テンポよく返してくれる異性と
ダイキリなんかを飲みながら
夜を徹して話しが出来たとしたら、
それは、
人生の幸せのもう半分を手にしている証拠なんだよ。
と、羊男は僕に言った。
なんて村上春樹が書くような、
そんな出逢いになればいいんですけど、
果たして来週火曜日に急遽設定した
もしかして、これって合コン?
な飲み会は、
どんな結末になるのでしょう?
合気道門下生の中で、
一番胸板の厚い自衛隊員
(以下、「筋肉男」という。)から、
女性と知り合う機会のない部下のため、
何とか席を設けてくれないか、
と頼み込まれてからはや半年。
その間ほんとうにその部下達は、
女性とのお付き合いの機会がなく、
ただひたすら
私から声が掛かるのを
無実の人が釈放を待つように
塹壕掘りや土嚢積みをしながら
ずぅーっと待っていたのだという。
しかし、
あまりにも音沙汰がないため、
私が合コンを忘れたのではないか、
あるいは、
私だけが女性陣といい思いをしているのではないか、
と不安になってしまったらしい。
いい度胸だ。
週3日も合気道の稽古をする私を目の前にして
その通りのセリフを口に出してみるがいい。
・・・
深々と頭を下げて、
す、、、っかり忘れてました。
と謝ってやろうじゃないか。
・・・
いや、それともやはり、
ああ、最高だったね。
プハー。
(舶来物のシガーを燻らす。)
もう食べちゃったもんねー。
と谷岡やすじ先生の漫画のように
爪楊枝でシーハーと隙間を掃除しながら、
寝転がったまま答えてやろうか。
と、
何に興奮しているのか分からないが、
とにかく合コンというのは、
いつになく生命感あふれる拍動を
身体にもたらしてくれるから不思議だ。
とはいえ、
参加者ではなく、
単なる仲介者に過ぎない既婚者の存在は、
何かの化学反応さえおきてしまえば、
あとは化学式上も括弧でくくられてしまう触媒のように、
忘れ去られてしまうものなのだろう。
もっとも、
既婚者が間違って何かの反応を身に浴びてしまっても、
何の利益にもならないのは、
痴話狂いを扱った古今東西の悲話喜劇を紐解くまでもない事実。
私も筋肉男も
ともに子を持つ既婚者なので、
明らかな目的を持った他の参加者の邪魔をせぬよう、
座卓の端の方で2人差し向かいになり、
金曜日に稽古したばかりの、
後ろ手に締め上げられた腕の解き方とその後の小手返し
なんかを復習したり応用したりすることで、
一見楽しげに和やかに、
その場を満喫しているような振りをして、
参加者と同程度の熱量を発散することにしよう。
また合コンやってくださいと
筋肉部下男たちから言われないように、
みんな一遍に、
幸せになればいいのに。
やい、早く幸せになれ、この野郎!
ダイキリなんかを飲みながら
夜を徹して話しが出来たとしたら、
それは、
人生の幸せのもう半分を手にしている証拠なんだよ。
と、羊男は僕に言った。
なんて村上春樹が書くような、
そんな出逢いになればいいんですけど、
果たして来週火曜日に急遽設定した
もしかして、これって合コン?
な飲み会は、
どんな結末になるのでしょう?
合気道門下生の中で、
一番胸板の厚い自衛隊員
(以下、「筋肉男」という。)から、
女性と知り合う機会のない部下のため、
何とか席を設けてくれないか、
と頼み込まれてからはや半年。
その間ほんとうにその部下達は、
女性とのお付き合いの機会がなく、
ただひたすら
私から声が掛かるのを
無実の人が釈放を待つように
塹壕掘りや土嚢積みをしながら
ずぅーっと待っていたのだという。
しかし、
あまりにも音沙汰がないため、
私が合コンを忘れたのではないか、
あるいは、
私だけが女性陣といい思いをしているのではないか、
と不安になってしまったらしい。
いい度胸だ。
週3日も合気道の稽古をする私を目の前にして
その通りのセリフを口に出してみるがいい。
・・・
深々と頭を下げて、
す、、、っかり忘れてました。
と謝ってやろうじゃないか。
・・・
いや、それともやはり、
ああ、最高だったね。
プハー。
(舶来物のシガーを燻らす。)
もう食べちゃったもんねー。
と谷岡やすじ先生の漫画のように
爪楊枝でシーハーと隙間を掃除しながら、
寝転がったまま答えてやろうか。
と、
何に興奮しているのか分からないが、
とにかく合コンというのは、
いつになく生命感あふれる拍動を
身体にもたらしてくれるから不思議だ。
とはいえ、
参加者ではなく、
単なる仲介者に過ぎない既婚者の存在は、
何かの化学反応さえおきてしまえば、
あとは化学式上も括弧でくくられてしまう触媒のように、
忘れ去られてしまうものなのだろう。
もっとも、
既婚者が間違って何かの反応を身に浴びてしまっても、
何の利益にもならないのは、
痴話狂いを扱った古今東西の悲話喜劇を紐解くまでもない事実。
私も筋肉男も
ともに子を持つ既婚者なので、
明らかな目的を持った他の参加者の邪魔をせぬよう、
座卓の端の方で2人差し向かいになり、
金曜日に稽古したばかりの、
後ろ手に締め上げられた腕の解き方とその後の小手返し
なんかを復習したり応用したりすることで、
一見楽しげに和やかに、
その場を満喫しているような振りをして、
参加者と同程度の熱量を発散することにしよう。
また合コンやってくださいと
筋肉部下男たちから言われないように、
みんな一遍に、
幸せになればいいのに。
やい、早く幸せになれ、この野郎!