地球浪漫紀行☆世界紀行スタッフの旅のお話し

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中国の美しい村15選・西江寨

2009年01月22日 17時21分00秒 | 中国

こんにちは、西川です。
今日は、「15の中国景観村落」の4つ目として、雷公山(2179m)の麓に位置する
貴州省黔東南苗族侗族自治州雷山県の「西江寨」をご紹介します。
「黔」の読みは「ケン」です。意味は「黒」です。
「雷山県」の特産品はお茶。中国政府が認定した最貧困県の一つです。

県都・丹江鎮から36キロ離れ、計1258世帯に、5326人が住んでいます。
村の人口の98.2%が苗族(ミャオ族)で占められることから「千戸苗寨」と呼ばれています。




ここは世界最大のミャオ族の村で、文化人類学者たちによれば、
漢民族など外来文化の影響を受ける以前のミャオ族のオリジナルの文化を
比較的によく保存している村であると考えられています。
西江寨のミャオ族の歴史はとても古く、紀元前559年の初期集落にまで遡ることができます。
江西省あたりに暮らしていたミャオ族は、西へ移動し西江に定着する以前に
すでに現在見られるミャオ族文化を形成していたと考えられています。
(東へ渡ったミャオ族は日本に稲作を伝えたとも考えられているようです。)
西江寨定着後も長期にわたり中国歴代王朝の管轄外に置かれ、自治を行ってきました。
そのためミャオ族の文化はとても良く保存され独自の発展を得てきました。
山奥で交通が不便なことがさらに幸いし、統治者による同化政策もままままなりませんでした。

雷山県とその北の台江県のミャオ族は銀が特徴的で、中国で最も高い名声を得ています。
両地のミャオ族の女性は、祝日に立派な銀冠、銀の角と銀の「鳳のスズメ」などで
美しく頭を飾ります。若い女の子でさえ、立派で華麗な銀冠をつけます。

雷山県のミャオ族は、別名、長裾ミャオ族とも呼ばれています。
細い皺のスカートを幾重にも腰に巻きつけて、腰回りをとてもふくよかに見せます。
短いスカートの上から、前の長い腰巻きは膝まで垂らし、後の腰巻きは踵まで垂らします。
花柄のベルトを結んで、8本の花を後ろに垂らします。
青い布でズボンのように足で締め、刺繍をした婦人靴を履きます。
頭には「鳳のスズメ」の銀のかんざしをつけて、最後に各種の銀細工で身体を飾ります。
俗に「長いスカート・ミャオ族」と呼ばれていますが、スカート自体は短いので
正確には「長い裾ミャオ族」です。

「ミャオ(苗)族」は中国人による呼び名で、本来は「モン族」です。
北ベトナムやラオスに暮らすモン族は、モンゴルの中国征服の過程で
南へ移動した同じ民族の人たちです。
彼らはミャオ族という呼び名を差別語として嫌っていますので、
これからは中国でもモン族と呼びたいですね。




昨年11月には凱里から西江寨まで舗装道路ができましたので、
この川沿いの美しい村へも訪問しやすくなりました。
2500年間以上もの長い間、武力では決して同化されなかった村が、
現代の拝金主義で同化されてしまう前にお出かけいただきたいところです。
(西川 太陽)





4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
山の郵便配達 (通りすがりです)
2010-07-24 22:05:22
山の郵便配達の世界ですね。
美しい写真です。私にも撮れるでしょうか。

来週月曜日に出発します。西江には31日宿泊の予定。
雨が気になります。
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いってらっしゃいませ (照沼)
2010-07-27 21:41:06
>山の郵便配達の世界

まさに、そうです!
(厳しいじきですね~)でも、
晴天、お祈りしています!
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帰国しました (通りすがり)
2010-08-05 00:35:41
雨はスコールのようなのを30日雷山あたりで降っただけでした。徳分の天問台へも行けました。「お針子」のような苗族のお嬢さんが案内してくれました。明石大橋級の吊り橋が建設途中でした。さて、これからどうなりますか。
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おかえりなさい (照沼)
2010-08-09 12:51:40
お天気に恵まれてよかったです。

>明石大橋級の吊り橋が建設途中でした

どこにでもある中国の地方都市になってしまわなければいいですけれど・・
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