【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

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佐々木スレ10-270 もし佐々木団+キョンが北高生でSOS団光陽園学生なら(1)

2007-07-20 | その他

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/06/01(金) 01:05:36 ID:YCVegK6A
もし佐々木団+キョンが北高生でSOS団光陽園学生なら

「そろそろ通りかかります。」
 まるで噂話をするかのように声のトーンをおとし、橘がそう呟いた。
「あ、ほらほら。見えてきましたよ。」
 声のトーンを落としたままそう続けた。何を興奮しているのか先ほどより若干大きくなっているが。
 しかしまだ見えたといっても一人の女子学生が歩いていると確認できる程度で、こちらの声なんか聞こえる距離ではない。
 この距離で聞こえるならそいつの耳はどうかしてる。普通に声を出せばいいものを。
「いや、それは一概には言えないんじゃないかな。科学で証明されているだけでも人間には20以上もの感覚が存在するんだ。
一般的な五感だけでも聴覚以外に視覚というものがある。耳で聞こえなくても目で見て勘でなんとなく気づく人だっているってことさ。
僕にだって今のキミの憂鬱そうな気分くらいなら分かるからね。」
 声を押し殺すような独特な笑い方をしながら佐々木が語りかけてきた。
 相変わらず小難しい会話をしてくるな。悪いが俺の頭は認めたくはないが谷口と同レベルだぞ。
 誤解のないように言うが学力なら、ということだ。
「お前とは中学の時から一緒だからな。それなりに付き合いもあったから分かるが。」
 佐々木とは週に2回ほどとはいえ一年ほど共に塾に通い通学まで一緒だったからな。
 しかし佐々木ももっと上のレベルを狙えただろうに北高にくるとは物好きなものだ。
 毎日ハイキングをして通学するような場所にあるってのによ。
「北高にも特進クラスがあるからね。とりあえず一年間は様子を見てからそっちにいくかどうか決めるよ。
それにあの通学路は中々健康的でいいじゃないか。運動部に入っていない僕たちにはちょうどいい運動さ。」
 そのおかげで毎日予鈴寸前で学校に通う羽目になってるんだがな。しかしつくづく頭の出来が違うと感じる。
 俺がもし真剣に進学を考えるならそんな暇はないと断言できる。頭のいい人間の考えることはよくわからん。
「それよりキミはそれなりの付き合いと言ったが、僕とキミとの一年間はそんな薄っぺらい物だったのかい?
少なくとも僕にはそれ相応にキミのことを理解しているつもりだがね。」
 そう言いつつ少し皮肉交じりに微笑しながら、俺をからかうような目線を送っている。
 まぁお前は確かに中学校時代親しくした友人の一人だ。
 そんな会話をしていると突然、あからさまに不機嫌な声色で会話に混じってきた。


271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/06/01(金) 01:08:53 ID:YCVegK6A
「まだなのか?全く無意味な時間をすごしているようでならないな。」
 声だけではなくうんざりとした表情で藤原は言った。あまりの不快感からか唇まで大きく歪んでいる。
 そこまで嫌なら別にお前はついてこなくていいんだぜ?お前のその顔を見ているとただでさえ気分が悪いのに更に悪化する。
「あんたに言われるまでもなくついていくつもりはさらさらなかったがこれも指令なんでな。」
 女子生徒の待ち伏せまで指令に入ってるとはご苦労なことだ。ストーカーに間違われないようにな。
「―――退屈」
 そう一言ぽつんと九曜が言った。量の多い髪はそよ風が吹いても少しもゆれることはない。
 初対面のときから慣れたとはいえ、無機質な顔にガラス玉のような黒い瞳は未だに少し不気味だ。
「何ぶつぶつ言ってるんですか?だんだん近づいてきてるんですからお静かに。」
 すこし怒気を含みながら橘が話を戻した。俺だって好きでこんな無愛想な野郎としゃべってるんじゃねぇよ。
「佐々木さんの…いや、世界を元に戻す第一歩なんですからしっかりしてください。」
「俺はまだ一言も協力するとと言ってないぞ。」
 いつの間にそんな展開になっているんだ?佐々木の誘いがなければこんな馬鹿なことに付き合うつもりすらなかった。
 俺たちのそんな思惑を知ってか知らずか女子生徒は刻々と俺達の方に向かっている。
 桜の花はとっくに散り早くも夏の陽気が垣間見る5月の終わりの午後、俺達はある人物を待ち伏せていた。
 その人物とは…
「あれが涼宮ハルヒさん。佐々木さんの力を間違えて宿している人よ。」

