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「お肉!」と喜ぶ母子と非正規21万人減 見えない貧困急増

2021-10-17 15:30:00 | 日記

下記の記事は日経ビジネスオンラインからの借用(コピー)です。

 「会社からはちょっとでも体調が悪いときは、絶対に休めって言われてるんだけど、休んだら給料減るわけだから。なかなか難しいですよね」
 先日、タクシーで“事故現場”をたまたま通った際、運転手さんがこう嘆いた。
 そこは東京都千代田区九段南。走行中のタクシーが自転車や歩行者をはね、73歳の女性が亡くなるという痛ましい事故が起きた場所だ。運転手の男性は64歳。捜査関係者によると、運転中にくも膜下出血を起こしたとされている。
「コロナ前」の生活に戻れる?
 男性が所属する東京旅客個人タクシー協会によれば、男性は乗務歴25年のベテランで、年2回の健康診断を必ず受け、今年7月の健診でも異常はなかった。事故が起きたのは普段は休んでいた土曜日で、「コロナ禍で客が減り、休日返上で仕事に出ていたのではないか」という。
 高齢化、低賃金、新型コロナウイルス感染拡大による追い打ち、そして生活苦……、そんな厳しい状況下で起きた事故に対し、冒頭の運転手さんは、「事故は絶対に起こしちゃいけないし、健康管理は徹底しなきゃです。でもね、ちょっと頭が痛い、ちょっと具合が悪い、ちょっと倦怠(けんたい)感があるからって休んでたら生活できないですわ」と、嘆いていたのである。
 で、その日は帰りのタクシーの運転手さんとも、“厳しい話題”になった。
 「今は週2回、たった2回しか乗務させてもらえない。そりゃあ、厳しいですよ。もともともらってる金が少ないのに、勤務がたったの週2ですからね。しかも、人が外に出て来ないことには、商売にならない。どうにもならんですわ。
 若い奴らはトラックのほうが稼げるって、辞めていったけどね。60過ぎたらそれもできません。組合は副業を認めろって交渉してるけど、国から健康管理をうるさく言われてるから、会社は許しませんよ。この年になって、こんなに生活が苦しくなるなんて、考えてもみなかった。情けないねぇ」
 運転手さんは笑って話してくれたけど、“あきらめ感”みたいなものが漂っていて。なんと返していいのか正直分からなかった。気の効いた言葉が浮かばないのだ。コロナ感染拡大が深刻化した当初から、「格差は広がる」と考えていたけど、コロナの影響は想像以上に長引いている。これだけ長くなると、「元に戻る」ということが、どういう状況なのかも想像もできない。
 2020年11月に、渋谷区のバス停で野宿をしていた60代の女性が、40代の男に殺された事件を覚えているだろうか。女性は長年試食販売員として普通に生活していたのに、コロナで収入が途絶え、貯金も底をつき、家賃が払えなくなった。人目を避けるように、ひっそりとバス停のベンチで夜を明かしている中での事件だった。

