しく、切端咬合で棒を加えることができなかったり、正面を向くことができない場面に遭遇しますね。
・・・余談でした。
TMDについて
TMDは多病因性の疾患
ご存知のように、TMDはただ一つの原因で起こるのではなく、様々な要因が絡み合って症状が出現します。その要因には、歯ぎしりやくいしばり、不正咬合や顎の形態異常、片側噛みや頬杖などの悪習癖、ストレスによる筋緊張、不安や鬱などの精神的要因などが挙げられ、これらの要因の総和が個人の生体許容範囲を超えたときにTMDが発症すると考えられます。
TMDは珍しい疾患
ある疫学データでは人口の約75%は少なくとも一つ以上の顎関節症の他覚症状(関節雑音・開口制限・疼痛)を有し、約33%は少なくとも一つ以上の自覚症状を有している調査結果があります。このようにTMDは特別な珍しい病気ではありません。
1980年代に「第三の疾患」と持てはやされたTMDも、やや風向きが変わってきたように思われます。最近の顎関節に関するキーポイントの一つは、米国の一部の研究者が提唱した「self-limitedな疾患」でしょう。すなわち、「齲歯や歯周病と違って、放っておいてもそれほど悪くはならない」というところです。その正否は別にして、確かにTMJ関連の論文は減少しているような気がします。
TMDは「self-limited」な疾患
「self-limited」というのは、「治療をしないでも長期的には症状が落ち着いたり、治まる性質がある」ということです。何らかのきっかけで疼痛や開口制限が出現したとしても、しばらく安静にして顎に無理をかけないようにしていると多くの場合は症状が良くなってきます。
それではTMDは治療しなくてもいいのか?・・・答えは”No”でしょう。
たとえば症状が何週間も何ヶ月も続く場合は、何らかの治療によってできるだけ早く症状を緩和させることが必要と思われます。また数日で症状が消失しても同様の症状がしばしば再発するような場合は、TMJや咀嚼筋に悪影響を及ぼす要因を調べて、それらへの対策を講じるべきでしょう。
TMDは「緩解する」が「完治しない」疾患である。
顎関節症は今のところどんな治療を行っても完治する病気ではなく、特にTMJの形態変化が生じている場合、治療によって元の正常な形態に戻すことは殆ど不可能でしょう。
しかし、様々な治療法を行うことで症状は緩解したり消失したりします。
顎関節雑音が消失したが、顎関節部のMRI所見では改善されていなかったという論文があります。
TMDの治療に咬合再構成は必要?
他の関節や筋肉の病気と同様に整形外科的な疾患で、顎関節音自体、整形外科医等はそれ程気にしていないのが現実です。また咬合は顎関節に影響する数多くの要因の中の一つにすぎません。ですから「顎関節症の治療は咬合を治さなければならない」とか「歯並びや咬合を治せば顎関節症が治る」というのは非常に極端な考え方といわざるを得ません。
疼痛や開口制限などの症状を除去することだけを目的として咬合や歯列矯正をすることはありません。
咬合再構成は代償補正がしっかりなされている時は過剰診療になる可能性が有ります。但し、一本の歯を治療するにもリハビリは必要でしょう。
それではどのような時に咬合再構成や歯列矯正を行った方がよいのでしょうか?