多分こんな感じになったんじゃないかと勝手に妄想。誤字脱字が多くて矛盾だらけだから適当に読んでほしい。



352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/06/01(金) 22:29:41 ID:y1KnvWSI
もし佐々木団+キョンが北高生でSOS団が光陽園学生なら

「そろそろ通りかかります。」
 まるで噂話をするかのように声のトーンをおとし、橘がそう呟いた。
「あ、ほらほら。見えてきましたよ。」
 声のトーンを落としたままそう続けた。何を興奮しているのか先ほどより若干大きくなっているが。
 しかしまだ見えたといっても一人の女子学生が歩いていると確認できる程度で、こちらの声なんか聞こえる距離ではない。
 この距離で聞こえるならそいつの耳はどうかしてる。普通に声を出せばいいものを。
「いや、それは一概には言えないんじゃないかな。現在科学で証明されているだけでも人間には20以上もの感覚が存在するんだ。
僕たちがこうしている間にも日々科学は発達しているのだから、将来更に見つかる可能性は十分に残されていると言えるね。
それに一般的な五感だけでも聴覚以外に視覚というものがある。耳で聞こえなくても目で見て勘でなんとなく気づく人だっているってことさ。
僕にだって今のキミの憂鬱そうな気分くらいなら分かるからね。」
 声を押し殺すような独特な笑い方をしながら佐々木が語りかけてきた。
 相変わらず小難しい会話をしてくるな。悪いが俺の頭は認めたくはないが谷口とほぼ同レベルだぞ。
 誤解のないように言うが学力なら、ということだ。
「お前とは中学の時から一緒だからな。それなりに付き合いもあったから分かるが。」
 佐々木とは週に2回ほどとはいえ一年ほど共に塾に行き帰りが一緒だったからな。
 だが佐々木と俺の学力は昼寝をする前のうさぎとかめくらいのどうしようもない差があった。
 だからてっきり俺たちはそれぞれの学力に合った高校に行くと思ったのだがなぜかこいつはここにいる。
 もっと上のレベルを狙えただろうに北高にくるとは物好きなもんだ。
 毎日ハイキングをして通学するような場所にあるってのによ。


353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/06/01(金) 22:30:59 ID:y1KnvWSI
「北高にも特進クラスがあるからね。とりあえず一年間は様子を見てからそっちにいくかどうか決めるよ。
それにあの通学路は中々健康的でいいじゃないか。運動部に入っていない僕たちにはちょうどいい運動さ。
キミと歩きながら色々話もできるし僕としてはとても有意義な通学路なんだよ。」
 そのおかげで毎日遅刻寸前で学校に通う羽目になってるんだがな。
 それでもなんとか遅刻をしないのは母親に命ぜられ面白半分で起こしにくる我が妹と、
 それをわざわざ待ち続ける佐々木のおかげといっても過言ではない。
 しかし通学路に対する考え方だけでもつくづく頭の出来が違うと感じるね。
 もし神様がいるなら一言くらい文句を言っても罰は当たらないんじゃないか?
 まぁ宗教に無縁な俺が語っても説得力が微塵もないわけだが。
 俺がもし真剣に進学を考えるならそんな暇はないと断言してもいい。
 頭のいい人間の考えることはよくわからん。
「それよりキミはそれなりの付き合いと言ったが、僕とキミとの一年間の思い出に関してどう認識してるんだい?
少なくとも僕にはそれ相応にキミとの思い出を育んだつもりだがね。」
 そう言いつつ少し皮肉交じりに微笑しながら、俺をからかうような目線を送っている。
 それ相応の付き合いか。まぁ佐々木とは塾の行き来を1年ほど続けていたとはいえ、
 他はクラスでの会話などありふれた内容が多くて特別何かあったわけでもないんだよな、俺が覚えている限りでは。
 いつもなら他になにかあったかと思い出そうとするんだが生憎今はそんな場合ではない。
 だがお前は紛れもなく中学校時代親しくした友人の一人には違いないさ。
 そんなことを考えていると突然、あからさまに不機嫌な声色で会話に混じってきた。


