セネガルでコーヒーといえば「ネスカフェ(缶)」のことを指す。それ以外はもう世の中に存在していないのではないかと思うほど、この単一商品はセネガルに定着している。
最近読んでいる本に『植民地時代のセネガルの新聞に出たネッスル社(現;ネスレ社)の宣伝』として”黒人のウエイターが缶に入ったネスカフェと湯気の立つコーヒーをトレイにのせて運び、それを見たイスに座っている白人の女性客が手を広げて喜ぶ“というイラストが偶然、掲載されていた。植民地時代から既にこの商品が存在していたということであれば、半世紀にわたり缶入りネスカフェが流通していることになる。首都の富裕層向けの大手スーパーではコーヒーの選択肢は他にも多数あるが、そこにアクセスできる人は非常に限られている。そのため、一般のセネガルの人たちにとって輸入コーヒーと言えば「缶入りネスカフェ」以外の選択肢はない。でも、それ以外のコーヒーを目にしたことがなければ、選択肢が他にあるということすらも知らないのではないだろうか。
そんなことをこの粉っぽい味のするネスカフェを飲みながら思い巡らせていた。
[写真:首都滞在中に毎朝利用しているネスカフェ屋。屋台の足元にタイヤが付いており、移動しながらコーヒーを売り歩いている。]
最近読んでいる本に『植民地時代のセネガルの新聞に出たネッスル社(現;ネスレ社)の宣伝』として”黒人のウエイターが缶に入ったネスカフェと湯気の立つコーヒーをトレイにのせて運び、それを見たイスに座っている白人の女性客が手を広げて喜ぶ“というイラストが偶然、掲載されていた。植民地時代から既にこの商品が存在していたということであれば、半世紀にわたり缶入りネスカフェが流通していることになる。首都の富裕層向けの大手スーパーではコーヒーの選択肢は他にも多数あるが、そこにアクセスできる人は非常に限られている。そのため、一般のセネガルの人たちにとって輸入コーヒーと言えば「缶入りネスカフェ」以外の選択肢はない。でも、それ以外のコーヒーを目にしたことがなければ、選択肢が他にあるということすらも知らないのではないだろうか。
そんなことをこの粉っぽい味のするネスカフェを飲みながら思い巡らせていた。
[写真:首都滞在中に毎朝利用しているネスカフェ屋。屋台の足元にタイヤが付いており、移動しながらコーヒーを売り歩いている。]