・義歯やBrが不安定で、しっかり噛むことができない状態のとき。
・長期間、抜歯されたままで歯が移動している。つまり咬合平面が崩れている。
・顎の変形や歯列不正があるとき
・歯周病やむし歯が多く、不良補綴物が多いとき。
・Mal Occlusionで歯椎がズレている時。
人のからだの健康は全身がくまなく機能し、円滑に営まれることにより保たれるもので、手、足、眼、耳、口、鼻、皮膚、骨格、臓器、脳、それぞれが適度な刺激を受けること(機能すること)が健康の基本的要素の一つである。からだのひずみ、こり、痛み、しこり、不快感など、からだの上部がいつもゆがめられていると、全身の調和が崩れ、そのゆがみに順応するひずみを招くことになる。しかし人のからだには自然治癒能力、生体維持防御機構があり、健康なときには生理的な余裕が大きく、すぐに病気になることはない。しかし長期に渡る慢性的症状は、その刺激により局部的にからだを少しずつひずませ、さまざまな臓器、器官、組織の機能を低下させ、病気を引き起こすことになる。これらのことからからだのひずみは病気の源となる。口腔内の歯は膜に包まれていない臓器である。直接的に刺激を受けることがヒトのからだの中で最大となる。噛み合わせのずれは顎口腔系の最も大さなからだのひずみの一つと考えることが出来る。
○B○理論とは、人間が本来持っていた咬合状態を見つけることによって体全体のバランスをとって健康を取り戻そうという理論です。
ゆがんだ体に調和した咬合ではなく、咬合によって体を調和させていくことを目的としています。
歯科では、歯を削る、挙上する、あるいは歯列矯正のように物理的な力によって歯を移動させることで、痛みがなく更に気持ちの良いという感覚を求めていきます。
それが体全体の良いバランスの基準となります。
基準がないと単に歯を削ったり、足したりの試行錯誤になってしまいます。
基準を求めることによって体全体に良い影響を与えることができるようになるのです。
体にやさしいと言えない環境やストレスが増えている現代社会では、健康を取り戻すためにいっそう○○O理論は重要になってくるでしょう。
・・・よく知りませんが、内容を調べてみると咬合理論はマイオドンティクス理論みたいですね。
通常、人間の身体は三次元で前後、左右のバランスが整うべきで、背骨を中心として咬合平面、顎のライン、肩のライン、腰のライン、膝のライン、足首のラインの並行が理想です。 したがって歯の噛み合わせが悪いだけでも、体全体に与える影響力は「大」なので、これは至極もっともな考えだと思うのですが、、、最近、人間の身体とはそれ程 『ヤワ』 なものだろうかと考えてしまいます。
どんな生物でも、自然治癒力や順応力はあるでしょう。だから進化があるのでしょう。四つ足歩行の動物にとって、2本足歩行するヒトは異種ですよね。重力の常識から逸脱したものかもしれません。まして、鳥類は空を飛べるんだから、逸脱していますよね。
咬合関係のセミナーを開いたり、受講すると、よく出る質問が咬合高径だと思います。適正な咬合高径とは。決まって出る答えが「安静位-安静空隙量=咬合高径」です。私も、面倒くさいからそう答えます。
咬合高径の垂直的、水平的位置は主に頬粘膜と舌、閉口筋と歯牙萌出力のバランスの取れた位置に設定されます。その位置が決定される重要な要素の一つは姿勢と考えます。この姿勢がくせ者で、成長過程で、或いは社会人になって職業としての姿勢などが影響してくると考えます。
例えば、TPOAをしている時、低位咬合という結果が出たとします。通常は低位だから高径を挙げましょうとなるのですが、当然、順応力はあるので、その順応された位置を安易に変えることはできないと考えます。
つまり、低位の分、何処かで代償補正されているはずです。代償補正=歪みと考えたくありません。その低位は、あくまでも歯科医界の話です。
頭部が前屈すると下顎は後方へ移動します。すると、アップライトでは低位であっても適正な咬合高径になってくるはずです。視線が水平でなくやや下方気味で仕事をする場面の多い人の場合、頭部は前屈です。
前屈で仕事をしている時、低位咬合が適正咬合になっているかもしれません。その代償補正が前屈であったり、猫背であったりするのでしょう。もし、このケースでいわゆる咬合を挙上すると、仕事中は咬合過高となり咬合性外傷を起こすかもしれません。
そんなことを考えていくと咬合再構成などはとてもできません。
では、咬合再構成はどうするかといえば、、、
通常3度の食事で、咀嚼時の上下の歯牙が接触する時間は5分とも15分とも言われています。その他ではブラキシズム以外は殆ど接触していないはずです。つまり、安静空隙位に下顎は存在しているという事になるのでしょう。つまり、適切なフリーウェイスペースを無意識に取れる位置が理想的な咬合位ではないかと考えます。