 炊き出しの列にごくごく普通の服装をしている人が並び、普通に生活できていた人が、「ああ、自分は低い立場の人間だったのか」とショックを受けている。生活費をバイトで賄っていた学生は収入が途絶え、「こうやってしょうゆ漬けにすると、長持ちするので」と生えていた野草を食材にしている(資料)。
 コロナ以前は、私たちと同じ日常の中にいた“隣人”たちの生活が激変しているのだ。
上級と下級では勝負にならない
 厚生労働省によれば、新型コロナウイルス感染症に起因する解雇等見込み労働者数は、21年7月9日時点で11万人を超え、11万326人。うち非正規雇用者は5万1167人。非正規だけでなく正規雇用(正社員)の人たちもコロナ失業している。また、日経新聞によれば(9月26日朝刊1面)、2020年度で約21万人の非正規雇用者、1万人強の正規雇用者が、上場企業から“消えている”とのことなので、実際には公表される数以上の人たちが仕事を失っていると考えられる。
 そして、今後はさらに仕事を失う人が量産される可能性が極めて高い。
 労働政策研究所の調査によると、21年5月の企業の売上額を「コロナ前」の2019年5月と比べた場合、52.1%の企業が「減少した」と答えたのに対し、約2割に当たる18.3%の企業が「上回っている」と回答。また、21年5月時点の売上額の水準が今後も継続する場合、「現状の雇用を維持できる期間」については、18.8%の企業が「1カ月~半年以内」、12.9%の企業が「1年以内」と回答。3分の1弱(31.7%)の企業で1年以内が雇用維持のリミットと考えていることが分かった。
 一方、4割の企業が「雇用削減の必要はない」とした。ただし、既に雇用削減をした企業もあるので、正確には「これ以上の削減の必要はない」と解釈できるであろう(資料)。
 つまり、22年のゴールデンウイークまでに「コロナ前」の状態に戻れないと、大量の人員削減が行われる可能性が極めて高い。個人的にリサーチした結果でも、飲食業や宿泊業、小売店の経営者の中には「借金が増えるだけ。これ以上、モチベーションが持たない」と嘆く人が多かった。
 「勝ち組負け組って言っていた時代は、まだよかった。今は上級と下級で勝負にならない」
 「ぜいたくもせず、真面目に生きていたんですけど、世間からは努力が足りないっていわれるのかね」
 ……ギリギリの生活でなんとか耐えている人たちからは、冒頭の運転手さんたち同様、あきらめ感が漂い、
 「コロナで家庭訪問もできなくなってしまいました。私が勤めている学区は、あまり経済的に豊かじゃない地域なので……」
 と子どもの生活を心配する小学校の先生もいた。
 街ですれ違うだけでは分からない「格差」が固定化しているのだ。
 テレビの街頭インタビューで「外出できないからお金がたまった」「外食ができないので、家飲みです」とカメラに笑いかける人たちがいる一方で、そのカメラが決して捉えることのない人たちがいる。
年収中央値は370万
 貧困は目に見えない。「目に見えない貧困」に拍車がかかっている。街ですれ違う人、電車で乗り合わせた人、コンビニのレジに一緒に並んでいる人の中にも、不安を通り越して恐怖に押し潰されそうになっている人たちがいる。
 日本には何年も前から「貧困」問題が存在していたのに、「貧困」という2文字を、いったいどれだけの人が「自分たちの問題」として考えてきただろうか。多くの人たちが“肌”で感じている通り、「富裕層」(純金融資産保有額が1億円以上5億円未満)、「超富裕層」(同5億円以上)の割合は、「アベノミクス」が始まった後の2013年以降、一貫して増え続けている(資料)。
 経済協力開発機構(OECD)の分析によると、2000年を100とした場合、主要7カ国(G7)で日本だけがマイナス、すなわち2000年の賃金水準を下回っている。なのに、日本の超富裕層(純資産5000万米ドル超)は世界最大の伸び率を記録したのだ(クレディ・スイス「2016年度グローバル・ウェルス・リポート」)。
 令和元年分の国税庁「民間給与実態統計調査」によれば、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は436万円(前年比1.0%減)、男性540万円、女性296万円。
 正規・非正規別では、正規503万円に対し、非正規はたったの175万円だ。
 給与階級別分布を見ると、最も多いのが「300万円超400万円以下」(17.0%)。次いで「200万円超300万円以下」(14.9%)。
 また、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(令和元年)を基に年収中央値を算出すると、370万円程度。たったの「370万円」だ。平均だと高い人に引っ張られてしまうので、こちらのほうがよりリアルな実態を捉えている。
