先日開催された静岡マラソンで3年ぶりにサブ4を達成できた67歳のジジィです。
ラン歴15年で自己ベストが出たのが60歳。その前後が自分のマラソン人生のピークだったと思います。ただこの数年は走るたびに記録が悪くなっており、年齢的にしかたないとあきらめていました。昨年11月の富山マラソンでは遂に4時間30分を越えてしまう自己ワーストを記録してしまいました。
今回のサブ4はフラットなコースと最高の天気に恵まれたところが大きいのですが、練習の成果が出たものだと思っています。どんな練習をしたかと言えばフォームの改善です。
これまで自分のフォームを変えようと思ったことはありませんし、そもそもクラブとか一切入っていないのでアドバイスしてくれる仲間もいません。
自分のフォームはほとんど見た事ありませんが、大体想像はつきます。ピッチ走法といえば聞こえはいいですが、要するに高齢者にありがちな「ジジィのチョコマカ走法」だと思います。
一度だけカミさんが撮った動画を見る機会がありましたが、ゴール前だったのでそりゃ酷いフォームでした。思わず目をそむけたくなりました。でもジジィだからしかたないとあきらめていました。そりゃ出来るならカッコイイストライド走法で走りたいです。野口みずきさんのように、小柄ながら空を飛ぶようなフォームは憧れでした。でもそんなフォームを真似したらすぐに脚がぶっ壊れるのは火を見るより明らか。
しかし何か変えなければ年齢による衰えによりどんどん遅くなる一方です。それをしかたないと受け入れるか悪あがきするか。
70歳でフルマラソンが目標の自分ですが、単に完走できればというのではなく楽しく完走したい。それにはある程度記録も残したい。
変えるとしたら練習量をふやすかフォームを変える事くらいしか思いつきません。練習量を増やすと言っても今でも月300km前後は走っているので、これ以上増やすのはヒマな年金生活者でも大変です。なのでお手軽な、でも故障のリスクのあるフォームの改善をしてみる事にしたのです。
実は昨年の富山マラソンの後、リカバリーランで走った時に少しストライドを意識して走ってみたのです。そしたら意外と楽に速く走れたのです。その後もストライドを少しだけ伸ばす感じで走るとタイムがどんどん良くなってきたのです。特に長い距離、30km走などは練習自己ベストに近いタイムを記録しました。
その後2度走ったハーフマラソンの大会でまずまずの記録がでまして、そして今回の静岡マラソンでした。
練習してもタイムが伸びない方、年々タイムが落ちている中高年のランナーの方、一度あなたのフォーム(ストライド)を見直してみませんか。以下にそのコツなどをまとめてみました。
ストライドを伸ばす練習方法
①ストライドは後ろに伸ばす
単に大股で走ればいいというものではありません。特に前に伸ばしてしまうと着地がガッツリかかと着地になってブレーキがかかってしまいます。着地は基本に忠実に体の真下です。ストライドを伸ばすのはあくまでも後ろです。要するに後ろ足を蹴るタイミングを少しだけ遅くする感じ。または後ろ足が地面を離れるのを少しだけ遅くする意識で。
②最初は1cmだけ伸ばす
いきなりストライドをたくさん伸ばすと故障の原因になります。特に中高年のランナーいきなりフォームを大きく変えると簡単にぶっ壊れますから。始めは1cmだけ伸ばす感じで充分です。路面を蹴るタイミングを意識するだけでもいいと思います。
③ピッチに気を付ける
練習で走る時、最初はゆっくりとしたペースで始めると思います。そして体が温まってくると徐々にペースが上がってきます。この時ペースが上がった分ピッチも早くなっているはずです。ここで敢えてピッチは上げずストライドでスピードを上げる意識を持ってください。
④腕振りが大事
腕振りはランニングの基本ですが、ストライドを伸ばそうと思ったら特に大事です。そして腕振りで最も重要なのは「ヒジを後ろに引く」という事です。ヒジを後ろに引くと肩甲骨が動きます。肩甲骨が動くと連動して骨盤が動きます。骨盤が動くと結果的に足が長くなるのと同じ効果があります。 チョコマカピッチ走法だと骨盤はほとんど動かず、股下が足の長さとなりますが、骨盤が動くと腰骨から下が足の長さとなり、物理的にストライドが伸びるのです。
要するにそれまでと同じ感じで走っていてもストライドが伸びるのですから、効率の良い疲れにくい走りになるのです。
疲れて来た時は腰骨(骨盤)が動いているか時々チェックしましょう。ただし腕振りや骨盤を意識し過ぎると、上体がブレてしまうので注意しましょう。
⑤アップダウンを利用する
坂道を利用してストライドを意識するようにします。まず登りですが、ピッチで走った方が楽だと思いがちですがストライドを意識した方が疲れません。
そして下り坂ですが急な下り坂をストライドにまかせて速く走ってしまうと非常に危険です。練習で使うのは緩い下り坂です。ぱっと見、坂とは気づかないけどよーく見ると下ってる程度。角度で言うと2~3度くらいか。それくらいの緩い下りでもスピードを上げようと意識せず走っていても自然と速くなっていると思います。その時が一番理想的なフォームになっている可能性が高くストライドも伸びているはずです。ですから下りが終わって平たん路になってもなるべく同じフォーム、スピードを維持するようにしましょう。
⑥筋トレ・ストレッチをしよう
フォームを変えようとすると今まで使ったことのない筋肉を使ったりして故障のリスクが高まります。筋トレをして体幹を鍛えましょう。腹筋やスクワット、ランジなどですね。縄跳びもいいと思います。自分は縄がないのでエア縄跳びしてます。
また股関節と肩回りのストレッチも大切です。肩こりがある方は肩甲骨が動きませんから特に念入りに。
特に中高年の方は毎日同じように練習していても老化による衰えの方が早く、現状維持するのも難しくなってきます。筋トレで体力アップを図りストレッチで体のケアしてあげましょう。
陸上経験もない素人の自分がランニングフォームについてのノウハウを偉そうに書いてしまいました。ランニングの知識はネットとランスマで得たものが全てです。ですからこんな事誰でも知ってるかもしれませんし、とんちんかんなタワゴトかもしれません。
しかし1センチだけストライドが伸びたとします。1歩の歩幅が1mだとするとフルマラソンでは42195歩。距離にして421.59m。5分30秒ペースで走ったとすると2分30秒早くゴールできる計算になります。これって凄く効率の良い走り方だと思います。
自分的にはこの方法でびっくりするほど記録が伸びましたし、5年くらい若返った気分です。あくまでも個人的な感想で全ての人に当てはまるとは限りませんが。
でも記録が伸び悩んでいるランナーの皆さん、騙されたと思って一度試してみる価値はあるかと。