今回は遂に長く続いた桐青戦が終わりになりました。最後の方の選手たちの様子にはもう涙です・・・。今まで以上に全体のクオリティも高く、とにかく良いものを見せていただきました。
今回試合が終わる回ということで、書きはじめる前から「文字数オーバーするだろうな」とは思っていましたが、思いが多すぎてやっぱりそうなってしまいました…。今回は記事を2つに分けようと思います。
始めは9回の裏に入る前の桐青側の会話。河合は「今のこの点差、試合前に予想していたヤツはいるか」と皆に聞きます。もちろん強豪校である桐青の選手は誰もそんなことは考えておらず皆沈黙。河合はそんな皆の様子を見てからそれを「試合の終わる前にわかってよかった」「延長に入ればどー考えてもこっちが有利だ」と言い、「勝つぞ!!」と意気込みを入れます。三橋はその声にビビりますが、『あと1回、なんとかおさえなきゃ…』と思います。
9回の裏最初のバッターは真柴。監督は三橋のストレートが「温存されてた決め球」だったことを確信していました。しかしまだ攻略はしておらず『突破口が欲しい!』と焦ります。そして真柴に期待をかけます。その真柴もどうにか打とうと必死。バントの構えをとります。この構えに阿部は迷いますが、
『ランナーいねェんなら、そう迷うことはない』
と判断し、三橋に「まっすぐ」の指示をします。そして1球目はストレートでストライク。2球目にも真柴はバントの構えをとります。阿部の指示はまたストレート。三橋はまたの指示にビクビクします。三橋は不安に。
『阿部君は計画通り、後半になってたくさん「まっすぐ」を使ってる。
後半までかくしといたおかげで、まだ「まっすぐ」は打たれていない。
でもそれはオレのまっすぐを意識しないで振っていたから……で、
このバッターは今意識して球スジを見てる。
きっともう、つかまる、よ!!』
でもそう思いつつ阿部の指示に逆らうことは出来ず三橋はストレートを投げます。この2球目もストライク。決まりますが、阿部は三橋をじーっと見ています。この目線に三橋はもちろんビビります。ただならぬ阿部の様子にチームメイトも『どうした、阿部!?』とドキリとします。そんな中阿部が三橋に乱暴にボールを返します。これは恐ろしいです…。そして阿部はまだ三橋をじーっと睨みます。本当に恐ろしい存在です。アニメでは阿部は普通の目をしていますが、原作ではここで阿部の目がギラギラしていて更に恐ろしいことになっていたりします。でも傍目から見ている分には面白いです。その阿部のただらなぬ様子に気づきながら後ろを向き、三橋は
『サ、サイン通りに投げているのに、阿部君は、オレの心、読めるんだっ!
阿部君は、オレのまっすぐがどれだけ打たれてたか知らない。
振り向けば「まっすぐ」のサインがくる。首は振れない。
1番、2球まっすぐを見てた。もう打たれる!』
と自分のストレートに自信が持てず揺らぎます。そんな様子を見て、栄口は『何やってんだ!?おこられるぞ!』と感じ三橋に声をかけます。「ボールがどうかした!?」この声に三橋は我に返り「ど、どうもっ」とマウンドの方へ向き直ります。ここ三橋はいつも以上にキョドっています!でも待っているのは阿部の鋭い目線。三橋はやっぱりビビります。三橋は
『変化球で投げたい。まっすぐは怖い…っ』
と怯えてしまいます。それに気づいた阿部は、ストレートを投げさしたいと思う反面、
『ムカツク笑顔が消えてンぞ。
そんなに「まっすぐ」を怖がるなら、他の球だともっと怖いってことを教えてやるよ。
ストライクからボールになるシュートだ。ストレート捨ててるなら手を出してくるぞ!』
と、三橋の気持ちを考えてシュートを指示します。三橋はこの指示に安心してしまいます。阿部はそんな三橋の様子を見て『っのヤロっ~、顔に出すんじゃねェっっーのに』と苦々しく思いつつも、
『三橋は中学時代、まっすぐを打たれまくった。
まっすぐの良さをいくら説明しても、体験で学んだ怖さを言葉でぬぐうのは難しい。
桐青に「まっすぐ」メインの組み立てで勝って、
あいつに、まっすぐの威力を認めさせる!!』
と、三橋にまっすぐに自信をつけさせようとしていました。ここはよく考えると良いセリフ。三橋はシュートを投げますが、これを真柴にバントされてしまいます。ボールは三橋の方に三橋は『バントはオレが捕れればアウト!』と考えボールを取りに行こうとしますが、ぬかるんでいる地面に滑ってしまいこけてしまいます。ちょっと可哀想な三橋…。代わりに田島が取りに向かいますが、ギリギリでセーフに。桐青は塁に出塁し、沸きます。監督もこれには「ここで変化球に逃げる甘さがあるなら、そこからつけこめる!」と満足。三橋は今の投球にショックを受け、しゃがみこんでしまいます。三橋を西浦の面々は不安げに見つめますが皆『がんばれ』『あと1回だぞ!』と心の中で三橋を応援します。モモカンは『……何?まさかここが限界!?』とヒヤヒヤ。阿部は『まだだ!!』と思いつつ、
「三橋!!投げねェんなら、替ってくれ!!