人間の身体は器械で無いことは確かです。多少の狂いが有っても代償補正や生体維持防御機構があってそれなりに順応していくと思います。だからこそ、歯科的所見が同じであっても、ある人は健康に、またある人は不定愁訴を抱えながら生活していくのでしょう。歯科医師はその見極めが大切だと思います。つまり診断力でしょう。
以前から、別に肩が水平でなくても、首が傾いていても、自覚症状が無ければ、それはそれなりにバランスが取れているのだからいいのではないかと考えています。乱暴な言い方ですが、歪み大いに結構!という感じです。それを自覚していない人に加療する方が問題だと考えています。
歪み=病気の源=病気=治療にはならないと考えます。
歪み=病気の源≠病気という人もいるでしょう。
顕性不正咬合と不顕性不正咬合の見極めでしょう。
昔、昔思ったことなのですが、
関節窩は加齢と共に平坦→凹彎→平坦 となります。
その過程で、むし歯ができ治療、噛み合わせが狂いTMD、やがて抜歯などが起こり、やがて総入れ歯、総入れ歯の時点で理想的な咬合平面と咬合位を得ることができ、TMDは治癒。
という流れを考えたことがあります。
結構、咬合に問題のある患者はパノラマ撮影時のセッティングが難しく、切端咬合で棒を加えることができなかったり、正面を向くことができない場面に遭遇しますね。
・・・余談でした。
TMDについて
TMDは多病因性の疾患
ご存知のように、TMDはただ一つの原因で起こるのではなく、様々な要因が絡み合って症状が出現します。その要因には、歯ぎしりやくいしばり、不正咬合や顎の形態異常、片側噛みや頬杖などの悪習癖、ストレスによる筋緊張、不安や鬱などの精神的要因などが挙げられ、これらの要因の総和が個人の生体許容範囲を超えたときにTMDが発症すると考えられます。
TMDは珍しい疾患
ある疫学データでは人口の約75%は少なくとも一つ以上の顎関節症の他覚症状(関節雑音・開口制限・疼痛)を有し、約33%は少なくとも一つ以上の自覚症状を有している調査結果があります。このようにTMDは特別な珍しい病気ではありません。
1980年代に「第三の疾患」と持てはやされたTMDも、やや風向きが変わってきたように思われます。最近の顎関節に関するキーポイントの一つは、米国の一部の研究者が提唱した「self-limitedな疾患」でしょう。すなわち、「齲歯や歯周病と違って、放っておいてもそれほど悪くはならない」というところです。その正否は別にして、確かにTMJ関連の論文は減少しているような気がします。
TMDは「self-limited」な疾患
「self-limited」というのは、「治療をしないでも長期的には症状が落ち着いたり、治まる性質がある」ということです。何らかのきっかけで疼痛や開口制限が出現したとしても、しばらく安静にして顎に無理をかけないようにしていると多くの場合は症状が良くなってきます。
それではTMDは治療しなくてもいいのか?・・・答えは”No”でしょう。
たとえば症状が何週間も何ヶ月も続く場合は、何らかの治療によってできるだけ早く症状を緩和させることが必要と思われます。また数日で症状が消失しても同様の症状がしばしば再発するような場合は、TMJや咀嚼筋に悪影響を及ぼす要因を調べて、それらへの対策を講じるべきでしょう。
TMDは「緩解する」が「完治しない」疾患である。
顎関節症は今のところどんな治療を行っても完治する病気ではなく、特にTMJの形態変化が生じている場合、治療によって元の正常な形態に戻すことは殆ど不可能でしょう。
しかし、様々な治療法を行うことで症状は緩解したり消失したりします。
顎関節雑音が消失したが、顎関節部のMRI所見では改善されていなかったという論文があります。
TMDの治療に咬合再構成は必要?
他の関節や筋肉の病気と同様に整形外科的な疾患で、顎関節音自体、整形外科医等はそれ程気にしていないのが現実です。また咬合は顎関節に影響する数多くの要因の中の一つにすぎません。ですから「顎関節症の治療は咬合を治さなければならない」とか「歯並びや咬合を治せば顎関節症が治る」というのは非常に極端な考え方といわざるを得ません。
疼痛や開口制限などの症状を除去することだけを目的として咬合や歯列矯正をすることはありません。
咬合再構成は代償補正がしっかりなされている時は過剰診療になる可能性が有ります。但し、一本の歯を治療するにもリハビリは必要でしょう。
それではどのような時に咬合再構成や歯列矯正を行った方がよいのでしょうか?
・義歯やBrが不安定で、しっかり噛むことができない状態のとき。
・長期間、抜歯されたままで歯が移動している。つまり咬合平面が崩れている。
・顎の変形や歯列不正があるとき
・歯周病やむし歯が多く、不良補綴物が多いとき。
・Mal Occlusionで歯椎がズレている時。