354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/06/01(金) 22:32:27 ID:y1KnvWSI
「やっとお出ましか。全く無意味な時間をすごしていたようでならないな。」
 声だけではなくうんざりとした表情で藤原は言った。あまりの不快感からか唇まで大きく歪んでいる。
 ただでさえ普段から無愛想なくせにこうなると更に忌々しい。
 というか俺は別にお前について来いと頼んだわけじゃないんだぜ?
 お前のその顔を見ているとただでさえ気分が悪いのに更に悪化する。
「あんたに言われるまでもなくついていくつもりはさらさらなかったがこれも指令なんでな。」
 女子生徒の待ち伏せまで指令に入ってるとはご苦労なことだ。
 未来でアイドルやら有名人やらになると決まっている女子生徒の情報を確保し金儲けでもするつもりなんだろうか。
 もしそうならストーカーとして逮捕されちまえばいい。
「―――退屈」
 そう一言ぽつんと九曜が言った。量の多い髪は強い風が吹いても少しもゆれることはない。
 初対面のときから慣れたとはいえ、無機質な顔にガラス玉のような黒い瞳は未だに少し不気味だ。
 以前九曜本人から聞いた話によるとはここの時間の流れは元々いた場所よりかなり遅いらしい。
 そのせいかいつもぼーっとしてたり眠そうに過ごしている。正直何を考えてるのかほとんどわからん。
 まさか宇宙人ってのはこんな変なやつばっかりなんじゃないだろうな。こんなのはこいつだけと信じたいもんだ。
「何ぶつぶつ言ってるんですか?だんだん近づいてきてるんですからお静かに。」
 すこし怒気を含みながら橘が話を戻した。俺だって好きでこんなぶつぶつ言ってるわけじゃねぇよ。
「佐々木さんの…いや、世界を元に戻す第一歩なんですからしっかりしてください。」
「俺はまだ一言も協力するとは言ってないぞ。」
 いつの間にそんな展開になっているんだ?
 俺は佐々木の誘いがなければこんな馬鹿なことに付き合うつもりすらなかったのだが。


355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/06/01(金) 22:34:04 ID:y1KnvWSI
 俺たちのそんな思惑を知ってか知らずか女子生徒は足早に俺達の方に向かっていた。
 遠くから見る限り普通の女子生徒にしか見えないのだが、橘の説明どおりならとんでもない存在だ。
 だがこの頃の俺はまだ橘の言うことはほとんど信用していなかった。
 まぁ同時に自分の運命が変わり始めていることにも気づくことができなかったわけだが…。
 
 桜の花はとっくに散り早くも夏の陽気を垣間見る5月の終わりの午後、
 日が傾き始め俺達を赤く染め始めた頃のことである。俺達ははある人物を待ち伏せていた。
 その人物とは…
「あれが涼宮ハルヒさん。佐々木さんの力の所有者よ。」


―――多分、というか絶対と言い切ってもいい状況だと思う。
今この前置きだけではなぜこうなったのか…なんてのはほとんど分からないんじゃないだろうか。
説明口調は橘や藤原のほうが得意だし俺としてもこいつらに任せたいのだが俺が話し手である以上語らなくてはならないようだ。
元々不向きなのは重々承知してるさ、だから多くは望まないで聞いて欲しい。


