サザンカの宿

登場人物:ろば太(夫)、せんた君(妻、趣味「洗濯」)、感謝くん(双子娘A、癇癪持ち)、めん・たい子(双子娘B、食欲旺盛)

大事な仕事

2013年04月11日 | 子育て進行形
震災を乗り越え、清く正しく美しく成長を続ける双子姫。職場の飲み会を終えて、前後左右不覚のろば太を、一人が玄関先まで迎え出てくれている。

ろば太「たらいむぁわー、ヒック。たいちゃんか、ヒック。悪いねえ、出迎え出迎えもらって、んごー。」

めん・たい子「しーっ、もう、近所の人起きちゃうでしょ!」

ろば太「あいあいサー。」
美人婦警さんに警礼をするろば太。

ろば太「ほかの2人は?」

めん・たい子「借りてきた東方神起のドラマ観てるよ。」

ろば太「東方神起のファンクラブに入ったの誰だっけ?」

めん・たい子「わたし」

ろば太「アマゾンで中古のトンペン心理って本、定価より高値で買ったの誰だっけ?」

めん・たい子「わたし」

ろば太「そ、それなのに、たいちゃんは、チャンミンそっちのけで、おとさんを出迎えてくれたんだね、、、うるる。」

めん・たい子「いいことあるんだって!」

ろば太「は?」

めん・たい子「今日の東方神起占いに書いてあったの。」

ろば太「占い?」

めん・たい子「雑用を進んでするといいことあるんだって。」

ろば太「雑・用」

めん・たい子「そう」
曇りのない笑顔を見せるめん・たい子

音を立てて駆け寄る感謝くん
「ギャー、しまった。先に取られた~。おとさん、じゃあ、雑談しようか。」

ろば太「雑用のため?」

感謝くん「そう」
惚れ惚れするような笑みで頷く感謝くん



我が家にもついにやってきた! ガラパゴス!

2011年03月06日 | 子育て進行形
めったに落ち込まない女、
家族から陰でそう呼ばれているめん・たい子が、
拳を振り上げて自分の頭を殴っている。

ろば太
「負けるな、たい子!
 やり返せ!
 左だ、左の頭はガラ空きだぞ!」

めん・たい子
「あ、パパ。
 お帰り。」

ろば太
「いいから、コラ、油断するな。
 やられるぞ!
 って、あれ?
 一人でやってるの?
 もったいないなあ、せっかく双子なのに。
 あ、分かった。
 今流行りの、エア太鼓の達人だろ?
 テレビがないと子どもはそういう育ち方をするのか、
 まさに今話題のガラパゴスって奴だな。」

めん・たい子
「ぐすん。
 私、嫌われてるのかなあ?
 もう、学校行きたくない。」

足元が揺れた。
いや、そうじゃない。
ついに来たんだ。
ろば太もそうだった。
暗黒の中学時代、、、。
少しばかり勉強が出来て、
少しばかり二枚目で、
少しばかりスポーツマンで
少しばかり正義感が強いばっかりに、
みんなから煙たがられたあの頃、、、
(煙が目にしみるろば太)

ろば太
「気にするなよ。
 中学生になるとみんなそうなんだよ。
 なんだかちょっと他の人と違うと、
 すぐに変わり者扱いするだろ。
 いいかい!
 世の中の閉塞状況を打破するのは、
 3つの者だと言われているんだ。
 分かるか、たい子?」

感謝くん
「あの、私たちまだ、、、」

ろば太
「やあ、ワンバンコ、感謝くん。
 双子なんだから離れてないで、
 感謝くんも一緒にこっちで聞きなさい。」

めん・たい子
「えーと、
 3つの者って、どういうこと?」

ろば太
「いい質問だなあ、たい子。
 って、これ、去年流行った言葉らしいぞ。
 学校で使うと、多分、人気者になれるぞ。
 いい質問だなあ。
 ・・・
 なんでこれが流行語なんだろな?
 やっぱりテレビの福山ドラマでやってたのかな?」

感謝くん
「AKBとかKARAの何かなんじゃない?」

ろば太
「すごいなあ、感謝くん。
 それっていわゆる韓流ドラマだろ?
 おとさんは職場で新聞読んでるから
 なんとなく分かるよ。」

感謝くん
「学校でみんなKARAの話してるから、
 家でママに調べてもらったの。
 すごいね、うちのDELLは。」

ろば太
「そうだな。
 テレビより、DELLだな。」

せん太君
「インテル入ってる?」

ろば太
「いや、
 インテル?はい、デル。だろ?」

めん・たい子
「で、3つの者って?」

ろば太
「どうした、たい子。
 双子なのにそんなに浮かない顔して。
 あ、3つの者ね。
 知りたいか、え、どうしても知りたいか?」
 それはね、、、
 教えなー、、、」

感謝くん
「はやく!」

ろば太
「は、はい。
 ・・・
 んー、たとえば、ヨソ者だ。」

めん・たい子
「ああ、そういう『者』ね、、。
 怠け者、悪者、コワレモノ、クダモノ、
 カワキモノ、モライモノ、、、
 うーん、うーん。」

感謝くん
「キモノ、ハレモノ、、、」

せん太君
「所かまわず。」

感謝くん
「あ、そうか。」

ろば太
「それは、『出物腫れ物所嫌わず』だろ。」

めん・たい子
「すごい、2つもモノが入ってる。」

ろば太
「おいおい、たいちゃん。
 中学生にもなって、
 人をあらわす『者』って漢字分からないのか?」

感謝くん
「わたしたち、まだ、、、」

ろば太
「まだ、
 何だ!」

めん・たい子
「そんなに歳とってないし、、、」

ろば太
「そうだ、それだ、2つ目。」

めん・たい子
「ん?」

ろば太
「若者だよ。
 若い者だよ、人生は、だよ。」

めん・たい子
「あの、面倒だから、ついでに3つ目もお願いします。」

ろば太
「そうだな、
 3部作の完結編、3つ目の者は、
 じゃじゃーん。
 ・・・
 来週に続く。」

感謝くん
「いいから、早く!」

ろば太
「な、なんだ、感謝くん。
 相変わらず、癇癪もちだなあ。
 ぐすん。
 小学生の時は、
 ぐすん、もっと優しかったのに、
 ぐすん、ぐすん。」

感謝くん
「3、2、1、はいどうぞ」

ろば太
「バカ者です。」

めん・たい子
「何それ?」

ろば太
「バカ者の意味が分からないってこと?
 なんだと、このオオバカモーン。
 って毎週日曜夕方5時のFMふくしま聞いてるだろ。
 ニッサン、あ、阿部部礼二の大場部長だよ。
 ああ、
 バカモンゲットだぜ、ってのもあった、、、」

