サザンカの宿

登場人物:ろば太(夫)、せんた君(妻、趣味「洗濯」)、感謝くん(双子娘A、癇癪持ち)、めん・たい子(双子娘B、食欲旺盛)

だったら、山小屋でいいよ。

2007年01月31日 | 「家」について
せんた君
「ちょっとちょっと、
 私たちの家が馬鹿にされたわよ。」

ろば太
「それは大事件だな、せんた君。
 すぐに署員を集めてくれ。」

コタツに集まる精鋭4人衆

せんた君
「あのね、
 この家を見た人がね。
 まるで山小屋みたいですわね、うぉっほっほっほ。
 って言ったんだって。」

めん・たい子
「うーむ。」

感謝くん
「うーむ。」

ろば太
「迷宮入りだな。
 いいかワトソンくんたち。
 まず山小屋の定義を固めようじゃないか。
 普通、山小屋と言えば何を思い浮かべるかな?
 何があれば、山小屋と呼べるだろうか。」

せんた君
「木で出来た家。
 薪ストーブ。
 切妻屋根。
 カレーライス。
 オヤジの楽器演奏。
 相部屋で雑魚寝。」

ろば太
「なるほど。
 ・・・
 まずいな、せんた君。
 発想を変えよう。
 何が無ければ山小屋と呼べるだろうか。
 山小屋には、何が欠けているだろうか。」

せんた君
「テレビ。
 クーラー。
 ゲーム機。
 プライバシー。
 歩いてすぐのコンビニ。
 都会の最新情報。
 おしゃれな洋服。」

ろば太
「わ、わかった、せ、せんた君。
 我が家は、
 全ての条件を備えてしまったようだな。
 こ、これ以上、苦しめるのはやめてくれ。
 これまで同様、
 仲のいい管理人夫婦でいようじゃないか。」

感謝くん
「犬小屋ってさあ、
 犬が中にいるからでしょ?」

ろば太
「何だい、今さら。
 潔くないぞ。」

めん・たい子
「でも、
 山小屋って、
 山が家の中にあるわけじゃないんでしょ?」

せんた君
「当たり前じゃない。
 山が家の中にあるんじゃなくて、
 山の中に家があるから、、、ン?」

感謝くん
「ここは、山の中じゃないでしょ?」

せんた君
「ん!」

ろば太
「おっ。
 すごいな、ちっちゃいワトソン君たち。」

感謝くん
「団地の中にあるんだから、
 ・・・
 団地小屋だよ。」

めん・たい子
「その方がかっこいいー。」



家について、ヨーイ、どん

2006年12月09日 | 「家」について
ろば太
「この家を建てた樽川技建さんから、
 またまた家の話を書いてくれって頼まれちゃった。」

せんた君
「ええ?また?
 私たちの幸せな暮らしの邪魔をしないで欲しいわね。
 興味ありません。
 急用があるので。
 ってキッパリと断った方がいいわよ。」

ろば太
「悪徳商法の電話じゃないんだから、、、。
 でも、この話一緒に聞いてたでしょ?
 1ケ月以上前に、
 わざわざこの家に足を運んでくださって、
 説明してたじゃない?」

せんた君
「そうね、確かに、
 怪しい二人組の男達に足を踏み入れられたわね。
 あれが、
 樽川技建さんだったのね。
 油断も隙もあったもんじゃないわ。」

ろば太
「ニコニコしながら、
 お茶出してたじゃないか。」

せんた君
「だって、
 カメラ持ってたから、、、
 一応、
 女のたしなみとして、、、。」
 
ろば太
「そんな話はいいんだよ。
 例の話、
 ドッキリだと思っていたら、
 やっぱり本当に、
 家の話を書いてくれっていうんだよ。」

せんた君
「あら、懐かしいわね、ドッキリテレビ。
 樽川技建の社長さんて、
 あの赤ヘルメットで看板持ってた人なんでしょ?
 営業のY田さんがそんな話を、、、。
 忘年会でいっつもその芸をやるとか、、、。
 でも、家の話なんてグッドタイミングじゃない?
 床暖房が動かなくなった話とか、
 先週、食器洗浄機が壊れた話なんてどう?
 私、怒りのやり場を探してたのよ。
 もうまったくー。」

ろば太
「ま、まあ、落ち着いて。
 いくら正直にって言われてても、
 それはマズイだろう?」

せんた君
「みんなキレイごとなんて聞きたくないわよ。
 生の声を聞きたがっているの。
 事件は現場で起きてるのよ。」

ろば太
「分った分った。
 でも今回は設備じゃなくて、
 建物の話なんだよ。
 建築家の佐藤武徳さんと、
 設計の打ち合わせでどんな話をしたか、
 そういう点を知りたいんだって。」

せんた君
「ああ、あれは?
 子供達がまだ敬語がうまく話せなくて、
 何にでも『ください』って付ければいいと思って、、、」

ろば太
「ああ、はいはい、思い出してきたぞ。
 本当は休みの日なのに、
 忙しい佐藤さんに無理を言って
 アパートまで来ていただいた時、、、」

せんた君
「そうそう。
 子供達が佐藤さんを見て
 いきなり『おかえりー』って言っちゃって、、、」

ろば太
「そうだ、そうだ。
 こら、違うだろ、って怒ったら、
 『お帰り、、、ください。』って。」

せんた君
「言ったとか言わなかったとか。」
 
ろば太
「こらこら。
 また、話が逸れただろ。」

せんた君
「だってさあ、
 佐藤さんが先に建てていたお隣の家と
 同じような家にしてくれ、
 って頼んだだけじゃない、本当の話は。」

ろば太
「そ、そうだけど。
 なんかそれじゃあ、
 レストランで誰かが食べてるのを見て、
 アレと同じものが食べたい。
 ちょうだい、ちょうだいよー、
 って言ってる子供みたいだろ。」