ここは三星じゃねぇからな!投げらんねェなら沖にでも、花井にでも、
マウンド譲れ!!」
と三橋に喝を入れようとします。もちろん阿部は三橋に投げさせる気満々ですが。しかし三橋への効果はてきめん。この阿部の言葉にオロオロしてしまいます。モモカンも阿部の言葉に『阿部君役者だわ~~』と思いつつ、阿部の言葉にのりうなづきます。これに三橋はガーンとショック状態。しかしフラフラしつつも立ち上がり、沖にボールをくれるように言い、マウンドに立ち直します。沖はチラチラと見てくる三橋が気になりつつも、
『もし立場逆なら、オレは喜んで交代しちゃうね。
だって自信ないよ……。三橋も自信ないのか。しかも超ビビリだ。
けど投げたがる。あんなのもう投球中毒だって。
そーゆーヤツの後ろはスゲーやる気出るけどな!』
と三橋をどこかで褒めている様子。三橋は目の前のマウンドを見つめ、不安に揺れ動きます。ここは音響面がすごかったです。あの音が~。
『怖い、投げたい、怖い、降りたくない、怖い…
ここを誰にも譲りたくない!』
と投げることへの執着で恐怖に打ち勝ちます。三橋は本当に投げることが好きなんですね。こん三橋の様子に阿部も『よし、目が定まった!』と一安心します。ただそう思った後の三橋の顔がギャグ顔で「ええ~!?」と思ってしまいます…。まあそれはさておき、阿部は三橋に
『昨日はリード通りに投げるだけとか言ってたのにな。
勝ってる試合で固くなるのは、欲の出てきた証拠だぜ。
おまえにとっちゃいい傾向なんだ。そのプレッシャー受け入れろよ!』
と、三橋へ心の中で呼びかけます。阿部、結構三橋のことを思っています。阿部は三橋へ速い球を指示。三橋はこれに従いつつも、
『交代したくないならちゃんといい球を、投げるんだ!』
と一生懸命に投げます。が、その時ランナーが二塁に。三橋は焦ります。阿部は『速球のスピードは2割減だな。電池切れの状態でよく投げてんだが』モモカンは『ここはバッターをひとりづつ切っていこう!』と考えます。阿部は次の球の指示をストレートで指示。『ふんばれ、三橋!』とグローブを構えます。三橋も阿部を信じて投げます。そしてこの打席は三振でアウトにします。これで1アウト!!桐青はまだ三橋のストレートを攻略できずにいます。
次の打者は島崎。前川の思いを背負い打席に立ちます。島崎はバントをしようと、バットを構えます。阿部は前の打席で島崎がまっすぐを三振したことを思い出し、『まだ「まっすぐ」は捉えられていない!』とふんでストレートを指示。1球目は打ち上げファール。島崎はバントの調整に努めます。阿部は桐青の様子を見て、
『延長されたら勝負がついたも同然だよ。
サードにランナー進めるわけにはいかねェぞ!』
と、サードにランナーを進めないようにとします。次は速い球を指示。これも打ち上げます。阿部はこれを捕ってアウトにしようとしますが、届かずに失敗して「くそ!!」と悔しがります。三橋はその阿部の様子を見て、自分の球が速くないから怒っているのかとビクビクしますが、阿部は「わり!」とボールを返します。これに三橋は?マーク。次の球はストレート。阿部はストレートなら安全だと考えています。島崎はここでまっすぐを打って、次の青木へのストレートを減らそうと考えます。そして投げたストレートですが、島崎はこれを打ちます。球は3塁の方へ落ちていきます。これを田島が取ろうとしますが、届かず。急いで落ちた球を巣山がファーストに投げようとしますが球を握りそこなり、球がそれてしまいます。結果1死、一・三塁に。西浦にミスが出てしまいます。三橋はその状況に焦りを感じます。