 静岡県立大学短期大学部の中澤秀一准教授の試算によれば、「最低賃金は全国一律で1500円は最低限必要」とされている。モデルにしたのは、単身で健康な20代男性で、住む場所は、都内ではなく地方。車を持つ場合は、7年落ちの軽自動車を中古で購入し、6年以上使う。しかも1500円では、家庭を持ったり親の介護を補助したりする金銭的な余裕はないとした。
 時給1500円で1日8時間労働、月20日勤務した場合、年収は288万円。
 現在の年収の中央値は「370万円」――。貯金などできるわけがない。
 日本は……本当に貧しい国に成り下がってしまったのだなあと、つくづく思う。
 「私」たちはずっと譲歩し続けてきた。ずっとずっと譲歩し続けてきた。
 ある程度は、仕方がない部分もあったかもしれない。
親の貧困は子どもの貧困
 しかし、本来、働くという行為は、人の尊厳を守るための行為だ。人は生きるために働いている。働くことは人生を豊かにする最良の手段だ。なのに、今の働き方に「尊厳」はない。働くことへの「報い」が、あまりにも、あまりにも、本当に、あまりにもひど過ぎる。
 “落ちる”リスクばかりが高まり、“抜け出す”機会が、ほぼ、ない。
 ごく一部の人たち以外は、細い綱の上を歩かされていて、風が吹くだけでぐらつき、突風が吹けば振り落とされる不安を抱えながら生きている。「落ちたら、ためらわずに相談してね!」と張られたセーフティーネットは隙間だらけで、一度落ちたら足を引っ張り上げる余力はない。
 「日本には貧しさなんてない」などとのたまう人がいるけど、日本の貧困層は働けど働けど楽にならない「ワーキングプア」が9割を占める。これは世界的に見ても極めて珍しい現象で、低賃金問題を“放置”してきたこと意味している。
 大学院を出ても稼げない「高学歴ワーキングプア」、年金が少な過ぎて80歳を過ぎても働かざるを得ない「高齢者ワーキングプア」などのワーキングプア世帯は推計247万世帯(2017年)で、「北海道の全世帯数に相当する」との試算もあるほどだ(「中高年ワーキングプアの現状と課題 ─キャリアアップ・就労支援制度に新しい視点を─」)。リーマン・ショックが起きた2008年の年末に、東京・日比谷公園に開設された年越し派遣村は、「貧困を見える化」し、多くの人たちが「ワーキングプア」という存在に注目したのだけど、もはやワーキングプアは少数派ではない。
 そして、忘れてならないのは、親の貧困問題は、すなわち「子どもの貧困」問題であるってこと。
 くしくも、自民党の総裁選で「こども庁」の設立が議論されているけど、「子どもの自殺、虐待死そして子どもの貧困ゼロ」を目指すには、親の貧困問題に手を付けなくては根本的な解決にはならない。
 子どもの自殺問題になると「いじめ」ばかりが注目されるけど、文部科学省が2011年から14年までに自殺した国公私立の小中高校、特別支援学校の児童生徒約500人について実態を調査したところ、「経済的困難」で将来を悲観した自殺が5%程度で、「いじめ」の2%を上回っていたのだ(資料)。
「家ではお魚やお肉を食べられない」
 「努力すればなんとかなる」「自分で稼ぐ方法を考えて、努力する時代なんだよ」と自己責任論に終始する人たちは「努力する能力はすべての人に宿っている」ことを前提にするけど、努力する能力でさえ経済的要因に左右される。「『子どもは親を選べない』親のカネがコロナ格差広げる理不尽」に書いた通り、だ。
 経済、経済、経済って、大人たちは皆、言う。
 しかし、その「経済」は、果たして人を幸せにしているのだろうか。
 貧困問題で、いつも思い出すのは経済学者の下村治さんの言葉だ。
 「本当の意味での国民経済とは何であろうか。それは、日本でいうと、この日本列島で生活している1億2000万人が、どうやって食べどうやって生きていくかという問題である。(中略)その1億2000万人が、どうやって雇用を確保し、所得水準を上げ、生活の安定を享受するか、これが国民経済である」(『日本は悪くない―悪いのはアメリカだ』より抜粋)――。
 結局、働くこと、それにどう報いるのか? ということが、国民経済であり、その国の本質的な「人」への考え方、価値観を物語っている。
 子ども食堂に来た子どもが、「家では魚やお肉をたべられないので、たべられてうれしかったです」「お肉やお魚をお母さんも食べてうれしそうだった」といった感想を書く社会って、いったいどこの国なんだ。
 非正規雇用のあり方、世界最低の最低賃金の議論、さらには、ベーシックインカム。議論すべきことは山ほどある。これまでその都度、何度も書いてきた通りだ。
 日本は「何で食っていく国」を目指すのか? ふわふわしたものじゃなく、具体的に議論してほしい。
河合 薫
健康社会学者(Ph.D.)