356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/06/01(金) 22:34:55 ID:y1KnvWSI
 話は一ヶ月半ほど前に遡る。桜はまるで始めたばかりのジグソーパズルのように木に花がついているだけでかなり散り始めており、
 路面やそのあたりあちこちに桜の花びらがそよ風で舞う季節。
 希望と不安に満ちた高校生活やあのハイキングコースのような通学路にもそろそろ慣れ始めた頃である。
 北高には俺の興味をそそるような部活はこれといってなかったし、寝ている時に耳からコーラを注がれるような出来事もまったくあるはずもなく俺は漫然と過ごしていた。
 この日の朝も目覚ましと我が妹の二段構えで叩き起こされ、母親にもっと早く起きなさいと聞きなれた文句を聞きつつ朝食を食べ学校の支度をしていた。
「キョーンくん。早く学校行かないとおくれちゃうよー」
 朝聞くにしてはちょっとした騒音にもなりかねない声で呼ぶ妹とともに俺は家を出ると、
 そこにはいつものように如何にも待ってたというわけではなくゆったりと立ち尽くす佐々木がいた。
「おはよー佐々木さん」
「よぉ佐々木」
 春に似つかわしい元気な声と倦怠感溢れる冴えない声で挨拶された佐々木は控えめな笑顔を返していた。
「やぁキョン、そして妹さんおはよう。今日はちょっとしたジョギングになりそうだね。少し肌寒いから体が暖まってちょうどいいかもしれない。」
 いつも悪いな、俺がもう5分早く出ればこんなことにはならなかったろうに。
 しかし朝の貴重な時間の5分という睡眠時間は何事にも変えられないのはお前も分かってくれるよな。
「じゃあ僕が余分に待った5分は貴重な朝の時間に入らないのかい?時は金なりというじゃないか。」
 まことに正論だ。余計な言い訳はこいつには通じないどころか反撃を食らってしまうのをすっかり忘れていた。
「すまん、気をつける。」
 この一言を予想していたかのようにくっくっと佐々木は笑った。
「そういう素直なところはキミの長所だね。僕としても言葉を送った甲斐があるというものだよ。」


505 :もし佐々木団+キョンが北高生でSOS団が光陽園学生ならの:2007/06/02(土) 23:40:16 ID:sZvppAwM
 それからどたどたと転んだら怪我をするくらい元気よく走り去る妹を見送った後、俺達は足早に学校へと向かった。
 佐々木は肌寒いと言っていたが昨日と同じく天気は晴れており雨など降る気配は全くなさそうだった。
 更に運良く信号につかまらなかったため、早歩き程度で済みそうなのも俺にとってはささやかだが喜ばしいことだ。
 とはいってもいつものように佐々木の小難しい話を聞いたりする時間の余裕はほとんどなく、
 俺達は交わす言葉少なめに学校に辿り着きいつもの教室いつもの席についた。
 ちなみに俺の席は教室の一番奥、窓際の一番後ろで佐々木がその前だ。
 机に漬物石のように重かった鞄の中身を入れ終えたとところで俺は目線を前にあわせると佐々木が振り返ってこちらを見ていた。
「ふぅ、肌寒いとはいえ急いであの通学路を通るとやはり暑いね。
 今日はキミに僕が読んだ本の中でよかったものを話したいと思ってたんだが残念ながらそんな時間はなかったようだ。
 これはまた明日の楽しみに取っておくことにするよ。」
 俺はここ最近本など読んだ記憶がないぞ。折角の話も馬の耳に念仏を唱えるようになると思うんだがな。
 そんな俺の考えを読み取っているのかいないのか佐々木は表情は目を細め悪戯っぽく微笑んでいる。
 顔色は暑いといってたためか薄い桜の花のような色をしていた。
「ずいぶん暑そうだな。大丈夫なのか。」
「生物学的にみてキミと僕の性別は違う。男性であるキミのペースは女性である僕にとっては少し厳しいものだったらしい。
 世間一般的に見てもほとんどの女性は男性より体力面で劣ってしまうから、僕がこのような状態になるのも不本意ながら仕方ないのさ。」
 俺でもかなり疲れる通学路だからな。軽く体育の授業の1限くらいには匹敵する道程だ。
 運動神経が悪くはないとはいえ佐々木には結構堪えたらしく俺の胸に罪悪感が芽生え始めた。
「朝から結構な運動につき合わせて悪かったな。後で飲み物でも奢らせてもらえないか。」
「中々気が利くじゃないか、キョン。別に通学路ひとつで大層なことじゃないから気にしなくてもいい、
 と言いたい所だがキミのその仏心を無駄にしないためにもひとつ僕に飲み物を買ってもらうことにしよう。」
 そういいながら佐々木は俯いて笑いを堪えていた。