めん・たい子
「バカ者の意味は分かるよ。
 3つの者が何するって話だっけ?」

ろば太
「え?
 何だったっけ。
 余所者、若者、馬鹿者、、、
 社会も乱す悪い奴らみたいだな?
 ♪我らを狙う黒い影、
  世界の平和を守るためー♪」

せん太君
「♪行け、行け。
  ライダー。
  タイガーマスク♪
 懐かしいわねえ。
 最近、また、タイガーマスク流行ってるんでしょ?
 伊達ヒロシだっけ?
 ってことで、はい、たいちゃん、感謝くん、
 給食マスク洗っといたわよ。」

感謝くん
「3つの者が何なの!!!」

ろば太
「なんだよ、アニメ話で盛り上がってるのに、
 そんなことどうだっていいだろ。」

感謝くん
「3つの者がどうしたの!!!」

ろば太
「は、はい。
 えーと、、、、
 あ、そうだ、社会を変える力になるのが、
 そういう人たちだってことだ。」

めん・たい子
「で?
 それがどういうこと?」

ろば太
「知らないよ。
 自分たちで話し始めたんだろ?
 まったく、こっちは茶碗洗いとかいろいろ忙しいのに、、、
 中学生にもなって3つの者も知らないなんて、、、」

めん・たい子
「うぇーん。
 そうだ、友達もそんな風にいうんだ、、、。
 私、嫌われてるんだあああ。」

ろば太
「あ、そうだ。
 そんな話だったな。
 たいちゃんがちゃんと話さないから、
 わき道にそれちゃったじゃないか。
 どうしたんだ、学校で?」

めん・たい子
「あのね。
 夏休みに東京に行ったでしょ?」

ろば太
「そうだったっけ?」

感謝くん
「気温37度の日に行ったでしょ。
 今のうちから見ていた方がいいとかいって、
 東大の校門とかお茶のみ大学とか、
 いろんなまわったでしょ、意味もなく。」

ろば太
「最後のセリフが気になるけど。
 そうだったね、思い出したよ。
 暑かったねえ、確かに。
 東大の門が赤かったもんな。
 古臭い地下の学食で
 東大生一家の振りして
 『C定食1人前』なんて気取って
 4人で食べたもんね、
 おとさんのおごりで。
 三四郎池覗いて蚊に刺されたあと、
 そうだいつの間にか、
 お茶の水女子大に着いたんだっけ。
 ちょうどキャンパス説明会やってて、
 『お譲様はどちらの学部を希望されてますか?』
 なんて聞かれちゃって
 『いえ、私は男です。』
 『いえ、そちらのお嬢様方です。』
 『え、この双子姫のことですか?
  まだ小学生ですよ。』
 『キャンパス説明会ってご存知ですか?』
 『はあ、入り口に書いてあったんで、
  プレゼント付きで学校を案内してくれるのかなあと思って、、、』
 『本校を志願される方に
  学部長学科長自ら説明することになっております。』
 『それは、それはご丁寧に。』
 そしたら感謝くんが、
 『私は理科の観察が好きです。』
 ってハキハキと言ったもんだから、
 理学部生物学科の列に並ばせられたんだよね。
 綺麗な現役女子大生がピンクTシャツで
 『小学生で大学説明会に来るなんてすごいですね。』
 なんて標準語で言うもんだから
 4人で浮かれてぴょこぴょこ飛び跳ねてたら、
 前に並んでた中学生連れの親が、
 なんかイヤーな目でこっち見てたよな。
 いやだな、やっぱ、中学生って。」

感謝くん
「ね、気付いた?」

ろば太
「何?
 おならしたの?」

感謝くん
「私たち、夏は小学生だったのよ。」

ろば太
「そうだね。可愛かったね。
 それで?」

感謝くん
「まだ4月になってないでしょ。」

ろば太
「どうやら、そのようですね。
 ほら、カレンダー見る?」

感謝くん
「ということは、
 私たちは今?」

ろば太
「ん?
 元気なようですね。」

感謝くん
「違う。
 私たちは、今、どうなの?」

ろば太
「ん?
 双子です。」

感謝くん
「だめ、それも。
 私たちは、小学生?中学生?」

ろば太
「わかんなくなっちゃったの?」

感謝くん
「こっちが聞いてるの。
 どっちなの?
 小学生?中学生?」

ろば太
「小学生」

感謝くん
「でしょ。」

ろば太
「それが?」

感謝くん
「んもう。わけわかんない。
 ねえ、おかあさーん。」

ろば太
「さ、これで二人きりになったな。
 遠慮なく話せるだろ。
 どうしたんだ、めん・たい子。
 何でも言ってみろ。
 学校で何があったん?」

めん・たい子
「ぐすん。
 え?
 そのために30分も掛けたの?」

ろば太
「気にするな、42年のうちの30分なんて、
 おとさんにとっては星の数にも足りないさ。
 さ、言ってみなさい。」

めん・たい子
「ん?
 あのね、夏に東京に行ったでしょ。」

ろば太
「そうだな。
 気温37度の日だったな。
 ホテルのバイキングで
 冷たい水ばかり飲んで
 損したような、、、」

めん・たい子
「でね、
 夏休みの思い出の作文を書いたでしょ。」

ろば太
「そのようだね。」

めん・たい子
「私ね、
 上野の釜飯のこと書いたの。
 カニの釜飯のこと書いたの。」

ろば太
「暑い日に釜飯注文して
 店の人にビックリされた話か?」

めん・たい子
「違うの。
 私、初めて釜飯食べたでしょ。
 私だけ、カニの釜飯にしたでしょ。
 それがおいしくてそのことを書いたの。」

ろば太
「おお、たいちゃん。
 そんなに感動してたのか。
 暑くて冷たくて熱くての連続で、
 真っ赤な顔してふてくされた顔で食べてたから、
 釜飯嫌いなのかと思っていたよ。
 そうか、夏場のカニ釜は、
 やっぱうまかったか?」