孤独死した30代女性の部屋に見た痛ましい現実

2021-10-17 13:30:00 | 日記

下記の記事は東洋経済オンラインからの借用(コピー)です。

男8割、女2割、現役世代も多い切実な問題だ
数は少ないがとくに痛ましいケースが多い
ある30代の女性の孤独死
わが国では、年間約3万人が孤独死している。そこで浮かび上がるのは、人生でつまずき、崩れ落ちてしまった人々の姿だ。男性に比べて数は少ないが、女性の孤独死はとくに痛ましいケースが多い。
若年層女性の孤独死現場の特徴について、特殊清掃業である武蔵シンクタンクの塩田氏はこう語る。
「孤独死した女性の部屋には、使わないままホコリがかぶっている化粧品があることが多いんです。何らかのつまずきをきっかけに、家に引きこもってしまい、人に会う機会がなくなり、人を家に招き入れないから部屋が汚くなる。ゴミをため込むので、片付ける気力や動機付けが、なくなってしまうんです。それでセルフネグレクトに陥ってしまう」
セルフネグレクトとは、自己放任という意味で、ゴミ屋敷や、医療の拒否、過度な不摂生など、自らを追い込むことから“緩やかな自殺”とも呼ばれている。
このセルフネグレクトが孤独死の8割を占めている。
ある30代の女性は、2LDKの分譲マンションの一室で孤独死。遺体が見つかったのは、死後3カ月だった。
塩田氏が、居間に入ると、棚の上に数多くの陸上競技大会でもらった、トロフィーや表彰状が飾られていた。かつて、女性は陸上競技の選手だったらしい。
リビングの棚には、大会で華々しくゴールした瞬間のゼッケンをつけた写真が飾ってあり、そこには爽やかな表情で汗を流す女性の姿があった。
女性は20代で職場結婚して一人娘を出産。しかし、その後アルコール依存症が原因で、離婚。娘の親権は夫に渡ってしまったらしい。離婚後は、貯金を切り崩しながら、家に引きこもるようになる。床にはウイスキーの空き瓶が無造作に投げ捨てられており、亡くなる寸前まで女性がお酒を手放さなかったということがうかがえた。
塩田氏が遺品整理をしていると、禁酒に関する本やカウンセリングの資料などが部屋の片隅でホコリをかぶっていた。女性はなんとか、アルコール依存症から立ち直ろうと1人で葛藤していたのだ。
女性が亡くなっていた場所は、トイレだった。便器と床のタイルには、大量吐血した生々しい痕跡があり、バケツをひっくり返したような、塩田氏も驚くほどの量だった。
その血痕は、トイレから冷蔵庫までつながっていて、苦しくてのたうち回り、玄関まで助けを求めようとしたのだろうと、塩田氏はすぐに察知した。
「ご遺族である弟さんにお話をお聞きすると、故人様は、離婚後、子供と離れ離れに暮らしていた寂しさから、さらにアルコールに溺れるようになったみたいなんです。弟さんも、故人様と喧嘩してからずっと疎遠になっていたようで、誰も頼る人はいなかったみたいです。
僕も一度、離婚しているので、子供となかなか会えない辛さは、人ごとではないんですよ。故人様の過去の切なさと寂しさを思うと、胸が締めつけられました。故人様のケースだと、もし家族が同居していたり、頻繁に訪ねてくる人がいれば、病院に搬送されて、一命を取り止められたかもしれないと思いますね」
部屋の机には、多くの薬が置かれてあり、診断書には、「肝硬変」と書かれてあった。
棚の片隅には、母の日に娘からもらったと思われる似顔絵や、遊園地で娘と2人で写っている写真が、飾られてあった。離れ離れになってしまった子供へ抱き続けていた女性の愛情を感じて、塩田氏は思わず涙してしまったのだという。
孤独死する人には、離婚後の男性が多い。しかし、女性も、離婚や恋愛などでダメージを受けて、ゴミ屋敷化したり不摂生になったり、セルフネグレクトへ陥ってしまうケースが後を絶たない。離婚後、誰も支える人がいなくなり、孤立を深めた女性の大きな精神的ダメージは計り知れず、なんとも切なくて胸が苦しくなる。
4割を占める現役世代の孤独死
この女性のような現役世代の孤独死は決して珍しいことではない。
日本少額短期保険協会・孤独死対策委員会は、今年の5月17日に最新の孤独死レポートを発表した。
それによると、孤独死者の平均年齢は61歳で、さらに高齢者に満たない年齢での孤独死の割合は、5割を超え、20~50代は4割弱を占める。孤独死は現役世代の問題だという重い事実を示すものだ。男女比は、8対2。つまり、男性のほうが、圧倒的に多い。
孤独死者の第一発見者は、最も多いのが不動産管理会社、オーナーである。家賃の支払いが滞ったり、郵便物が溜まっていることに気づき、孤独死の発見につながる。また、近隣住民からの異臭や郵便物の滞留により、発覚するケースもあるらしい。
また、このレポートが極めて深刻な現実を突きつけているのは、近親者が本人を心配して孤独死を発見しているのではなく、職業上の関係者をはじめとする近親者以外の者が発見していることが多数を占めると指摘していることだろう。
つまり、故人が生前から親族や他者とのつながりが希薄で孤立し、たとえ亡くなったとしても、その臭いでしか遺体が発見されないというなんとも痛ましい現実が浮き彫りになる。
現役世代が離婚やパワハラなどでつまずくと、誰にも気づかれずに、そして誰からも手を差し伸べられることなく孤立し、健康状態の悪化などによって、ひっそりと命を閉じていく。
その実感は、昨年の夏から、実際に私が特殊清掃の業者とともに、孤独死現場に入り取材を重ねた内容と一致する。ふとした人生でのつまずきが、一気に本人を孤立へと追い込み、社会から隔絶したまま、孤立、孤独死してしまう。それは、私自身も含めて、誰の身にも起こりうることだ。
さらにこのレポートでは、孤独死が増える季節を割り出している。
1月、7月、8月が最も多く孤独死が発生するのだという。孤独死は、暑さと相関関係がある。
事実、梅雨明けから9月まで、特殊清掃業者はひっきりなしに稼働している。朝から夜まで夜通しで、働き続ける。
孤独死を3日以内に発見するのは4割
セルフネグレクトに陥った人の家はゴミやモノ屋敷などが多く、夏場はゴミも凄まじい熱を持つ。さらにエアコンをつけていなかったり、そもそもエアコンがなかったりなどで、熱を持ったゴミの中で、若くして息絶えてしまう。夏場は遺体の腐敗の進行が速いので、周囲が異様な臭いを察知し、警察や管理会社に通報し、遺体が見つかるのだ。
注目すべきなのは、孤独死の発見までの日数が17日とあまりに長いということだ。なんと、3日以内の発見はわずか4割にとどまっている。これは故人が生前、親族や友人などとつながりがなかったということを示している。さらに30日以上経過して発見される割合は、全体で14.3%にも上る。
実は、半年以上も遺体が発見されないという孤独死は、珍しいものではない。
私の取材では、30代の男性の遺体が3年間放置されていたというケースがあった。現役世代のため、地域の見守りもなく、本人が周囲から完全に孤立。さらに賃貸住宅でご近所付き合いもなく、部屋は離れ小島と化しており、家賃は口座から自動引き落としだったため、誰も異常に気づく者はおらず、長年発見されることがなかった。
遺体の腐敗は、蛆→蠅→蛹というループを何度も繰り返す。しかし、さすがにここまで経過してしまうと、遺体はミイラ化し、臭いそのものも減少し、発見することがさらに困難になる。
ある特殊清掃業者はこの現状について、「孤独死した人の部屋は、ゴミ屋敷だったり、まるで、そのお部屋だけが世間と隔絶されたりしたかのように、別世界になっている。周囲では、日常生活が営まれているのに、その人だけ存在しないかのような扱い。
でも、本人も生前は精神的にも肉体的にもおそらく、苦しんでいたという痕跡が見てとれるケースがほとんど。孤独死現場に携わるたびに、胸が張り裂けそうになる。孤独死対策においては、高齢者ではなく、現役世代こそが、最も目を向けるべき層だ」とため息を吐いた。
『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
私の調査によると、わが国では1000万人が孤立状態にあり、団塊ジュニア、ゆとり世代が、実は最も孤立しているという世代でもある。
今後孤独死は、東京・練馬で起こった元農林水産事務次官の父親による長男刺殺事件で、注目を集めることになった「8050問題」(中高年の引きこもりを高齢の親が養っている状態)や、孤独死予備軍ともいえるロスジェネ世代の孤立の問題とも深くリンクしてくるだろう。
いまだ手つかずのままになっている現役世代の孤独死――。国などの行政機関がその実態把握に乗り出すのはもちろんのこと、社会の構成員である私たち、1人ひとりが、もっと目を向けていくことを切に願う。
菅野 久美子 : ノンフィクション作家


