さっくん@勉強中

作家でごはん! において僕のつけた感想など

感想について

2005-09-30 01:20:35 | Weblog
 今日某所で、作品の面白さ云々について「議論する」際には「レベルの低い読者」が確かにいて、それが発言することが問題で、そういう(議論する、評論する)読者(詳しくは何か評論らしきことを言っていても、何だか筋の通らないというか、説明しようとする意思が見受けられない、あるいは、面白かったという意見に対する反論として「つまらなかった」とふっかけるくせにそれが説明できない読者など)のことまで配慮していたら何も書けなくなる(配慮というのは、そういう読者が一人でもいたら、やり直しというような意味です)。というような趣旨のことを書きました。そしたら、この「レベルの低い読者」という言葉になにやら私のおごり昂ぶった精神を見出された方がいたようで、まあ、端的に言えば荒れるに近い状況になったわけで、申し訳ないなと思いました。
 だけれども、極端な話、理由も述べずに「つまらなかった、分からなかった」とだけ言われて貴方は納得できますか? (例えば自分がプロ作家になったことを想定してください。自分の作品についてどこの誰かも分からない人に、掲示板なんかで一行《つまらなかった》と言われても、そういう意見もあるんだなという以上に真摯にその言葉を受け入れられますか? 仮にも出版に至った作品なんだから、そうそう支離滅裂、という意味での理解不能さはないはずですし)
 理由を述べたとしても(感性云々とかではなく論理の立場から見て)まるで見当はずれなことを言う人のことを「レベルの低い読者」と(私は)言います。ちなみに、この話は私(さっくん)の作品についての感想、および鍛練場における感想全般の話ではなく、中村文則「土の中の子供」の話が発端となって出てきたもので、主にプロ作家が書いたものに対する批評を念頭においてのものです。つまり、貴方の好きな作家についての酷評をまともな理由もなくされたら、あるいは、単に難しいというだけで純文学全体をつまらないものと切り捨てられたら厭じゃないですか? というようなことに近いです。念のため。とは言え、純文学といえどもエンタメ小説とかと比べてみて、そんなに際立って難しいものなんてあんまりない気もするのですが。それに、すんげー難しいやつがあったとしても、それこそ最初から私(さっくん)らに読んでくれなんて作者自身も思ってないでしょうしね。
 あとですね。やっといてナンですが、ある場所でした議論をこういういわば自分の庭で一人で一方的に蒸し返すというのは卑怯ですよね(^^;;) ということで、私がここで言っていることに対する評価はある程度割り引いてする必要がありますです。「某所」としたのは、私が自分で自分のことを出禁にしたのと、ここからそこへ流れていった人が更に議論に加わって収拾つかなくなるのを恐れるからです。

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 上の話題に関連して、今度は一般的な(時に作者の想定から外れたりもする)読者について考えます。例えば私が何か小説を読むとします。その場合、私がその作品を面白いと思うために、作者の真意にまで遡って理解する必要があるのかどうなのかというものがあります。
 これに関しては明らかにないですね。なぜならば、実際に私が面白いと思った作品の殆どにおいて、私は作者の真意を理解していませんから! まあ、「真の」面白さとか言われちゃうとアレなんですが……。
 ということで、小説の面白さは、そういった、込められた思想なんかとは別のところにも少なくともあるわけで、同様につまらなさも別のところにも見出されるのです。
 というよりも、文学において作者が自らの思想を作品にこめることによって読者に抱く期待(読者にある効果を与えるだろう期待)なんてのは味付けや描写の仕方の方針位の役回りで十分だと思うんですがね。
 ただし、つまらないと思うだけでなく、つまらなさを説明するためには、ある程度作者の真意が見えていると《思い込む》か(その思い込みが間違ってますよと言われれば、また検証しなおせばよい)、技術的な面での指摘を中心に据えるようにする必要はあると思いますが。

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 ちなみに、私は哲学書の類は体裁を(学参みたいに)整理して、一文をなるべく短くするとか、記号・図・式を用いるとかして、もっと分かりやすく(論理的にすっきり)することが出来ると思っている人間です。なんだか、たまに文学しちゃってるんじゃないの? みたいな哲学書(思想書)ありません? この意味で難しい哲学書はよろしくないと考えています。まあ、それ系の本自体、好きではあってもあんまり読まないですが(^^;;)

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 ちなみに、このブログにおいてのコメントですが、議論するのはいいのですが、「です・ます」調でお願いします。なあなあでいきましょう。

4 コメント

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Unknown (吉良 明良)
2005-09-30 23:41:00
こんばんは~。吉良 明良です。

さっくんさんのHPを発見、すぐお気に入りに追加しました。

さてさて、今日の「感想について」を読んでいて、さっくんさんって意外に私と考え方が似ているのだなぁと思いました。

まあ、私の場合はただ「つまらなかった」と言われたら、「あっそ」としか思わないんですけどね(笑)

私は批評や感想ってそのまんま鵜呑みにするんじゃなくて、それを受け取った作者がどう消化するか(自分に参考になったと思い、それを取り入れるor参考にならなかったから聞き流す)が大切だと考えています。

「土の中の子供」面白かったけど、人それぞれなんでしょうね。

そのキレた方は文章の裏側にある作者の意図が「わからなかったから、面白くなかった」のかもしれませんね。それならば感想としてはありだけど、批評にはならないというのが私の考え方ですね。

一方的な言い分(さっくんさん側から)しか読んでいないので真相はわからないのですが、「レベルの低い読者」という発言が高みから見下して言ったと勘違いされて、キレられた可能性もあるかもしれませんね。

それでは、これからもよろしくです~。

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お世話になってますー (さっくん)
2005-10-01 01:08:01
 どうも、酷評するけど実は尊敬している、反論するけど実は結構素直がウリの(?)さっくんです(^^;;)

 ええと、まずは、「侵食」の方、幾つかの感想において、表現の模範例として勝手に紹介させていただきました。ありがとうございます。



>、「レベルの低い読者」という発言が高みから見下して言ったと勘違いされて

 多分、私の念の押し方が拙かったのでしょう。しかし、その批判が私の人格について終始していたため私自身も少し熱くなっちゃったんですよね。普段ならスルーできるのです(そして、スルーできる俺っておっとなー等と思っちゃったりしているのですが 笑)が、私にとってどうでもいい人達ではなかったのもあって、補足説明しているうちにヒートアップしちゃったんです。後、これが私の作品に感想をつけてくれた人達に対する者だと思われると非常に拙いので。

 まあ、それはともかく、感想の取捨選択は重要ですよね。一行レスとか意外は一応全てちゃんと検討してみますが、感想同士でも意見が相反する場合があることからして全ての指摘を包括的に解決できることは希でしょうしね。

 とにもかくにも、共感してくれたようで、心強い限りであります。
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Unknown (吉良 明良)
2005-10-05 13:46:50
今日の仕事は午前中で終わっちゃった吉良 明良です。

ネットしてたら、その板見つけたよ~ん♪(爆)

読ませてもらったけど、荒れたっていうより議論が発展し始めたって感じました。

板での言葉使いは悪いかもしれないけど、純粋に議論をしようという姿勢は皆さんの発言から見えましたよ。

頭冷やしてから読んでみると、また違った風に見えてくるかもですね
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時間の問題ですよね(笑) (さっくん)
2005-10-06 01:28:41
 見つけられましたか。

 まあ、なんというか、あの一連のやりとりにおける私の冷静さを欠いた対応は、汚点といった感じがして、あれ以来、その板を覗く気分になれないんですよね(^^;;) 落ち着いたら見てみますね。
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