仙台POSSE(NPO法人POSSE仙台支部)活動報告

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宮城県内の社会福祉施設 震災後、職員の3割精神状態悪化

2012-06-05 22:51:01 | 記事
宮城県内の社会福祉施設 震災後、職員の3割精神状態悪化

 東日本大震災発生後、宮城県内の社会福祉施設で働く職員の3割が精神状態を悪化させていたことが、全国福祉保育労働組合(東京)などの調査で分かった。非常事態の中、施設利用者の生命に危険が及ばないよう神経をすり減らしたことや、被災して行き場を失った高齢者らを新たに受け入れたことによる過重労働が心身への強い負担につながったとみられる。

 調査はことし2月、同組合と石倉康次立命館大教授(福祉労働)の研究室が、高齢者や障害者、児童が利用する115施設の職員345人を対象に実施。このうち132人(回収率38.3%)から回答を得た。

 心の状態は、「あまり良くない」が11.9%、「一時、調子を崩したが回復」が17.8%で、震災後に精神的な状態を悪化させた職員は計29.7%に上った。体調は、「あまり良くない」が9.1%、「一時、調子を崩したが回復」が14.9%で計24.0%だった。震災後の勤務状況は、「泊まれる職員は泊まり込んだ」が72.9%。一部施設が避難所になったことなどから、「通常とは別の業務が増えて職員の体制に困った」との回答も26.4%あった。  

 施設利用者の変化については、「健康状態が悪化」「心理的に落ち込むことが増えた」「新しい利用者が増えた」がいずれも2割前後だった。  

 石倉教授は「利用者の生命を守る責任感や、新たな利用者を受け入れて仕事が増えたことがストレスにつながった」と分析。「非常事態に備え正規職員を増やし、他施設との連携体制を築いておくべきだ」と、人手の確保の必要性を指摘している。


河北新報 2012年5月14日(http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20120514_08.htm

 被災地の社会福祉施設では、震災に伴う新規利用者の受け入れや業務の増加で職員の負担が増加しています。「職員数を増やすことがひとりあたりの負担軽減につながる」という指摘はもっともなことですが、それを各施設の問題に転嫁しては解決とはなりません。
 特別養護老人ホームの例では、2000年に介護保険制度が開始されてから、国の「介護保険は黒字化が進まないから」という理由で施設に支払われる給付金が年を追うごとに減額されてきました。そのため赤字に転落する施設が多く、施設の利用者数が増える中でも新しく職員を雇うことができない、また職員の給料を上げることができないという問題が現場で起こっています。当然ながらその長時間労働や低賃金が理由となり離職も増加しています。

 その状況のなかで各施設が職員数を増やし、他施設との連携に人手を割くことは不可能に近いと思われます。国も2009年に社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に対する基本的な指針を見直し、公示しましたが、実質的な部分である施設に対する運営費や人件費補助といった予算措置は講じられないままです。
 
 行き届いた福祉の提供と職員の労働環境の改善のために国に責任を求めていくことが必要であるでしょう。

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仙台POSSEでは、この度の東日本大震災における被災者支援・復興支援ボランティアを募集しています。ボランティアに参加したいという方は、下記までお問い合わせください。

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法人代表:今野晴貴
所在地:宮城県仙台市青葉区一番町4-1-3 仙台市市民活動サポートセンター気付
TEL:022-266-7630
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