老中の市井日記

理想を失うことなく老いの中を楽しみながら、日々発見、日々刺激、日々出会いを大切にしていきたいと思っています

上方ルネッサンス2010 楽劇の祭典 オープニング

2010-10-12 05:46:01 | 大阪府大
日曜日、「御堂筋kappo」に応援に行った後、JR大阪駅のホテルグランヴィアで
開かれた「上方ルネッサンス2010 楽劇の祭典」のオープンニングに招待され
参加しました。

「楽劇の祭典」は10年前に発足して、ウィーンが音楽の都と知られるように、関西を
古典芸能のエリアにし、日本の魅力にするものです。その実行組織が「関西楽劇
フェスティバル協議会」で、初代会長が河合隼雄元文化庁長官、現在の会長は
山折哲雄前国際日本文化研究センター所長です。

「楽劇」は一般にはワーグナーが創始したオペラの一形式を指しますが、日本の
古典芸能の力で日本に活気を取り戻す運動「上方ルネッサンス」では音楽と演劇
の要素を持つ能や歌舞伎、文楽などにまで広げた総称と位置づけています。

このオープニングの10周年記念講演会を皮切りに8つの催し物が開かれ、8つ目が
11月7日の大阪府立大学ホームカミングデーとの共催「日本(やまと)ことばの力
を考える」です。(敬称略)
公演内容 第1部 講演「日本(やまと)ことばの力」
         講師:山折哲雄
     第2部 特別公演「平家物語を聴く」
         演目 「祇園精舎」坂田美子
             「祇王」  平野啓子
             「小教訓」 岡橋和彦
             「知章最後」坂田美子

府民の一般の方も入れます。入場料金は無料ですが200名の招待者のみです。

さて、10周年記念講演会は次の通りです。
テーマ:能が創った5人の天才-観阿弥から信光まで-
講師:梅原 猛氏

気になるメモ:
・陽の能:観阿弥、信光 と 陰の能:世阿弥、元雅、禅竹 の5人の天才
・陰と陽の能を含むことによって室町幕府、江戸幕府に認められ、愛好する芸術となった
・源氏物語は貴族の男女の華やかさとその奥に秘めた哀しみを描いているが、
 能は庶民、特にどん底の人間および権力者に捨てられた人間の深い哀しみを描いている
・能の思想:草木国土悉皆成仏(草木や国土のように心をもたないものでさえ、ことごとく
               仏性があるから、成仏する)
・能のもひとつの思想:悪獣正機 虐げられたもの、捨てれたもの、貧しいものの味方
           例「鵺(ぬえ)」 親鸞の「悪人正機」と違う

梅原先生は、能の研究はまだまだこれからとあと10年頑張る宣言をされました。ただただ
敬服するのみ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。