眞子さま結婚で皇位継承さらに先細り…「旧宮家の復活」「愛子さまとの養子縁組」って何だ?

2021-10-17 11:00:00 | 日記
下記の記事は日刊ゲンダイデジタルからの借用(コピー)です。


 眞子さまと小室さんの結婚が確定したことで、やがて眞子さまは皇室典範に基づいて皇籍を離脱して一般人になる。これで日本の皇族は17人になるが、このうち未婚の男女は6人で、男子は悠仁さまだけである。内親王と女王で、今年30歳を迎える眞子さまより若い方は2人。その中の1人である妹の佳子さまも、いずれ結婚して皇室を出ていくだろうといわれている。そうなると、将来の天皇を約束されている悠仁さまを除けば、愛子さま1人となる。さすがにこれではまずいだろうと思うのは当然だ。

 このままでは天皇家の皇位継承問題は先細りになっていくのは確実だ。皇室の活動は天皇だけでできるものではないから、皇室行事の運営にも支障が出てくる。しかし、岸田文雄総理は共同会見でも「女系天皇に反対」を表明していたし、天皇は「男系男子」に限ると主張してきた安倍元首相と一緒に女系天皇に反対する高市早苗を政調会長に起用した以上、岸田政権で女系天皇が実現することはほぼなくなったといえる。

 前の菅内閣のときには、有識者会議が皇族数を確保するために、女性皇族が結婚後も皇室に残ることと、旧宮家の男系男子を皇籍に復帰させて皇族と養子縁組させる案が検討された。岸田内閣でも継続して検討していくというが、ポイントは「旧宮家の復活」ということで、テレビなどでも盛んに取り上げるようになった。

 元宮家といっても祖父母の代のことであって、皇族との養子縁組の対象となる男性は、生まれたときから一般人である。それを皇族にするというのだから制度改正が必要だが、仮に2年後に実現したとして、女王の三笠宮彬子さまは42歳、瑶子さまは40歳、高円宮承子さまが37歳。もし佳子さまが皇籍を離れていたら、養子縁組の中核が愛子さまになるのは確実だろう。結婚相手に誰を選ぶかという極めてプライベートな議案なのに、肝心の皇族がカヤの外というのも恐ろしい話である。どうも政治家は皇族に対する人権は考慮しないらしい。

■旧宮家の子孫の多くはサラリーマンに

 ところで、旧宮家ってなんだろう? 日本の敗戦から消えて75年。ほとんど死語になってしまったが、どういう人たちだったのだろうか。

 宮家の数は時代によっても変わるが、終戦時には14宮家があった。秩父宮、高松宮、三笠宮ら昭和天皇の皇弟にあたる直宮家と、天皇家の直系ではない11宮家である。11宮家とは、①伏見宮、②朝香宮、③北白川宮、④東久邇宮、⑤梨本宮、⑥閑院宮、⑦竹田宮、⑧久邇宮、⑨山階宮、⑩賀陽宮、⑪東伏見宮のことだ。

