晴嵐改の生存確認ブログ

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず

甲野善紀身体操作術

2007年06月11日 | 映画・DVD
B000OPPRF4 甲野善紀身体操作術 [DVD]
アップリンク 2007-05-25

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養老孟司さんの著書で名前を知ってから甲野善紀さんに興味を持って、本も何冊か買って読んだりしていたのですが、遂にドキュメンタリー映画にまでなってしまったということで、エラいことになっているなぁ、と。それだけ甲野さんの理論……というか研究が人の関心を集めているということなんでしょうね。

DVDを観ていて面白かったのは、甲野さん自身の語る言葉もさることながら、周囲の人たちの反応ですね。何が起こっているのか理解できないというのが、もう表情にありありと出てきていて、まさに「狐につままれた」という表現がピッタリくるんじゃないかと思います。勿論、それはモニターのこちら側にいる私自身の反応でもあるんですけれども。…一体、何がどうなっているんだ?と。

甲野さんの動きを見ていると、そういった不思議さ、不可解さを感じる一方で、人間の身体が持つポテンシャルの大きさも同時に感じられてきます。多分、それが甲野さんが注目される、支持される一番大きな理由じゃないかと思うんですね。

今、私たちを取り巻く環境はどんどんバーチャルなものになっている。それはインターネットやテレビゲームといった特別なことじゃないんです。私たちが住む街それ自体が、もはや自然とは大きく乖離したところに存在していて、魔法みたいなテクノロジーの恩恵を当たり前な顔をして受けている。

夏の暑さや冬の寒さを、冷房や暖房で凌ぐ。エレベーターやエスカレーターで、高所へ上る。歩くと何日もかかる距離を、車や電車や飛行機によって短時間で移動する。世界の反対側で起きた出来事を、テレビのニュースでその日のうちに知る。

で、その分だけ私たちは自分の体を使わなくなっていて、身体感覚を鈍らせてしまっている。だから、甲野さんの動きがとても新鮮で、刺激的で、魅力あるものに感じられるんじゃないかな。そして、甲野さんのことを、自身の失われた身体を取り戻すきっかけになると感じているんじゃないかな。と、そんな風に思ったりしました。

本当なら、直接見たり、体験できればいいのでしょうが、なかなかそれは難しいですから、こうして映画(DVD)の形で見られるのはありがたいことです。
一部、ピンぼけな映像とかもあったりしますけど、まぁ、それも「味」ということで。

特典映像には、映画本編ではカットされたシーンも多数収録されていますので、こちらも要チェックではないかと思います。


■甲野善紀身体操作術
http://www.uplink.co.jp/kouno/



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