山茶花談

さざんかだん

清宮質文展

2018-01-09 | 日誌


清宮さんの展覧会を前回見たのは数年前かな、
と思っていたのですが、なんと14年も前でした。
国内で大きな展覧会が開かれることはめったにないそうで
かなりの数の木版画・モノプリント・ガラス絵の展示でした。

木版画の彫りは浅く、
透明水彩で絵を描くように刷られる清宮さんの版画は
深い静かな心象風景です。

清宮さんの青はとても美しかったのですが
猫の版画が二点、印象に残りました。






一点は淡い夕暮れ色の背景の中の猫の版画、
もう一点は上の、今回の展覧会の半券の猫の淡い色の版画です。

前回の展覧会では、同じ版でもうすこし濃い色で刷られた半券で
今も机の横にあります。
同じ版でいろいろな印象に刷れるのは版画の醍醐味ですね。

清宮さんは家の上の部屋で外からやって来る野良猫を世話していたそうで
この版画の猫がこのポーズである日亡くなっていたそうです。
猫をいたわるように入れられた杯と
水晶のようなかたちは猫の向かう先を誘ってくれるお守りのようですね。
猫の死出の旅路が夢の世界とつながるよう祈りがこめられた版画で
清宮さんのとても優しい世界観が感じられました。



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