セネガル日和2

アフリカ最西端の国、セネガル共和国での日々の出来事(2009.4~2010.3)

コーヒーあれこれ

2009-06-30 | 日記
 セネガルでコーヒーといえば「ネスカフェ(缶)」のことを指す。それ以外はもう世の中に存在していないのではないかと思うほど、この単一商品はセネガルに定着している。
 最近読んでいる本に『植民地時代のセネガルの新聞に出たネッスル社(現;ネスレ社)の宣伝』として”黒人のウエイターが缶に入ったネスカフェと湯気の立つコーヒーをトレイにのせて運び、それを見たイスに座っている白人の女性客が手を広げて喜ぶ“というイラストが偶然、掲載されていた。植民地時代から既にこの商品が存在していたということであれば、半世紀にわたり缶入りネスカフェが流通していることになる。首都の富裕層向けの大手スーパーではコーヒーの選択肢は他にも多数あるが、そこにアクセスできる人は非常に限られている。そのため、一般のセネガルの人たちにとって輸入コーヒーと言えば「缶入りネスカフェ」以外の選択肢はない。でも、それ以外のコーヒーを目にしたことがなければ、選択肢が他にあるということすらも知らないのではないだろうか。
 そんなことをこの粉っぽい味のするネスカフェを飲みながら思い巡らせていた。

[写真:首都滞在中に毎朝利用しているネスカフェ屋。屋台の足元にタイヤが付いており、移動しながらコーヒーを売り歩いている。]

naaj(ナージ)

2009-06-29 | MADE IN SENEGAL
 「naaj」とはお店の名前であり、取り扱っている商品の名前でもある。現地のウォルフ語で「海」という意味。オーナーはフランス人だが、作品をデザインから手がけているのはセネガルの人たち。ガラス製の皿やグラスにカラフルな色彩で男女を描いたセネガルシリーズのほか、渋い模様を描いたマサイシリーズ等がある。naaj商品の他にもアフリカ布を使った鞄や手織りのストール、ネックレス等も扱っており、見ているだけで楽しいお店だ。そのためダカール滞在中はついつい立ち寄ってしまう。
 ちなみに我々の結婚パーティーの引き出物は、出会った場所であるセネガルのもの、セネガルに何か還元できるものということで、このnaajのガラス絵皿にした。

[写真;店内でガラス絵皿を持つ店員のファトウ。彼女とのおしゃべりも楽しい。]

ダカールの日曜日

2009-06-28 | 日記
 月曜日に上京する予定が繰り上がり、土曜日からダカールに来ている。週末の首都は退屈だ。土曜日はまだしも日曜日はほとんどの店が閉まっており、当然ながらビジネスマンの姿もなく、平日の喧噪は消えうせ街全体に休日モードが漂っている。
 行きつけにしているサンドイッチ屋も休みだったので、散歩を兼ねて朝ごはん屋を探しに出る。普段なら強引な車がつっこんできたり、お調子者のセネガル人にちょっかいをだされたりするところだが、日曜日にはそんな心配は無用。小鳥のさえずりに耳を傾け、珍しい花に目を留めることだってできる。この上なく、さわやかだ。そうやってぶらぶらしているうちにめぼしいお店を見つけたので腰を落ち着けた。サンドイッチをほおばりながら世間話をしていると、店の主人はマリ人、客はセネガル人とギニア人ということがわかり、我々日本人を含め「4ヶ国の人が集う、なんて国際的な朝食屋だ!」と皆で冗談を飛ばしつつ、朝の時間をゆったりと過ごした。

[写真左から、オムレツを作る店主のマリ人、客のセネガル人とギニア人、撮影は日本人]

オムレツ

2009-06-28 | 食べ物
 「ダカールの日曜日」でマリ人の店主が作っているオムレツがこちら(写真)。たっぷりの油の中で溶き卵が泳いでいる・・・。
 元祖オムレツがどのようなものかは知らないが、ここセネガルでは揚げ物に近い食べ物になっている。注文した客はできたてのオムレツをフランスパンにはさみ、おいしそうに食べていた。

雨季到来

2009-06-24 | 日記
 本格的な雨が降った翌日、いつものように裏庭で洗濯物を干しているとなんだか足元が気になった。地面に目を近づけると、あちこちで新芽が砂地を盛り上げて顔を出していた。種の帽子を脱ごうともがいているのもいた。雨の恩恵を受けたのは植物だけではない。家の内外ではそれまで居なかった虫が一斉に活動を始めた。セネガルで迎える3度目の雨季だが毎回、水がもたらす命の力強さを感じる。
 一方、ルーガという中都市に住む我が家では雨の度に停電と断水が幾度となくあり、その度に余儀なくキャンドルナイトを過ごしている。ろうそくの明かりのもと、貯め水クッキングはもちろん、食後は夫にチョロチョロと桶で水を流してもらって食器を洗う。扇風機もクーラーも使えないため屋上で夕涼みをし、ろうそくの火が消えないように注意しながらシャワーを浴びて就寝。
 セネ人は何かにつけて「アルハムドゥリラー(アラーのおかげだ)」と口にする。イスラム教徒ではない私も電気、水道が復旧した際には何に感謝していいのやらわからないので、とりあえず「神様ー!ありがとーう!!」と心の中で喝采を送っている。

[写真:裏庭に出てきた雑草の若葉]