 ほとんど明治になってからできた宮家だが、敗戦後の日本を統治したGHQは、3つの直宮家を残し、11宮家は特権を剥奪、皇籍離脱を迫られた。天皇の権力を削ぐためである。簡単に言うと、一時金を交付して皇籍離脱させ、そこへ財産税をかけて大半の資産を没収したのだ。例えば敗戦後の伏見宮家の財産は790万円だった。現在のお金で推定40億円ほど。いかにお金持ちだったか分かる。財産税は8割弱だったから、残ったのは180万円。今なら推定9億円になるが、経済的にはかなり苦しかったようだ。それは他の皇族も同じで、彼らは次々と土地を売却していった。それを買ったのが西武グループの創始者・堤康次郎である。

12月1日、20歳になられる愛子さま(代表撮影)
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 戦後、皇籍を離れたあと宮内庁女官長になったり、ブラジルに移民した元皇族もいた。75年経った今、東京五輪招致を巡る贈収賄疑惑で名前の挙がった竹田恒和日本オリンピック委員会元会長は別として、旧宮家の子孫の多くはサラリーマンになっているようだ。

 果たして、内親王や女王のもとへ養子に行く人が現実的にいるのだろうか。

  


メンタル不調時に「食べてはいけない」3つの食材

2021-10-17 08:30:00 | 日記

下記は東洋経済オンラインからの借用(コピー)です

いまリモートワークへの移行が急速に進んでいます。しかし、自粛によるリモートワークがストレスにつながることがあることは、多くのデータで明らかになっています。自身もうつ病に苦しんだ経験をもつ精神科医宮島賢也先生によると、結果として、精神的な不調をきたし、うつ状態を発症するケースも増えています。このようなメンタルヘルスの不調をきたさないためにはどうすればよいのでしょうか。
宮島先生は、かつてうつ病を克服するために、7年間飲み続けた処方薬をやめて、「うつ消し」食を取り入れて、いま元気で活動しています。宮島先生が自らの体験から見出した「メンタルが不調のときに食べてはいけない食材」とは、どういうものでしょうか。その予防策を宮島先生の『薬を使わず自分のうつを治した精神科医の うつが消える食事』からご紹介します。
【食べてはいけない食材1】厚切りステーキ
肉好きなら、鉄板の上でジュウジュウ音を立てた厚切りステーキを食べると、心は満足、脳は快楽を覚えますが、お腹は大変です。大量の消化液とともに大量の酵素が動員され、体はへとへと。「もう動きたくない」「どこかで休もう」そんな経験をしたことがあるかと思います。
実は、食べることは意外に体を疲れさせます。
こんなことを言うと、反論される方もいるかと思います。「いや、逆でしょう?食べることはエネルギーの補強。むしろ食べることで疲れは吹き飛ぶ」と。確かにそうです。私たちの体は食べ物から栄養を摂ることで、活動エネルギーに換えているからです。
しかし、栄養を体に行き渡らせるには、消化吸収が必要です。その前段階として食べ物の分解も必要です。つまり、食べることは、胃腸や肝臓など消化器官に負担をかける行為でもあるのです。食べることは、消化器官からすれば一大イベント。かなりの活動エネルギーを必要とします。だから、食べているときより、食べた後のほうが疲れます。
さらに言えば、いつも満腹に食べてしまうと、それだけ、胃腸や肝臓に負担をかけることになります。だから、もっともっと疲れます。一説によれば、3度の食事は、フルマラソンに匹敵する消費カロリーともいわれます。毎日フルマラソンを走れば、それは疲れると思いませんか。
そして、肉や魚のように高タンパク質、高脂肪の食べ物は、消化に時間を要します。肉や魚は、体には負担をかけやすいのです。さらに、高タンパク質、高脂肪の食品は分子構造が複雑なために分解するのに多大な労力を必要とします。そのため、焼き肉やステーキを大量に食べると、胃袋にまるで鉛が入ったような重さを感じるのです。
逆に、体に負担をかけない食事をすると、体はらくになります。メンタルが不調のときは、何をやるのも億劫になりがちですが、体がらくになると、ちょっと動いたり、考えたりすることが面倒でなくなります。それが、きっとしつこいメンタル不調から抜けるスタートになるでしょう。
【食べてはいけない食材2】コンビニのお惣菜
コンビニエンスストアに行くと、さまざまな食品が販売されています。僕も、よくコンビニで野菜サラダなどを買っていました。しかし、コンビニのお惣菜は手軽な反面、その多くには食品添加物が含まれています。
食品添加物は、食品の腐敗を防ぐには仕方ないのかもしれませんが、摂取すると腸内の悪玉菌を増やしてしまいます。そのため、防腐剤や合成甘味料、発色剤である亜鉛酸ナトリウムを多く使っている食品や総菜は、なるべくなら避けたほうがいいと思います。
コンビニには、スナック菓子、缶詰食品、レトルト食品、栄養ドリンク、アイスクリーム、市販のソースやドレッシング、コンビニ弁当など、防腐剤や食品添加物が多く使われている食品がたくさん並んでいます。
