プロテストに合格し、小林浩美LPGA会長(右)から会員証をつけてもらう岸部
日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の今季のプロテストで、東日本大震災による避難生活を強いられた福島県出身の岸部桃子(18)が合格した。
「将来は常に上位にいられるプロになりたい」と、ツアーでの活躍を夢見る。
岸部は震災当時、福島第一原発から20キロ圏内にある県立富岡高の2年生でゴルフ部主将だった。地震発生時は授業中で、着のみ着のままで避難したため、警戒区域内となった学校に置いてあったクラブを取りに帰ることすらできなかった。
練習場も使えず、以前からレッスンを受けていた千葉県内の練習場で数か月を過ごし、コーチらを通じてクラブやボールなどの道具を提供してもらった。
プロを目指すことを決めたのは、「震災の時に支えてもらったいろんな人たちのために頑張ろうと思った」からだ。
サテライト方式で再開された高校を今春に卒業し、7月下旬に行われたプロテストでは113人中、上位20位タイまでが合格という狭き門を通過した。最終日にスコアを三つ落として4オーバーでホールアウトし、合否は微妙だったが、最終的に18位タイで合格。うれし涙があふれた。
小学3年から始めたゴルフでプロの道に。ツアーに出場するには予選会などのハードルはあるが、「テレビに出られるように頑張る」と岸部。お世話になった人や離ればなれになった同級生たちに、元気な姿を見せるつもりだ。
(2012年8月14日14時42分
読売新聞)
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