めん・たい子
「おかしいよ、それ、やっぱ。
 パパのせいだよ。」

ろば太
「なんだよ、いきなり。
 急にどうしたんだよ。
 パパ、なんて。」

めん・たい子
「そっちじゃないよ。
 ずーっと、パパって呼んでるでしょ、最近は。」

ろば太
「そうか、
 いやあ、パパって言われるとなんか照れるなあ。
 パパってなんか、
 髪の毛チリチリパーマにして
 口ヒゲでも蓄えてないと似合わないような、、、」
 
めん・たい子
「私ね、作文で書いたの。
 『家族4人で東京に行って、
  おいしいカニカマを食べました。』って」

ろば太
「どうした、それが。」

めん・たい子
「あれ、カニカマって言わないんだって。」

ろば太
「カニの釜飯だろ?
 他に何ていうんだ。
 海苔ものっててたまにしか食べないから、
 ノリタマとでもいうのか?
 あ、いいな、どう?
 ノリタマってのは?」

めん・たい子
「うぇーん。
 うぇーん。
 みんなの前で自慢してやろうと思って読んだら、
 『わざわざ東京にカニカマ食べに行ったのか?
  そんなのフレスコキクチで試食できるぞ!』
 って馬鹿にされたの。
 うぇーん。うぇーん。」

ろば太
「え、あのスーパーで、カニ釜も食べられるんだ。
 そうか、夢が広がるなあ。
 あの店の音楽もいいよね。
 ♪やすくておいしい品揃え♪
 『こんなに安いのは、
  また、桁を間違えて大量入荷したからです。
  ナハハ』
 だもんねえ。
 いいよねえ、ああいう感覚。
 効率的に、計画的に、とかそういうのもう嫌だよ。
 いい加減が許される世界を目指します、
 っていう店のコンセプトがいいよ。うん。
 従業員をビデオ撮りして店内で流してるだろ、
 ああいう手作り感がいいよねえ、田舎芝居って感じで。」

めん・たい子
「そうだ、
 思い出した。
 この間、友達のうちに行ったとき、
 そのことでも笑われたんだ、うぇーん。」

ろば太
「だれだ、フレスコを馬鹿にするのは。」

めん・たい子
「友達の家に行ったらね、
 テレビがあったの。」

ろば太
「そりゃあ、あるだろ、普通。
 ジイとバアの家も、おばあちゃん家にもあるだろ。
 家の近所の電機屋にもあるんだぞ、そんなもんは。」

めん・たい子
「すごいビデオあるから、見る?
 って友達がいうから、
 うん、うん、見せてって言ったの。」

ろば太
「おいおい、
 まだ小学生だろ?
 しかも女の子だろ?
 そんなもんに興味あるのか、やっぱし。
 いい時代だなあ、今は。
 おとさんの頃はな、本屋でな、、、」

めん・たい子
「友達がね、
 黒い箱を指差してね、
 これ最新の『ソニーのブルーレイディスクだよ。』
 って言ったの。」

ろば太
「黒いのにブルーなのか、
 それもヘンだな、確かに。」

めん・たい子
「友達がね、
 『あ、たいちゃん家にテレビなかったよね。
  じゃあ、ソニーのブルーレイも分かんないよね。』
 って言ったの。」

ろば太
「どうした、たいちゃん。
 何も恥じることはないぞ。
 昔おとさんは、
 VHSかベータかでベータを選んだクチだからな。
 新しいものに飛びつく必要はないんだからな。
 別にそんなの分かんなくていいんだよ。
 堂々としろ、堂々と。」

めん・たい子
「でもね、私、本当に知らなかったから、
 正直に聞いたの。」

ろば太
「おお、そうか、たいちゃん。
 ・・・
 うん、うん。
 それもいいだろう。
 正直に聞くのが一番だな。
 そうだな、そうだったな。」

めん・たい子
「聞いたの。
 『その、ソニーってなーに』って」

ろば太
「・・・
 ん?」



 疲れたので、これで終わります。
       またね 
 

おにぎり

2010年03月01日 | 子育て進行形
そういえば、
土曜から日曜日にかけて
こんなことがありました。

せん太君
「明日の朝ごはん、どうする?」

3人
「食べるぅー。」

せん太君
「えぇ?
 うーん。
 じゃあ、何にする?」

双子姫
「外食がいい。」

ろば太
「肉っぽくなければ何でもいい。」

双子姫
「絶対、外食、外食、外食!」

せん太君
「分かったわ。
 でも、
 早起きしなかったら、
 おにぎりにするわよ。
 いい?」

双子姫
「はーい。」

(そして、日曜の朝)

せん太君
「2人とも起きなさい。
 何度言ったら目を覚ますの!
 起きなさいったら、起きなさい。」

双子姫
「ねむいよー。
 もうちょっと、寝かせてよぉ。」

せん太君
「昨日の約束忘れたの?
 早起きしなかったら、
 おにぎりにするって言ったでしょ?」

双子姫
「あー、そうか、、、
 むにゃ、むにゃ、むにゃあ。
 でも、いいやぁ、眠いからぁ。
 あきらめまーす、
 おにぎりにしてくださぁーい。」

(双子姫の寝ている布団に近づき、
 白い羽毛掛け布団と黒っぽいタオルケットを
 剥ぎ取るせん太君。
 すばやく白い羽毛布団を広げ、
 中央に双子姫を積み重ねたあと、
 四隅を束ねて一気に包み込む。
 さらにその外側に
 黒いタオルケットを掛けて
 同じように球状に包んだ。)

