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写真とエッセーの森

徒然の写真によせて

ハマナスを楽しむ

2012-09-06 | エッセイ

        

  ハマナス

 

 


 赤く色付いたハマナスの実はとても美しい。


 峠越えの山道は深緑の中だった。

その車寄せに「私を見て!見て!」と話しかけるように赤く熟れたハマナスの実があった。


 大粒の実に驚き、一つを摘んだ。割ると立派な種がポロポロと地面に落ちた。
 今、我が庭で咲くハマナスは、その時のハマナスだ。

 
 こうして、雪の降る前に植えた種が、庭で育つか心配だった。

雪が融けて、春の暖かな風を感じる頃、若緑の芽を出した。


 私にとって「これは夢ではないか」と思うぐらい嬉しい出来事だった。

今まで土に触ることが、ほとんどなく花は観賞するだけで、庭は母の管理下にあった。
 苗を移植すると、グングン大きく育ち爽快だった

三年ほどで花が咲きその後大きな実を付けた。


 この美しい光沢の実をどうにか長い間楽しみたい。

その気持ちが高じて数年前から、ジュースやジャム、果実酒を作るようになる。
好みに仕上げたジャムやジュースは、やわらかい甘みで美味しい。


 今年のジャム作りは、至極簡単だった。娘の伝で性能の高いミキサーを手に入 れた。


 節電が言われているときで、気が引ける思いがあったが、おおいに活用した。
 過去のそれらの道具にはない、果物の皮をいっさい剥かなくても滑らかにする性能で、私を楽にする。

時間と労力を必要としないジャムづくりは、来年のハマナスの花を 待っている。

 

 


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