メンタルが不調になると、心と体がスムーズに活動できなくなります。それは、ストレスによって脳の活動を支えている神経伝達物質が減少し、はたらきが悪くなるからだといわれています。
この神経伝達物質と深い結びつきがあるのが、実は、腸です。最近の研究では、腸内細菌が脳の正常な活動に影響を与えることを示す研究結果が報告されています。具体的には、自閉症、ストレスに耐える力、記憶にかかわる神経細胞の増殖に、腸内フローラがかかわっていると報告されています。
でも、腸がなぜ脳に影響を与えるのでしょうか。脳は頭、腸はお腹と離れているのに、なぜ腸が脳に影響を与えるのか、考えてみると不思議な感じがします。さまざまな研究からいえることは、腸は脳と並ぶ「中枢」であるということです。実際、腸には膨大な神経が集まっています。
消化管全体を直接囲んでいる神経細胞の数は、脊髄全体の神経細胞を上回るほど。そのため、最新の研究によれば、腸の神経が乱れれば、脳の神経系にも影響を及ぼす可能性が高くなると考えられているのです。事実、腸内フローラの乱れは、精神面にかかわる神経伝達物質セロトニンの減少を引き起こします。つまり、腸内環境を整えると、腸と関連性が深い脳の動きがよくなります。
心と体がスムーズに動かなくなるのは、ストレスによって神経伝達物質が足りなくなり脳の動きが悪くなるからだといわれています。腸内環境がよくなると脳内の神経伝達物質の分泌がよくなり、脳の活動が活発になるでしょう。
では、腸の乱れをよくするためには、どうすればよいでしょうか。腸は自律神経の支配下にあるため、いくら心の中で「よくなれ」と念じても、応じてくれません。
結論からいえば、腸を元気にするには、腸が喜んでくれる食事を心がけることです。それによって脳の神経伝達物質の分泌がよくなり、メンタルヘルスの改善につながります。腸が喜ぶ食事とは、まず、腸に負担をかけない食事をすることです。小食や断食によって、腸内に残留物がなくなれば、悪玉菌のエサが減るため、腸内フローラが改善します。
さらにもうひとつの方法は、腸が喜んでくれる食べ物を摂ることです。腸内フローラを改善する食べ物を摂れば、腸はイキイキと元気になります。
腸内フローラをよくする食べ物としては、乳酸菌がよく知られています。乳酸菌といえば、発酵食品がその代表格。幸い、日本には古来より数多くの発酵食品があります。納豆、味噌、ぬか漬け、なれ寿司などもあります。しょう油も、酢も、日本酒も発酵食品です。
ですから、味噌汁を飲んでも乳酸菌は摂れます。魚料理にしょう油をかけても乳酸菌は摂ることができます。ぬか漬けには乳酸菌が豊富で、しかも生野菜を発酵させているので、酵素を補給することにもつながります。
【食べてはいけない食材3】白砂糖、白いごはん、白いパン
「砂糖ってそんなに悪いんですか」
「白いごはんや白いパンを食べてはいけないの?」
みなさんは、そう思われるかもしれませんね。確かに、甘いケーキは美味しいですし、僕自身も砂糖をたくさん含んでいる缶コーヒーや清涼飲料水が大好きでした。白いごはんは、いまでも美味しいと思います。
振り返ってみると、うつで苦しんでいたころの僕は、明らかに低血糖症だったと思います。「もしかしたら、自分は低血糖症かもしれないな」と思われる方は、一度、こうした精製糖質の食品を意識的に減らしてみてもよいのではないでしょうか。慣れないうちは、「ああ、甘い物が欲しい」と心が落ち着かないかもしれませんが、次第に馴れてくるものです。そして、慣れるにつれて、「こっちの方が体はらくだな」、そんな実感をともなってくるものです。
心と体の活動が低下してしまうのは、脳の栄養不足が原因ともいわれるようになってきました。脳が活動するには、体がそうであるようにエネルギーが必要です。脳の場合はブドウ糖といわれています。
そのブドウ糖が脳に安定供給されるには、食べ物に含まれるブドウ糖を吸収するシステムが正常に稼働する必要があります。システムに異常が起きると、当然、脳のエネルギーが枯渇し、動きが悪くなります。そのシステム異常とされる病気のひとつが、「低血糖症」です。もしかすると、あなたのメンタルの不調は、低血糖症によって引き起こされているかもしれないということです。
「低血糖症」とは、血糖値が大きく変動する状態をいいます。血糖値の急激な上昇は、体から見れば異常事態。そのため、脳は血糖を下げるホルモン(インシュリン)を大量に分泌させますが、その結果、急激な低血糖が起こります。
血糖値が急激に下がるのも危険なため、また脳が反応して、今度は血糖値を上げるアドレナリンなどのホルモンを分泌します。このアドレナリンなどのホルモンは、血糖値を上げるほかに、動悸やイライラなどをともないやすく、さまざまな不快症状に結びついてしまうのです。
さらにいえば、私たちの体は、食事を摂ってから時間が経ち、血糖値が下がってきても、正常ならばある一定値以下には下がらないように調節されます。しかし低血糖症になると、体の調節機能が乱れ、時間とともに血糖値がどんどん下がるようになります。