ろば太
「何やってんの?」

せん太君
「ヤクソク ヲ マモリマシタ。」

ろば太
「え?」

せん太君
「オニギリ ニ シマシタ。」

ろば太
「ん?」

せん太君
「早起きしなかったから、
 子供たちのことをおにぎりにしてやったのよ。」

     



2006年の今日


222

2010年02月27日 | 子育て進行形
平成の御世も恙(つつが)無く過ぎて
今年で弐拾と弐年、
そして如月(きさらぎ)の下旬に、
と、
漢字で書くと解りにくいのですが、
つまりは平成22年2月22日、
と2が連続した日の朝のお話です。

感謝くん
「おとさん、今日は、
 2が5つも出てくる日なんだって。」

ろば太
「らしいな。」

めん・たい子
「世界中で大騒ぎになるよね。」

ろば太
「違うな。」

感謝くん
「ラジオで2が5つって言ってたけど、
 2時22分22秒だったら、
 10個になるよ。」

ろば太
「ん?
 そ、そんなに?」

めん・たい子
「すっごーい。
 ねえ、おとさん、
 その時におとさんの時計見せてよ。」

ろば太
「だめだよ、仕事で使うんだもん。」

感謝くん
「休み時間確かめるのに使うだけでしょ。
 もう、じゃいいよ。
 学校の時計見るから。」

ろば太
「んだな。」

めん・たい子
「だめだよ。
 学校の時計は、
 針でぐるぐる回る奴でしょ。
 2が並ばないもん。」

ろば太
「ほう。」

感謝くん
「そうか、
 でもおとさんがカインズホームで
 980円で買った時計は、
 数字が出る奴だもんね。」

ろば太
「はやりのディジタルだな。」

めん・たい子
「いいなあ、おとさんだけ、
 2を10個見れるのか。」

ろば太
「ま、見たかったら、
 自分で小遣いためて買いな、ってとこだな。
 あ、7時20分だ。
 ほれ、学校遅れるよ。」

感謝くん、めん・たい子
「はーい。
 じゃ、おとさん、
 2が10個並んだの見た話、教えてね。」

そんな他愛もない会話を思い出したのは、
午後一の大きな取引が片付いて、
同僚に気づかぬよう
机の下で脚を曲げたり伸ばしたりと、
ストレッチ体操をしていた
2時を少し過ぎた頃だった。

同僚
「筋肉、ほぐれましたか?」

ろば太
「あれ?
 わかっちゃった?」

同僚
「真面目な顔でイッチニーサンシ、
 って言ってたら分かります。
 わざと、話しかけて、
 って言ってるようなもんですよ。」

ろば太
「いやあ、そうか、、、
 それは、結構結構。
 ところで、今日は何の日か分かるかな?」

同僚
「聖徳太子が亡くなった日らしいですよ。
 622年。49歳だったそうです。」

ろば太
「あ、そうなの?
 知らなかった、、、。
 聖徳太子か、、、偉大だよね、、、
 もし殺されないで
 そのまま生きていたらどうなっていただろうね。

同僚
「今年で1437歳です。」

ろば太
「・・・
 ありえないでしょ。
 おっと、大事な話を忘れていた。
 きみ、君、
 今日は、2のつく日だね。」

同僚
「ろば太さんもパチンコやるんですか。
 今日は早退?」

ろば太
「何、それ?」

同僚
「本日、開催、
 のアレですよ。」

ろば太
「平けいりんか?」

同僚
「違いますよ。
 あの、ほら、、、」

ろば太
「そうだよ。
 平成22年2月22日
 でこのオフィスの時計で、
 今は午後2時の、
 あ、21分になっちゃった。」

同僚
「はあ。
 それが何か。」

ろば太
「まったくいつの時代もアナログだな、君は。」

同僚
「・・・」

ろば太
「いいかい。
 このオフィスの時計だと、
 何の面白みもないだろ。
 だけどこの僕の小さい目覚ましみたいな時計を見てよ。
 どう?
 今、数字はどうなってる?
 左から読んでみてよ。」

同僚
「H22年2月22日ですね。
 おぉ!
 2が並んでる!」

ろば太
「オウケイ、オウケイ。
 じゃ、その次はどうなってる?」

同僚
 14時21分58秒、59秒、
 あ、何か、中途半端。
 14時22分01秒、02秒、、、」

ろば太
「え?」

同僚
「あ、でも、すごい。
 平成22年2月22日
 14時22分22秒。
 うわー、14以外全部2だ。
 えーと、2が9つありますね。
 ありがとう、ございます。
 あ、僕、会議なんで、じゃ、これで。」

(時計を確かめるろば太)

ろば太
「あ、この前、昼寝してアラームセットした時、
 AM12時55分とPM12時55分間違えて、
 昼休み時間長くなっちゃった時だ。
 あのあと、24時間表示に変えたんだ。。。
 ちくしょう、平成になったときから楽しみにしていたのに。
 また、元のAMPM表示に戻してやる。
 やい、このオタンコナス!」

(帰宅後)

感謝くん
「おとさん、どうだった?
 2が10個は?」

ろば太
「ん、きゅ、9個、、、。」

めん・たい子
「綺麗だった?」

ろば太
「い、いや、そうでもないよ、
 なんか、仲間はずれにされてる奴とかいて、、、」

感謝くん
「私は丁度休み時間だったから、
 職員室の数字が出る時計を見せてもらったんだよ。
 もう、先生たちも大喜び。」

めん・たい子
「いいなあ、おとさんと感謝くんは、見れたのか。」

本日初登場のせんた君
「お待たせ。
 ・・・
 はい、食べましょう。」

4人
「いただきまーす。」

(子供が寝たあと、せん太君と2人で過ごす夜)