507 :もし佐々木団+キョンが北高生でSOS団が光陽園学生なら:2007/06/02(土) 23:47:59 ID:sZvppAwM
 その後朝のホームルーム、担任岡部のいつもの挨拶を聞きその日の授業が始まった。
 俺はというと春の陽気に誘われ睡魔と戦ったりグラウンドで賑やかなんだかだるそうにしているのか微妙な体育の授業を受ける生徒を眺めたりと、
 要するに授業なんざ筒抜けで聞いていたわけだ。そんな感じで過ごしていればあっという間に昼休みになるわけで。
 さっきまでの教室の空気がまるで鳩の群れに人が走りこんだように消え活気付いている。皆思い思いの席で飯を食うものもいれば食堂に行くやつもいる。
 俺は今日も変わり映えしないメンバー谷口と国木田と飯を食う予定だったのだが…
「キョン、今朝の約束を果たしてもらおうか。」
 佐々木がこんなことを言い出してきた。
「別に俺は構いやしないが何も今じゃなくていいだろう。俺が飯を食う時間がなくなっちまう。」
 まぁ急いで食べればそんなこともないだろうが。
 だが学校の中でも放課後の次くらいに貴重な時間をカラスの行水のようにただ飯を食うだけで済ませてしまうような過ごし方はできればしたくはない。
「じゃあその問題が解決すればいいんだね?簡単じゃないか、食堂に食事を持ってきて僕とキミと一緒に食べれば済む話さ。
幸い僕は今日は食堂で食べる予定だったし、お昼で食堂が混みあってるとはいえ一席くらい拝借しても大丈夫だろう。」
 いきなり何を言い出すんだこいつは。普段一緒に食う奴がいるだろう。
 そいつらを放って俺と食うなんてそんなに飲み物が欲しいのだろうか。
 まぁ飯に飲み物はかもとねぎくらい相性のよいものだし必要といえば必要だが。
「普段一緒に食ってる奴に悪いんじゃないか?飲み物なら帰りにでも奢ってやるし今欲しいなら金だけでも渡しておいてもいい。
だからいつもの奴らと食っておいたほうがいいぞ。」
 そう言って俺は小銭を出そうと財布の中を確認している途中佐々木はこう言った。
「ちょっと聞いて欲しいことがあってね、是非キミの意見を伺いたいのさ。実を言うと飲み物よりもこっちが本題なんだ。
放課後の帰り道春の夕暮れや、通学路の遅咲きの桜を楽しみながら話しても良いんだが出来れば早急に対処したい。」
その言葉に反応した俺は顔を上げた。佐々木の顔は少し笑みが残っているものの普段とは違いすこし神妙な雰囲気が漂っており、
どうもそれなりに真剣な話になりそうな気配を醸し出していた。友人と呼べる奴の頼みは俺としてはできるだけ協力をしてやりたい、
それが身の回りに近い奴や世話になってる奴なら尚更だ。
「わかったよ、じゃあ行くか。」
そういうと佐々木は控えめに微笑み俺の顔を何やら興味深くみていた。
「助かるよ。ありがとう、キョン」