現在お請けしているお宅は40年近く前に建てられた注文住宅です。
耐震補強やバリアフリー対策のご依頼をいただき、現在は屋内の解体が終わった所です。
亡くなったお父様が建てられたこの家には、お父様の目が、家の至る所に届いているのがよくわかります。
その当時にはなくても仕方がなかった基礎の配筋もしっかり入っていましたし、コンクリートの強度がかなり高い。全体にひびもありませんでした。
道路から50センチ以上も高い位置から基礎が立上がり、ベタ基礎ではないのですが床下はかびくさいこともなく、さらさらの土です。
家を建てる時何が大切なのか、こういう時こそよく分ります。
残念なことに、在来のタイル貼りのお風呂まわりの木部に、シロアリが入った後がありましたが、もう随分前に退散しているようで、生きている蟻は一匹もいませんでした。
シロアリは、湿気のあるじめじめした所と暖かい所が大好きです。
でも、ある部分にシロアリがいたとしても家全体を食い尽くすのか?といえばそんなことはありません。おいしい、たべやすい場所を食べ尽くすといつの間にかいなくなってしまうのです。
じめじめした木部が、大好物です。もっとも安全なコルクの断熱材は、シロアリさんも大好きです。
食物にしているのかは分りませんが、発泡系の断熱材も簡単に食い荒らされてしまいます。
どんな場合も、湿気と適度な温度が絶対条件です。
シロアリの対策で絶対、というものはないようです。
強い農薬のシロアリ対策液の散布は、人にも被害を及ぼします。
敏感な人なら、床下地、床材やたたみを敷いた後でもシロアリ駆除剤が原因で身体の不調を訴える方がいます。
ただし、どんなに強い農薬を撒いても、浴室や窓から水の侵入があればシロアリはやってきます。
私は、化学物質を出来るだけ使わないということを目指しているのですが、木酢液やヒバ油などを混合した薬剤を使う業者さんに依頼しています。
ある工務店は、土台などに炭を塗ることでシロアリだけではなく、ごきぶりやムカデまで寄せつけなくなる、という話しをしていました。こういう生き物達はなぜかプラスイオンの優位の空間を好み、炭などによりマイナスイオン優位の空間は嫌うため、ということだそうです。
今は在来のお風呂でも、水の侵入に配慮した施工をすることでシロアリの心配は排除できます。
身体に安全な家には、風通しをよくする事、床下を高くする事、壁本体に通気層をとる事など、薬剤に頼らずに出来るシロアリ対策がまずはもっとも大切です。