せん太君
「あ、そうだったの。
 残念だったわね。
 次に2が10個もそろうのなんていつになるのかしらね。」

ろば太
「うーん。
 22月があればいいのにねえ。
 残念だなあ。」

せん太君
「それか22時とか。」

ろば太
「はは、ありえないね。
 ・・・
 ん?
 あ、そうか、22時、、、。
 あれ?
 今、何時?」

せん太君
「えーと、
 壁の時計だと、もうすぐ10時22分かな。」

ろば太
「あ、ありがとう、せん太君。
 良かったら、せん太君も一緒に見ない?
 世界新記録の
 2が11個だよ。」

せん太君
「あ、そうね。」

カバンから最新型ディジタル時計を出すろば太

ろば太
「い、いいかい。
 開けるよ。
 ほら、左から数字を読んで。」

せん太君
「えーっと。
 H22年2月22日
 PM10時22分20秒、21秒、22秒、、、」

ろば太
「あっ!」

せん太君
「おやすみ。
 あ、今日は高浜虚子の誕生日だったわ。
 大寒の 埃の如く 人死ぬる
 じゃ、また明日。」




2006年の今日





 

心に響くことば、心に響く音

2010年02月21日 | 子育て進行形
久し振りに親戚のお爺ちゃん(大叔父?)と会う双子姫
誰なのか思い出せないのか、
やはりよそよそしい様子。

ろば太
「どうしたの?
 もじもじして?」

感謝くん
「ちょ、ちょっと、、、」

めん・たい子
「う、うん、、、」

ろば太
「そんなに緊張しないで」

感謝くん
「い、いやあ、そんなんじゃないんだけど。」

めん・たい子
「こ、これなんだよね。」

ピースサインを出すめん・たい子

ろば太
「何?
 イエーイって?」

めん・たい子
「違うよ。
 これだよ。」

人差し指、中指、薬指の3本を立て、
その後、震えながら薬指を折り曲げるめん・たい子

ろば太
「んがー!
 どうしたんだーっ?
 薬指にいつもの元気がないじゃないか?」

感謝くん
「お、おとさん、、、
 私も、もう、だめだ、、、」

初め3本とも立てていたはずの指が、
薬指、人差し指と順番にしな垂れていくのを
自分ではどうすることもできずに
ただ詮方なく眺めるしかない無力な子供たち、、、

ろば太
「お、おいっ!
 く、薬指もかあっ!
 だ、だめだー、次は中指もかあっー!」

残された最後の望み
人差し指をもう一方の手で支え
額のあたりにかざしたあと
聞き取れないことばをつぶやきながら
祈るように指を見つめる双子姫

ろば太
「おおっ!
 ゆ、指が!」

親戚のお爺ちゃん
「何だい?」

ろば太
「あ、大叔父さん。
 みてくださいよ、奇跡ですよ。
 子供たちの指が。」

親戚のお爺ちゃん
「何だって?
 よく聞げねえなあ。」

大きめの声でろば太
「子供たちの指が、
 曲がるんですよ。」

今話題の超能力者が
大勢の観客に囲まれたスタジオの中で
目の前のスプーンをゆっくりと曲げていくように
最後に残った人差し指を
優しい息遣いで操り始める双子姫。
やがて、
自らの力でそうしているというのではなく、
何か不思議な導きに誘われているかのように、
そしてその誘いは、
決して我々を怖がらせるものではなく、
昔々からそうであったようにごく自然に、
そう、それはまるで、
野生の生き物が
深夜緊張を解いてサバンナの漆黒の闇の中で、
ゆっくりと眠りにつくように
安らかにうなだれていくのを
太古から繰り返されてきた当然の営みとして
穏やかな表情で見守る子供たち

ろば太
「き、奇跡だ。」

やがて、
蚊が耳元で鳴くような細く長い音が続く
ピーーーー
プーーーーー

ろば太
「ありゃ、なんだ、この音は。
 昔、音響カプラでパソコン通信した時代の、
 ピーひょろひょろーーーー。
 い、いや、
 これこそ太古からの神のことばか、
 そしてこのほんのりとした燻(いぶ)されるような香り、、、
 懐かしく、そして癒されるような、、、
 これは、た、タイムスリップか?」

神秘体験を素直に受け入れて
何も迷わず恐れない神の子供、双子姫。
それでも神の前での礼儀を心得ているのか、
自重した低い声で話し始める。

感謝くん
「すっきりしたね。」

めん・たい子
「今回も同時だったね。」

感謝くん
「ハモった?」

めん・たい子
「うち、アルト」

感謝くん
「うちは、ソプラノ。
 イェーイ。」

めん・たい子
「聞こえたかな?」

感謝くん
「大丈夫っしょ。
 あのお爺ちゃん、
 耳遠いみたいだから。」

呪縛がとけてふと現実にかえるろば太

ろば太
「何の話?」

感謝くん
「ん?
 あれだよ。
 いつもの3、2、1だよ。」

ろば太
「え?
 いつものって、、、」

頭の中で日常の些事雑事を振り返るろば太
3、2、1、ゼロ?

突如、NASAのスペースシャトル打ち上げのように、
爆発音とともに蘇るろば太の記憶

ろば太
「おならか?」

めん・たい子
「あたりー!」

ろば太
「ハモった?」

感謝くん
「バッチリ」

同じ部活動の先輩と後輩が
最後の最後にお互いを認め合って
思い出を振り返りながら肩を叩き会うように、
目をぱちぱちさせながら微笑みあう3人

感謝くん
「ばれないよね?」

ろば太
「あ?
 大叔父さん?
 大丈夫じゃない。
 耳遠くなったみたいだから。」

ろば太
「あ、そうだ大叔父さん。
 これ、さっき買ったんですけど、
 よかったら、、、」

4個入り400円の今川焼を3人で分けたあと
自分がお金を支払ったご褒美にと
残った1個を子供が眠ってからこっそり食べるため
バッグの奥に隠していたのを思い出したろば太。