せんた君
「ズバリ、そのとおりでございます。
 詳しい話は、お隣さんに聞いてください。
 じゃ、この辺で。
 ご機嫌よう。」

ろば太
「だめだめ。
 我が家なりのポリシーを出さなきゃ。」

せんた君
「子供中心の家にはしない。
 だから子供部屋なんていう個室は要らない。
 それよりも、
 一家の大黒柱であるろばちゃんが
 活き活きと暮らせるような、
 うふふ、
 趣味、特技を十分に生かせるような、
 うっふん、
 そんな家にして欲しい。
 私はどうなっても構わないから。
 涙、ぽとり。
 私は、それだけをお願いしたんだったわ。」

ろば太
「そ、そうだったな。
 君は優しかったな、あの頃、、、も。
 ・・・
 それで、、、
 キッチンが家の中心になったわけだ。」

せんた君
「でも最近、
 料理作るの私ばっかりじゃない?
 このごろろばちゃん、
 偉そうに忙しい振りしてサボってばっかり。」

ろば太
「いや、実はココだけの話、
 ずーっと胃腸の調子がおかしくてね。」

せんた君
「おかしいわね。
 仕事のストレスはないのに。」

ろば太
「君が先に言うなよ。」

せんた君
「合気道の昇段試験も
 まだずーっと先でしょ?」

ろば太
「だから、、、」

せんた君
「他にストレスって何かしら?
 薄毛だってまだ笑える程度だし、、、
 もしかして、
 子供たちのことかしら?」

ろば太
「・・・
 取り敢えず今日は、
 おなかの調子を整えるものにしよう。
 久し振りに僕が作るよ。」

せんた君
「献立は?」

ろば太
「そうだね。
 インゲン豆入り発芽玄米ごはんに
 ゴマときなこをふりかけて、
 アジの塩焼きをメインに、
 ニンジンとゴボウのきんぴらを副菜にしてっと、
 具沢山の味噌汁に
 プルーンヨーグルトかヤクルト
 漢方薬「補中益気湯」も飲んで、
 最後は、黒酢でお開き。
 こんな感じかな。」

せんた君
「すごいわね。
 それなら胃腸に効きそうね。」

ろば太
「だろ?」

せんた君
「でも一遍に食べると、
 どれが効いているのか、
 分からないわね。」

ろば太
「あ、
 また、胃が痛くなってきた。」

せんた君
「で、家の話は?」

ろば太
「あ、その言葉を聞いたら、
 ますます胃が痛くなってきた。」

せんた君
「どうやらこれは、
 家じゃなくて
 胃炎だわい。」

ろば太
「え、えーと、
 おあとがよろしいようで、
 よろしくないようで、、、。」







「家」について(ブログ版のみ)

2005年11月21日 | 「家」について
ろば太家は、築3年目。
○○建築賞を受賞した有名建築家によるデザインである。

ろば太
「この家を建ててくれた@@工務店から、
 『家』のことで何か書いてくれって言われてるんだ。
 どうする?」

せんた君
「そんなの簡単よ。
 私が、正直な気持ちを書いてあげるわ。」

(さらさらさら、、、)
-『こんな家になると思いませんでした。
  (涙、涙、、、。)』-

ろば太
「え? 感じ悪いよ、そんなこと書いたら。
 補修とか建替の時、
 柱1本抜かれちゃうかもしんないよ。」

せんた君
「違うのよ、
 こんな素晴らしい家になるとは思わなかった。
 うれし涙が止まりませんってことよ。」

ろば太
「そう書けばいいじゃないか。
 勘違いするでしょ?」

-『クーラーも、テレビも、壁紙も、個室も無くて、
  本当に感謝してます。』-

ろば太
「まずいよ、コレ。
 社長の奥さんに、
 身体がしびれるハーブティーとか飲まされちゃうぞ。」

せんた君
「違うわよ、
 夏でもクーラーなしで過ごせるぐらい涼しいし、
 珪藻土だから薬漬けの壁紙もない、
 テレビなしでも飽きない、
 個室がないから家族バラバラにならない、
 ああホントにありがたや、ありがたや、チーン。
 そういうことよ。」

ろば太
「どうも嘘っぽいな。」

せんた君
「本気の本気で感謝してるのよ。
 壁をワザワザ取っ払った部屋があるでしょ、
 あそこで雨風にさらされながらする食事って、
 スリリングで楽しいわよね。
 もう、最高にエキササイズ!」

ろば太
「エキサイティングだろ!
 何だい、その壁のない部屋って?
 デッキのことかい?」

せんた君
「他にも優れものがあるわよ。
 トイレが半畳分しかないんだから。
 もう、呆れるくらいに便利よ。
建築家△△さんの、苦肉の策ね。」

ろば太
「おいおい、苦心作だろ?
 うーん、それも設計の妙というか、
 家族の動線から言えば最高の出来なんだけど、
 よーし、これはもう、
 この家に来て自分の目で確かめてもらうしかないね。」

せんた君
「いいわよ。
 そんなに言うんなら、見に来てもらいましょう。
 ローン地獄に苦しんでるけど、
 タダで見せてあげるわ。
 いい根性してるじゃない。
 @@工務店の責任者連れて来てみなさいよ。
 本当に素晴らしい家なんだから。
 ウソじゃないんだから、
 ホントなんだから、
 もう、うぇーん。」

ろば太
「コラ、泣くな!」


※ろば太家に来ないと、
 今日の内容は分からないでしょうね?
 興味のある方はどうぞお越しくださいませ。
 今なら好きなだけ「焼きリンゴ」が食べられますよ。