無明長夜もかくばかり…

食のこと、家族のこと、ペットのことや日々の雑感… 
手探りをしながら、書き綴っていきたいと思います。

雑踏の街に吹いた美ら風

2006-07-29 | 雑感


昨年の7月に、新宿で開催されたエイサー祭り。
これはたまたま「週一の楽しみ」で新宿に行ったときに偶然見た。
てんもりさんのブログで、紹介されていた記事を読んではいたが
正直、「高円寺の阿波踊り」や「浅草サンバカーニバル」じゃないが
やはりこうした祭りは、本場で見るものだという意識があり
イマイチ盛り上がれなかったのは事実であった。

昨年の9月に沖縄に行った。
初日の夜のこと、国際通りにある喜納昌吉さんのお店「チャクラ」で
沖縄のエイサーを見て、その迫力に圧倒された。



ライブハウスという空間での、小規模であるが故の迫力だったかも知れないが
勇壮な踊り、重厚な太鼓の音は素晴らしく心に響くものであった。
その感動をもう一度ではないが、今年はネットで予め調べて出かけていった。

その前に、まずは腹ごしらえだ。
新宿と言うことで、せっかくだから今回はラーメンにせず
讃岐うどんを喰うことに決めた。



『東京麺通団』である。
場所は小滝橋通り。『麺屋武蔵』をはじめ、有名ラーメン店が軒を並べる激戦区。
『東京麺通団』は、ひとつ路地を入った場所にある。
ちょうど1時をちょっと回った時間ということもあるが、店内はほぼ満席。
注文したのは「ひやかけ」
それにセルフサービスでテンプラなどを乗せていく。



目移りするほどの品揃えから半熟玉子天、ちくわ天、それにおにぎりを二つ。
喉越しのいい、コシのある麺を冷たい出汁で啜りこむ。



腹もくちくなったところで、いざ新宿通のエイサー会場へ。
昨年はもっとゆっくりと、いい場所で見られたのだが
今年は、まさに立錐の余地もないほどの盛況で
いいカメラポジションが確保できない。
人と人とのすき間から、腕を伸ばして何枚か撮ってみた。





調べてみると、いろいろな地域に「エイサー」の団体がある。
考えてみれば、うちのニョウボだってニッポン人のクセにフラメンコをやってるし
最近では奥様連中の間でフラダンスが静かなブームだそうだ。
このエイサーは、なによりも衣装がカッコイイ。
もし近所に、エイサーの同好会でもあれば入りたいくらいだ。
一糸乱れぬ踊りは、とにかく素晴らしい。
身体を動かすので、健康にもいいだろうし
太鼓を思いっきり叩けば、ストレス発散にもなりそうだ。

てんもりさんのブログで拝見した本場のエイサーでは
夜店のハイカロリー屋台が並んでいて、オレとしてはこれも楽しい。
さすがに新宿ではそういうわけにもいかず
沖縄の名産品の屋台が何軒か出ていた。



仕事の都合もあり、1時間ほど見て
後ろ髪を引かれる思いで帰ってきたが
また来年も見たいものだ。

東京の讃岐うどん、エイサー、阿波踊り
ニッポン人のフラメンコにサンバカーニバル
ニッポン人が作るフランス料理に
アメリカ人が握る寿司…

地域を越え、国を越えていいものを見てみたい。
いいものを知りたい。真似してみたい。
すべては好奇心から始まる。
伝統的な行事を、伝え継がれた技を知り
そしてそこからまた新しいものが生まれ
すべてが育ってゆく。

雑多な人たちの集まる新宿の街に
エイサーの掛け声と太鼓の音が響き渡る。
雑踏の街に“美ら風(ちゅらかじ)”が吹いた土曜日の午後の話