肩まで手を入れて
バッグの奥の方にあるはずの今川焼を探っていると、、、

親戚のお爺ちゃん
「オレは食べたばっかりだから、いらねえよ。」

ろば太
「え?」

親戚のお爺ちゃん
「今川焼だぺ?」

ようやくバッグの奥に押し込められた今川焼の
湯上り美人のようにしっとりと濡れた薄皮の
その人肌のせつない暖かさに触れたばかりのろば太の指が止まる。

ろば太
「ど、どうして分かったんですか?」

親戚のお爺ちゃん
「何だって?」

大きな声でろば太
「どうして、
 今川焼だったって分かったんですかあっー?」

親戚のお爺ちゃん
「ああ。
 耳は聞こえねえけど、
 オラあ、鼻は利くんだよ。」

鼻は利くんだよ。
鼻は利くんだよ。

除夜の鐘とそれをつく撞木のように
頭を突き合わせる双子姫。
108っつの鐘のように、
胸の辺りで言葉が響きわたる、、、。

鼻は利くんだよ。
鼻は利くんだよ。
3、2、1、ピーーひょろひょろろー

  

(後記)
ちょいと時間があったので、
久し振りに書いてみました。
みなさん、お元気でしたか?
最近、合気道の稽古サボっているので、
いつでもお酒飲みOKですよ。
浜なら「月のうさぎ」とか「もっきりや」とか「富八」とか、、、
中ならお安い「だんまや」で夜中までとか
「蘂(はなしべ)」とか、、、どこでもいいですけど、
会なら「百姓三人」「鳥元」んー、最近行ってないので、不明、、、


運試し豆まきの巻

2008年02月05日 | 子育て進行形
節分を1週間後に控えた1月下旬のこと、、、
話題のコープマートで、
安心安全を謳い文句にしている
千葉県産の落花生を買ってきたせんた君。

せんた君
「国内産なのに安売りしてたから買ってきちゃった。」

ろば太
「いい買い物だね。
 もうすぐ豆まきだから、ちょうどいいね。
 でも、
 この時期に安売りなんてヘンだね。」

せんた君
「賞味期限が、 
 2月2日までなのよ。」

ろば太
「なるほど、、、。
 これも話題の賞味期限か、、、。
 でも大丈夫だろ、1日2日くらい。」

せんた君
「そうよね。
 1年も2年も前の落花生じゃないんだから。」

ろば太
「ふぉっ、ふぉっ、ふぉ。
 浮いた金でハワイにでも行くか。
 はっはっは。」

せんた君のご賢察を顕彰しつつ
勝鬨(かちどき)をあげて
手酌の酒を浴びるろば太。

(そして、豆まきの日)

感謝くん
「鬼は、外ー。
 ふー、これが最後の豆だ。
 えーっと、これで50個だね。」

めん・たい子
「そうだね。
 ちょうど50個。」

ろば太
「お、投げた落花生の数かぞえてたんだ?」

感謝くん
「だってその方が
 後で拾うとき便利でしょ。」

ろば太
「便利っていうか、
 まあそうだね。
 数が足りなかったら、
 拾い忘れてるってことだからね。」

めん・たい子
「よーし。
 じゃあ、全部拾ってきていい?」

ろば太
「ああ、いいよ。
 今年は贅沢に千葉県産の落花生だから、
 いつもよりおいしいぞー。
 早く食べないと悪くなっちゃうから、
 さっそく拾おう!」

感謝くん
「よーし、
 あ、見つけた。
 あ、こっちにもあった。」

めん・たい子
「じゃ、たいちゃんは2階の拾ってくるね。」

(しばらくして)

感謝くん
「ふー、これで全部かな。
 30個拾ったよ。」

めん・たい子
「ただいまー。
 2階の全部拾ってきた。」

ろば太
「50個投げたんだから、
 さ、引き算の問題です。
 50ひく30は?」

感謝くん
「はーい、20でーす。」

ろば太
「そうだね。
 もし、たいちゃんのが20個なかったら、
 まだどっかにあるってことだよ。
 賞味期限過ぎてる豆だから、
 早く見つけないと、
 食べられなくなっちゃうよ。」

せんた君
「たいちゃん、いくつ拾ってきたの?」

めん・たい子
「22個」

ろば太
「え?」

感謝くん
「感謝くんの30個と
 たいちゃんの22個で
 えーとえーと、
 52個だ。」

めん・たい子
「わーい、わーい。
 2個増えたんだ!」

感謝くん
「すごーい。
 クリスマスに来なかったサンタさんが、
 豆まきに来てくれたのかな?
 2個プレゼントしてくれたんだね。」

ろば太(小声でせんた君に)
「去年まいたのは、古い大豆だったよね?
 落花生まいたのは、
 一昨年かその前か、、、」

せんた君
「どうしよう。
 せっかくの千葉県産なのに、、、。」

ろば太
「2個は、
 少なくとも2年以上前のもの、、、」

せんた君
「食べてみようか?
 運試しに。」



昨年の2月1日
昨年の2月2日
昨年の2月3日
昨年の2月4日

一昨年の2月1日
一昨年の2月2日
一昨年の2月3日
一昨年の2月4日


ふたりともA型でした。

2008年01月30日 | 子育て進行形
ろば太
「ただいま」

せんた君
「あ、ろばちゃん。
 大ニュースよ。」

ろば太
「(どうせまた取るに足りな、、、
  いや、そんなことを決め付けちゃいけないな。)
 なななな、なあーんだい?」

せんた君
「そんなに大騒ぎするほどのことじゃないわよ。」

ろば太
「なんだよ、
 せっかく盛り上げてやろうと思ってるのに。」

せんた君
「今日、病院に行って来たんだけど、
 なななんと、
 感謝くんは、A型だったのよ。」

ろば太
「なーんだ。
 やっぱりそんなことか、、、。
 何をいまさら、、、。
 ボクはO型で、
 せんた君はA型なんだから、
 感謝くんがA型なのは当たり前じゃないか。
 そんなことのために病院に行ったの?」