こうして「脱力感や疲労感」「ぼんやりする」「クラクラする」「気分がすぐれない」「ユウウツになる」「不安感が離れない」といった症状が出てきます。みなさんも心当たりがあるのでないでしょうか。
「メスの要らない外科手術」
ここで、メンタルの不調を改善する、とっておきの方法を紹介しましょう。「断食」です。「それこそ無理、無理」と思われるかもしれませんが、断食はとてもシンプル。面倒なことも一切ありません。また、お金もかからないため経済的です。しかも、断食は、「メスの要らない外科手術」と言われるくらい、体の調子を整えてくれます。
通常、断食とは、本来少なくとも3日以上の断食を行う「本断食」を言いますが、僕がおすすめするのは、もっと簡単な断食法。俗に「半断食」「プチ断食」と呼ばれる短い時間の断食です。これなら家庭や個人で行うことができます。
半断食は18時間以上食べない時間をつくる断食、プチ断食は3日かけて行う断食になります。3日かけるといっても1日目は「断食の前準備」、2日目「断食本番」、3日目「断食からの回復」の流れで、2日目の断食本番日でも野菜ジュースなどの液体は摂ってよいのがプチ断食。まったく栄養を摂らないわけではありません。
それでは、簡単に半断食の説明をしましょう。半断食とは、その名の通り、半日食事をしない断食法です。具体的に食事をしない時間は18時間ほど。なぜ18時間食事をしないかというと、私たちの体は摂取した食べ物を消化、吸収してから排泄するまで約18時間かかるからです。
つまり、前日の午後6時に食事をしたとして、その食事が便として排泄されるのは翌日の正午。半断食はこの生理サイクルを滞りなく進めるプログラムなのです。もっとわかりやすく言えば、一度食事をしたら、後は胃腸を邪魔せず胃腸の働きにまかせて、しっかりウンチを出してもらう、そのためのプログラムと言っていいでしょう。
半断食では、断食の18時間を設けるために朝食を抜くのが最も簡単で、オーソドックスな方法です。たとえば、翌日の正午に食事をするとしたら、そこから逆算して食事を抜き、その日の午後6時以降は食事を摂らないようにします。食事を抜くといっても、まったく何も摂らないわけではありません。水はたっぷり飲んでください。水の替わりにお湯を飲んでもかまいません。
水をしっかり摂ることは、細胞の代謝力を落とすことなく、排泄効率を高める一つのテクニックになります。「お湯がいいなら、お茶は? ジュースは?」と抜け道を探したくなるものですが、半断食中、栄養のあるものはたとえドリンクであっても避けるようにします。理由は簡単です。断食中に栄養を補給してしまえば、その分、胃腸は働かざるを得なくなるからです。その結果、せっかく断食しているにもかかわらず、消化から排泄に至る連続的な流れが乱れてしまいます。
ちなみに、断食中にお湯を飲むと、まるで胃腸が温泉にでもつかっているような休息感を得ることができます。半断食に慣れてくると、この感覚が少し「病みつき」になるほどです。
うつになると心の中が忙しくなる
メンタルの調子が悪いときは、心身がリラックスできていません。何もできずにぼーっとしているときでも、実は顕在意識、潜在意識で自分を責め続けています。
顕在意識とは、通常私たちが「意識できる意識」のことで、思考や感情などがこれに当たります。私たちは何気なく一日を過ごしていても、実に6万回も思考をしていると言われるほど、顕在意識は脳と心を駆け巡っています。大変な忙しさです。
さらにうつになると、もっと心の中が忙しくなります。自分を「ダメだ、ダメだ」と苛んだり、将来への不安が頭から離れなかったり、ネガティブな感情と思考が終始続きます。このため、メンタルが不調なときはなかなか眠れないし、短時間で目が覚めてしまいます。無意識な思考が止まらないからです。僕自身がそうでした。
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そうなると負の連鎖で、心も体もどんどん疲弊して、さらにヤル気、自信といったものがすり減ってきます。仕事の疲れも取れません。断食は、こうした負の連鎖を断ち切る機会になります。その一番の理由は、胃腸を休めることによる心身への効用です。
消化のプロセスは、運動や仕事で体を動かすよりも多くのエネルギーを消費しています。私たち現代人は、この感覚が麻痺しがちです。本当は疲れているのに、食べてしまう。胃袋は「休ませて」と言っているのに、食べてしまう。これは、日常的なストレスのせいで身体感覚がやや麻痺した状態だと言えるでしょう。
半断食は、この流れを絶ちます。18時間食を控えることにより、消化のプロセスを助け、その分、たくさんの体内酵素が体の修復に向かいます。また、断食中、水をたっぷり飲むようにすれば、細胞の毒である老廃物が尿や汗として排出されるようになるでしょう。
宮島 賢也 : YSこころのクリニック 院長