へーちょうなんだ。

ときどき書きます。
4コマ漫画「こねことへんないきもの」略して「こねへん」れんさいちゅう。

姉の嘘について。

2012-06-12 23:43:41 | にっき
今日は姉の話をしようと思う。今はもういない、姉の話だ。

子供の頃は姉によくだまされた。
駐車場の機械の中にはパートおばさんが入ってて「駐車券をお取りください」って言ってるんだよ、とか。
タクシーの運転手さんはみんな超能力でドア開けてるんだよ、とか。
「スイカの種は飲み込むとお腹の中でスイカが生えてくるから吐きなさい」「メロンは?」「メロンは高く売れるからどんどん飲み込みなさい」とか。
ほとんどの嘘は小学校にあがる前に嘘と気づいたけど、つい最近まで信じていた嘘が二つある。
一つは、こういう嘘だ。
「わたしもあんたが生まれた時にはまだセーラー服着てたんだけどね~」
そうなのか、と思っていた。 セーラー服を着て、赤ん坊の僕を抱く姉の姿を想像したりもした。
そんな姉もお嫁に行き遠く離れて暮らすようになったある日、母が僕にこう言った。
「今日は○○(姉の名前)の誕生日よ」
ふと思って問い返した。
「姉ちゃんて今年で何歳になったの?」
その答えを聞いて驚いた。僕より二十歳上だ。何がセーラー服だ。セーラー服着てるどころかセーラー服と機関銃をロードショーで観てる世代じゃねえか。

もう一つの嘘。
姉は姉じゃなくて叔母だった。子供の頃から「お姉ちゃんと呼びなさい!」と言われ続けてたから誤解していた。
中学生くらいのころにこれを知って、なんだか、いろいろ、思ったのだけど、恥ずかしいから書かない。
姉はもういない、と言ったのはこういうことである。

叔母は今では二児の母で、子供達に元気に嘘を教えているらしい。
高速道路でETCのレーンを通りながら、「高速道路のえらい人と知り合いだからタダで通れるのよ」なんて。

普通の思い出話になってしまった。なんだか恥ずかしいけど、おしまい。

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