せんた君
「私、血液型はB型よ。
 誰と間違えてるの?」

ろば太
「え?
 あれ?
 いや、仕事で付き合いのある人で、
 せんた君によく似た人が、
 確かA型だったから、
 あの、その、、、
 実に清楚で品があって、
 くしゃみした後、
 ごめんなさい、
 なんて謝ったりして、、、
 えへへ、
 ん?
 ボクがO型で、
 せんた君がB型なのに、
 感謝君がA型だって?
 これは確かに事件だな。」

せんた君
「あの、、、」

ろば太
「まてよ。
 ボクも自分で勝手にO型と決め付けているだけで、
 本当はA型とかAB型なのかもしれんぞ。
 うーむ。
 この歳になって血液型を調べてもらうなんて、
 何て上司に断って休暇取ったらいいんだろう。」

せんた君
「あの、、、」

ろば太
「なんだよ、せんた君。
 ボーっとしていないで、
 一緒に考えてくれよ。
 何て言って休めばいいんだ?
 子どもが風邪引いた、
 何て見え透いたウソは駄目だからね。」

せんた君
「インフルエンザよ。」

ろば太
「だから、
 そんなウソは、、、」

せんた君
「感謝君もめん・たい子も、
 二人ともインフルエンザだったのよ。
 今日、病院に行ってきたの?」

ろば太
「ええ?
 ああ、それで今日は、
 二人とも玄関に出迎えに来なかったんだ。」

せんた君
「だって、
 40度も熱あるのよ。
 2階でぐったりしてるわよ。」

ろば太
「それは大事件じゃないか。
 せんた君と余計な話をしてる場合じゃないよ。」

せんた君
「私は、すぐにインフルエンザの話をしたわよ。」

ろば太
「してないじゃないか!」

せんた君
「A型っていったでしょ?」

ろば太
「え、それ?」

せんた君
「すごい。
 どうして分かったの。
 そう、そう。
 ソ連A型なんだって。」


なーんてことがありましたが、
子どもたちの熱も下がり、
お医者さまの許可も下りて、
双子たちは明日から学校に復帰しまーす。

ろば太の住む町では、
小学生に対する医療費補助がないので、
新薬「リレンザ」等々の出費が嵩み、
治療費で1万2千円ほどかかりましたー!
そろそろ真剣に、
引越し考えようかなあ、、、。


昨年のブログ



まったいに、ぜちがえません。

2007年11月20日 | 子育て進行形
双子姫に課せられる週末の課題は、
「日記」である。

先週は2人とも、
「おうちで一番楽しい遊び」
について書いたらしい。
ジイとバアに買ってもらった
豪華な着せ替え人形や、
ローンで買った電子ピアノについての言及はなく、
クリスマスプレゼントとしてろば太が買い与えた
100円ショップの
「お父さんとの交換日記」
が一番の楽しみなのだという。

ろば太の交換日記歴は長い。
そういえば、
今年が30周年目を迎える年ではなかったろうか。
このブログの目的も、
いろいろな人と
やりとりするためのものだったから、
今でも継続中と言えるかもしれない。

感謝くん
「今日も交換日記やろうよ。」

ろば太
「いいよ。」

たわいもないことを書き付けただけなのに、
双子姫はそのやりとりが楽しいらしい。

「感謝くんが今日履いてた
 ましましツンパ
 可愛いね?」
「何それ?」
「しましまパンツ
 だよ。」
「おとさん、
 間違えてるよ。」
「ごめん。
 まう、もちがえません。」

こんなことがひどく面白いらしい。

「合気道で試験に合格しました。」
「おめでとう。
 黒い帯になるんでしょ?」
「そうだよ。
 それに今度から、
 おかまをほれる
 んだよ。」
「どういうこと?」
「あ、間違えちゃった。
 はかまをはける
 だった。」

感謝くんは、
全く、
笑わなかった。
それでいいのだ。
正しい教育がなされていることが証明されたのだ。
笑わせるために書いたのではない。
いいのだ。
いいんだもーん、だ。



一昨年の11月20日
去年の11月20日






似ている漢字

2007年11月12日 | 子育て進行形
感謝くん
「おとさん、
 「教える」と「考える」
 の違いって分かる?」

ろば太
「やあ、ごきげんよう、感ちゃん。
 最近おとさんは、
 漢字の勉強してるからね。
 えーと、
 「教える」の「教」っていう漢字には、
 元々は鞭打つ動作が入っているらしいね。 
 おとさんは体罰主義者じゃないけど、
 知識とか技術とか身体操法とか、
 ある領域に達している人が
 未熟な者を導く場合は、
 やっぱりある程度、、、」

感謝くん
「子どもだよ。」

ろば太
「え?
 何のこと?」

感謝くん
「大事なのは、
 子どもだよ。」

ろば太
「え?
 そ、そうだね。
 まあ、
 教育の主体は、
 子ども自身のやる気を出発点に、、、」

感謝くん
「「教える」の漢字には「子」があるでしょ?。
 「考える」の漢字は「子」じゃなくて、
 「5」なの。
 似てるけど、
 そこが違うんだよ。
 分かった?」

ろば太(感謝くんに聞こえないように)
「教えるには子どもが大事、
 なんて
 偉く深遠なこというと思ったら、
 なぞなぞみたいな話か、、、。
 なんでえなんでえ、
 「考」の下の字は「5」じゃないし、
 第一「教」と「考」なんて間違えるかっつうの。」
 
感謝くん
「はい、
 おとさんのために
 これ書いてあげたから。
 これをなぞれば、
 おとさんも
 字が上手になれるよ。」

ろば太
「え、
 いいの?
 どうもありがとう。」

悪筆乱文のろば太の子でありながら、
1年生の時から、
七夕展や書初め展の書写展で
クラスに一人二人しかいない金賞を
毎回もらっている感謝くん。
書写の腕前は
既にろば太を凌駕していることは、
家族や担任の先生ならずとも、
徐々に知れ渡り始めている事実ではある。
職場の同僚たちには内緒だが、
感謝くんの書いた「漢字練習帳」を
拝み倒して破ってもらい、
それを手本に薄紙を乗せて
ろば太は書き方の練習をしているのだ。
師匠がくださるものなら、
例え役立たずの薀蓄を書いたメモ書きであれ、
ありがたく頂戴したくなるのが
弟子の性というものなのだろう。

