セネガル日和2

アフリカ最西端の国、セネガル共和国での日々の出来事(2009.4~2010.3)

ウィークリーマンション  

2010-01-30 | 日記
 残り2ヶ月をダカールで過ごすためにはそのための住居を見つけなければならない。しかし、大都会とはいえ家具付の短期入居者用マンションはなかなか見つからない。選択肢のない状況でとりあえず1週間、とあるマンションに慌ただしく入居した。
 マンションの2階にある部屋を借りているがエレベーターはないので急な階段を利用しなければならない。玄関扉は鍵が1つのみ付いており、チェーンも覗き穴もない。寝室の鍵も(扉すら)閉まらない。つまりセキュリティーのかなり低い物件だ。また、網戸もあったりなかったりで隣りのホテルのプールから蚊がぷんぷん飛んできておりマラリアを媒介するハマダラ蚊もいそうでなんとも恐ろしい。さらには床下排水のできる場所がないために、バスタブで洗濯をしなければならない。深い前屈姿勢の洗濯は大きくなったお腹を圧迫するし、腰は痛いし、気を抜くと足を滑らせそうになる。おまけに買い物をする場所も遠く、かなり歩くかタクシーを利用しなければならない。これだけマイナスポイントが多い物件でも、1週間分の家賃がルーガの一戸建て1ヵ月分の約1.5倍もする。ダカールの物価高は地方のそれとは比べ物にならないのである。
 そんなわけで今のところダカールでの暮らしは安静にはほど遠い。車で約3時間のルーガに戻って、のんびり家の片づけをしながら帰国の準備をするほうがどれだけ体の負担が少なく、心も落ち着くことか!それでもダカールに居なければならない。なぜかって?それは“大人の事情”というやつですよ。
 さらなる安住の地を求めて、ダカールの物件探しは続く。

[写真:手前がサロン兼ダイニング。左奥がトイレとフロ。右奥が寝室。]

もつべきものは

2010-01-29 | 日記
 前回のブログを書きながら、「早期帰国をしなければならないだろう」と心の隅で覚悟していた。ところが、東京にいる夫の職場の顧問医から「診断書を見た結果、どちらの医師の診断も可能性としてはあるため車及び飛行機の移動は控え、しばらくダカールで安静にすべし」との通達が届いた。これは本当に予想外の展開だった。つまり、日本への早期帰国は(とりあえずは)ないし、ルーガの家にも戻れないということだ。
 かくして着の身着のままホテルでの缶詰暮らしが続いている。ルーガの友人にも会いたいし、家の片付けもしたい!冷蔵庫に入っている肉や野菜が気になる~!と、時間があるものだからせせこましいことまでつい考えてしまう。一番かわいそうなのは夫だ。首都での仕事もしつつ地方の仕事もこなし、さらには家の片付けという本来私がするべき事まで彼が一人でしなければならない。「あぁ、私ってお荷物なのね」と早めのマタニティーブルーがやってきて気持ちが悶々としてしまった。
 そんな時に助けてくれたのがダカールに住むマダム(奥様)友達。一人のマダムと仲良くなったのをきっかけにあの人、この人、ぱあぁぁーっとお友達ができた。外食ばかりでかわいそうと日本食をご馳走してくれたり、洗濯機をかしてくれたり、残り2ヶ月を首都で生活するためのマンスリー情報も積極的に教えてくれた。ブログをみた友人らも心配の電話やらメールやらをくれるし・・・もつべきものはお友達。
 ほんとに、ほんとにありがとう。おかげ様で元気です。

迷い

2010-01-21 | 日記
 どちらの診断が正しいのか、はたまた正しい診断は他にあるのか。
 一方は地方の産婦人科医。機材はやや古めだが経験は豊富。かたや都会の産婦人科医。機材は新しいが年齢は田舎医師に比べて若く、フランスで研修を積んだ経験がある。どちらも超音波検査と内診によって診断を下し、前者は切迫流産の可能性を、後者は全く問題なく経過は順調と言う。
 任地で少し心配な出来事があったので急きょ地元の産婦人科医に診てもらった。ちなみに私の主治医は後者だ。心情としては主治医の意見を信じる。信じたい。けど、もし地元の医師の診断が正しければ、子どもも私も危険な状態ということだ。より詳しい検査を求めるならば、やはり日本に帰らなければならないだろう。これまでが順調だったのでセネガルと日本の医療の違いにさほど目を向けてこなかった。しかし、日本の妊婦健診は「リスクを小さいうちに発見し、トラブルを回避する」ためのものであるのに対して、セネガルのそれは「経過が順調か見るもの。トラブルは起こってから対処する」というスタンスであるため、毎回の健診は超音波検査のみ。今回のトラブルがあって初めて内診を受けたぐらいだ。
 残りたった2ヶ月。残りたいという気持ちも強いが、この間にも胎児はぐんぐん成長する。そして、大きくなればなるほど移動時のリスクは高くなる。セネガルから日本までのフライトは約18時間。パリでの乗り換えも含めると丸一日かかってしまう・・・。
 早期帰国を検討中です。

祈りの時間

2010-01-15 | 日記
 イスラム教徒は1日5回の祈りを欠かさない。そして毎週金曜日は「集団礼拝の日」として文字通り集団でメッカの方角に向って祈りを捧げる。
 お昼1時半を過ぎたあたりから近所のモスクからスピーカーをつたって説法の声がとうとうと流れ出す。その頃にはモスクに面した大通りに柵が立てられ車の通行は止められる。どこからかMyタピ(お祈り用絨毯)を持った人たちが続々とその歩行者天国に集まってくる。そして時刻が2時をさしたあたりからコーランが流れ、いっせいにお祈りが始まる。その間、都会の喧噪は遠のき、それぞれの祈りがアラーに注がれる。10分後、まるで何事もなかったかのように絨毯を丸め、元の場所へと歩を早める人たち、そうして普段のダカールに戻る。

[写真:お祈りのために集まってきた人たち]

お誘い

2010-01-14 | 写真
 屋台で自分の注文を済ませ待っていると、お隣の先客タリベくんたち(※)が「一緒に食べる?」と勧めてくれた。
 って、もうお皿がからっぽじゃん!

※タリベ;宗教指導者宅に住みこみ、物乞いをしながらイスラムの教えを学んでいる子どものこと