老中の市井日記

理想を失うことなく老いの中を楽しみながら、日々発見、日々刺激、日々出会いを大切にしていきたいと思っています

家庭で出来る回想法

2010-10-05 03:36:55 | 悩み事
以前、「認知症お手軽テスト」を記事にしましたが、認知症(痴呆)のケア方法の
ひとつに「回想法」があります。

以前の 認知症お手軽テスト

同世代の仲間や家族と懐かしい生活用品を手に取りながら、思い出を語り合ったり
聞いてもらう。回想法は自我の形成など内面的な効果だけでなく、表情が豊かになる
など外面的な効果も期待されています。

高齢者が昔のことを頻繁に思い出すのは現実逃避ではなく、自分の人生を捉え直す
積極的な心の動きなのです。

1960年代にアメリカの精神科医が提唱し、欧米諸国から臨床が始まり、わが国でも
色々な施設で応用されたり、取り入れられたりしています。
そこで、家庭で手軽にできる、ごく簡単な「回想法」をご提案しましょう。

回想法その1 歴史をネタにする

関東大震災や二二六事件、終戦など、歴史上の大事件をネタに、会話を試みては
いかがでしょうか。スムーズに会話を展開するために、あらかじめ勉強をしておくと
よりグッド。前後に起こった事件や、首相の名前、当時、お年寄りがいくつだったのか
などを頭にインプットしておきます。地域の風土記などを読んでおくのもよいでしょう。
「昭和○○年に、川が大反乱した」とか、「大正○年に公会堂ができた」などという
話題も、お年寄りの記憶力を刺激するかもしれません。


回想法その2 道具をネタにする

古道具屋さんで見つけた土瓶やかんざし、昔懐かしい駄菓子……。
「ほら、こんなの買ってきちゃった」と見せてあげたら、昔話に花が咲くかも。
女性なら台所用品、男性なら玩具などもよいでしょう。「どうやって使うの」などと
尋ね、実演つきで教えてもらうと、場が盛り上がります。


回想法その3 映画や音楽をネタにする

おすすめはグループホームも使っていたという、懐メロCD集。
聴きおぼえのあるメロディに、当時の世相や風俗などがいきいきと甦ること
間違いなし!「どんな人が歌っていたの」「歌詞の中に出てくる○○って何?」
「当時の銀座って、どんな街だったの」などとさらに突っ込んで
インタビューしてみましょう。銀幕の名優たちが登場する、昔の映画もOK。
ただし、戦争物や悲しい映画などは、嫌がるお年よりもいるので、観る前に
よくたしかめて。


最後の提案、レミニッセンスブック(人生の回想録)を作ってみる

お年寄りの自分史を作ってみるのもよいでしょう。子どものころに住んでいた家、
よく遊んだ友達、尋常小学校時代の先生、得意だった科目、初恋の人―。
記憶を掘り起こしていくうちに、とうに忘れていたことが甦ってくるかもしれません。
写真や、関連のある絵などを入れると、さらに充実した作品になります。
ただし、重度の認知症を患っている人や、過去の記憶によって傷ついている
人などの場合、回想法は適しません。その方の状態や過去によく配慮した上で、
チャレンジしてみてくださいね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。