感謝くん
「おとさん?
 感謝くんの七夕の短冊読んだでしょ?」

ろば太
「は、はい、お師匠さま。
 確か
 「もっと字が上手になりますように。」
 でしたでしょうか?
 既に金賞をいくつも獲っていらっしゃるのに、
 さらに上を目指して頑張っていらっしゃるんだな、
 と拝察いたしておりました。」

感謝くん
「あれ、
 おとさんのことだからね。」

ろば太
「え?
 「字が上手に、、、」」


一昨年
去年



騙し騙されピアノレッスン

2007年10月30日 | 子育て進行形
ろば太
「どれ、夕ご飯も食べ終わったから、
 ピアノの練習でもしようかなあ。」

めん・たい子
「あ”ー。
 だめだめ。
 今、たいちゃんやろうと思ったんだよ。」

ろば太
「あ、そう?
 じゃ、先にやっていいよ。」

めん・たい子
「はーい。」

”電子ピアノ”に向かい、
ひとしきり練習するめん・たい子

ろば太
「上手になったねえ。
 どれ、じゃあ、次はおとさんが、、、」

感謝くん
「だめだめだめー。
 今、感謝くん、弾こうと思ったんだから。」

ろば太
「あ、そう。
 じゃ、いいよ。
 おとさんは、その後で弾くから。」

”電子”ピアノの椅子に座布団を敷き、
子供用バイエル3の練習を始める感謝くん。

ろば太
「へえ、すっごく上手になったねえ。
 どれ、それじゃあ、
 いよいよ、おとさんが、、、」

せんた君
「だめだめだめー。
 次は、私が弾く番なんだからー。」

ろば太(小声でせんた君に)
「子どもに練習させるためにやってることなんだから。
 君が引っかかってどうするんだよ。
 子どもたちは、
 おとさんになら勝てると思って、
 それでムキになってるんだから。」

せんた君(小声でろば太に)
「分かってるわよ。
 でも私までピアノ弾き出したら、
 もう一台買おうよ、
 って話になるでしょ。
 今度は本物のピアノ買おうって。
 ひょっとしたら次はグランドピアノかもしれないし。」

ろば太(せんた君に小声で)
「誰が買うんだよ。
 君が欲しいだけだろ!」

感謝くん、めん・たい子
「2人が喧嘩してる間に、
 ピアノ練習しちゃおーっと。」



イラストは、
おとさんの邪魔をして
感謝くんが
♪無理無理♪で弾いている場面です。
大きくなったでしょ?
可愛くなったでしょ?


一昨年くーん。
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃジャーん。」



一人潜伏中です。

2007年10月22日 | 子育て進行形
ろば太
「二人とも静かだね。
 何してるの?」

感謝くん
「ワンちゃんのために、
 折り紙で色々作ってたの。」

めん・たい子
「感謝くん上手なんだよ。
 ワンちゃんが喜ぶように、
 ベッドとお家作ってくれたの。
 折り紙でだよ。」

感謝くん
「ちゃんと鎖つないでおく棒も作ったんだよ。
 ワンちゃん喜ぶように。」

ろば太
「喜ぶかな?」

めん・たい子
「喜ぶよー。
 ワンワンって言ってるもん。
 ああ本物のワンちゃん飼いたいなあ。」

ろば太
「たいちゃんは、
 イヌが好きなんだ?」

めん・たい子
「うん。
 でもイヌだけじゃないよ。
 ネコもゾウもパンダも、
 みーんな大好き。」

ろば太
「そうか、
 たいちゃんは将来、
 飼育員になるといいかもね。」

めん・たい子
「何それ?
 シークイーン?」

ろば太
「おお、そっちも水着っぽくてラブリーだけど、
 あのね、
 飼育っていうのは、
 動物の面倒をみることなの。
 飼育っていうのが好きで、
 そういう風に動物のお世話をする人のことを
 飼育員っていうんだよ。」

めん・たい子
「ふーん。
 飼育っていうのが好きだからか、、、。
 いいなあ、飼育員になりたいなあ。
 ねえ、感謝くんも飼育員になりたい?」

感謝くん
「やだ。
 なりたくない。」

めん・たい子
「どうして?
 もっと好きなことあるの?」

感謝くん
「うん。
 感謝くんはね、
 いろいろ作るのが好きなの。
 学校でも何か作る授業が好きなの。」

めん・たい子
「ああ、工作か。」

感謝くん
「うん。
 だから、、、
 ねえ、おとさん、
 えーと、工作員、
 でいいの?」



一昨年、、、。
なんとその後、
2本の西洋梨の1本が枯れてしまい、
今年は実がならなかったのでした。



自動販売機の身にもなってよ、、、。

2007年10月15日 | 子育て進行形
自動販売機ごっこって知ってますか?

お客さん役の人が
押しボタン代わりに
穴から指を突き刺して注文する商品を
内部の機械処理操作役の人が
裏側から瞬時に読み取って
手作りで大きさもまちまちの
折り紙で作った商品の中から
お客さんが選んだ商品を選んでおいて、
下の長方形の穴から
お金がこちらに投げ入れられた瞬間に
「お、今日は機械の調子いいな。
 よーし、何かいいことありそうだ。」
とお客さんが感じるくらいのすばやさで、
アルミ箔で塞がれた商品取り出し口から
商品を向こうに送り出すことによって
小さな幸せづくりのお手伝いをしているという
自動販売機の道徳的役割を把握するための
いわば知育ゲームなのです。
だから、
1時間以上付き合わされても、
大人が文句を言っちゃいけないんです。
泣いちゃいけないんです。