【ベロオリゾンテ(ブラジル東部)=岩田誠司】ブラジルのルセフ大統領は20日、予定していた訪日の延期に追い込まれた。今月上旬に始まった抗議デモが急速に拡大し、事態の収拾を迫られたためだ。
バスや地下鉄の値上げをきっかけにサンパウロで始まったデモは20日、全国の主要都市に広がり、AFP通信や地元メディアによると、約100万人が繰り出した。首都のブラジリアでは約3万人のデモ隊が国会議事堂を取り囲み、武装した警察がゴム弾などで応じた。各地で投石や略奪などが相次ぎ、交通がマヒ。負傷者も出ている模様だ。ルセフ大統領は同日、主立った閣僚を緊急招集し、事態への対応などを協議した。
この日までにサンパウロなど少なくとも13の自治体が、バスなどの運賃引き下げを表明したが、デモ参加者らは「運賃無料化」「戦いは終わらない」などと訴えている。国民には、教育や医療などが置き去りにされたまま、来年のサッカー・ワールドカップ(W杯)に向けて投資を進める政府への不満がたまっている。
ルセフ大統領は28日まで日本に滞在し、安倍晋三首相との会談で、原子力協定の締結や、ブラジル初となる高速鉄道の建設に向けた協力などについて話し合う予定だった。
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