老中の市井日記

理想を失うことなく老いの中を楽しみながら、日々発見、日々刺激、日々出会いを大切にしていきたいと思っています

コメ作り社会とビジネス社会 漆山治著

2007-08-23 21:00:51 | 読書
お盆には1冊読書と思っていましたが、やっと
「コメ作り社会とビジネス社会」 漆山治著を読み終えました。

日経のSNSで時々コメントを頂いていますので、著書を読ませて頂こう
と思い、神戸三宮や大阪の梅田の大きな本屋へ行きましたが在庫が無く、
仕方なく古本を調達しました。

結構読み応えがあり、千年の歴史を鳥瞰して日本の歴史も勉強させて
いただきました。
あとがきに「構想10年、執筆5年」とありましたが、納得しました。

日本マーケティング・プロデューサー協会幹事である著者が、日本古来
の国家の基礎であるコメ作り文化を社会の成り立ちから分析しています。

米作をするためには、計画的に灌漑をつくり、水などの肌理細やかな
利害調整行っていく中で、互助的なコミュニティが必要になり、その
長い蓄積が日本人の考え方の底流にあることを指摘されています。

また、日本は国土が狭く、資源が限りあるが、千年以上の歴史があり
その間独立を保ってきた珍しい国です。故に独特の文化が発生し、
さらに多くの国の文化を積極的に取り入れてきました。

21世紀に入って、日本は新たな発展を目指そうとしていますが、
そこのところに、米作りから得た精神をビジネスを通じて活かすことを
提言されています。

それは「協調」です。著者は本文で次のように書かれています。

「協調」とはコメ作り社会が律令制以来、千年を超える歴史の中から
学んできた人間社会にとって最良の知恵である。平和であるために、
個性的であることを避け、「和」を学び、横並びをモットーとし、
皆で相談して皆が納得し、改革や革命を避け穏やかな改善につとめ、
本音は伏せて建前尊重し、イエス・ノーを曖昧にし、対立をおこしそうな
クサイものには蓋をして、とにかく紛争や対立のおこらないように気を
配ってきた。

著者は「競争」ではなく「協調」をこれからのキーワードと指摘して
います。これからの21世紀は、世界の市場の中で、日本人は「協調」
を基礎として競争するという今までに無い手法を見つけ出さなければ
なりません。

千年の歴史の中で面々と引き続けられてきた文化と伝統の重みが
再認識しました。そして、忘れかけてきたコメ作り文化の持つ「協調」
がビジネスの中で花開かせる「知恵」を出させるかもしれないと
思いました。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お礼 (漆山 治)
2008-07-16 10:02:22
このブログを偶然拝見しました。ご拝読頂き有難うございました。続きはホームページで書き続けています。機会があれば覗いてください。
http://homepage1.nifty.com/urushiyama/
返信する
先生のHPは毎日見ています (sean)
2008-07-16 10:38:57
漆山先生 コメント有難うございます。

ご無沙汰しています。日経SNSでは貴重なご意見を頂き有難うございました。

漆山治オンラインは毎日見ています。

ミクシイもやってます。
これからもよろしくお願いします。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。