そしてそんなピンチの中次の打者は4番の青木。桐青の応援にも気合が入ってきます。特にブラバンの応援がスゴいです。青木はとにかく打とうと必死。河合も青木に1点入れることを期待します。阿部は三橋に今まで桐青が反応しきれていない「まっすぐ」を指示します。三橋はここでもやはり「まっすぐ」を投げることに対して不安がいっぱいです。ここも不安な三橋の演出が見事でした。三橋は『桐青に攻略されたんだ』
『――オレが投げてたら、みんなも負ける。
それでもマウンドを降りたくない。これじゃ同じに…』
とビクビクしていましたが、後ろで守っている西浦の面々の声「さーこい、バッチこい!!」「オーサードこいよ!」「ピッチャー打たせろ!」「水谷!捕ったら4つだぞ!」「おお!」
「三橋!!あとのことはまかしてお前の一番いい球投げろ!!
お前の投げる球なら、誰も文句ねェから!!」
という皆の声に励まされます。野球はひとりのスポーツじゃなく、みんなでやるスポーツなんだなと改めて感じました。ここはもう泣ける…。皆良いチームメイトですね…。三橋は
『…どういう意味だ?花井君も……怒ってない?みんなも…?
もう球のスピードも回転数も落ちて、それでも投げてるイヤなヤツに
なんで優しいこと言ってくれるんだ!?』
と途惑いつつも、一生懸命にまっすぐを投げます!!しかしまっすぐは打たれ、センターに。センターにいるのは泉。泉は
『投げ勝ってやる!!!捕ってやるぜ三橋!』
と勇んでボールをキャッチします!これで2アウトに!!ここの泉はいつにかくとてもカッコよかったです!!泉はすかざず花井にボールを渡し、花井はホームへ「うおあああ!!」と懸命に球を投げます。ここの球の動きが本当にお見事でした!!
その時ランナーはすでにホームへ!!阿部も指しにいきます。ほぼ同時に来た球とランナーですが…結果は阿部の方が早く、桐青は3アウトに!!これにより西浦の勝利が確定しました!!この結果に西浦側は最高潮に盛り上がります!!この瞬間はもう感無量といった感じで、こっちまで真っ白になってしまいそうになりました。とにかく嬉しい瞬間でした!!
西浦の選手達も勝利にわき上がります!!阿部は『勝った…』と呆然。三橋は田島に押し倒されて痛そう。桐青側は沈んだ様子です。そして最後の礼をした後、応援団へあいさつに向かいます!ここの三橋の目が…。向かってくる選手達を見て、浜田達は「わわ、あいつら来んぞ、来んぞ!どーしよもースゴスギ!!」「どーすんの!!」とうろたえます。気づくと三橋の隣に阿部がいて笑えます。が、西浦の選手達が並び、
「本当にありがとうございました!!」
と言う声に
「こっちこそだ――――――――!!
感動をありがと―――!!!」
と懸命に答えます。私も西浦のみんなにそう言いたいです!!母達、ルリも大喜びです。そんな様子を河合が見つめています。それから河合は家族からもらった「必勝祈願」と刺繍されたお守りを見て、家族の「お兄ちゃんがキャプテン?」「へぇ、ホントに。今まで以上に影で努力しないといけないよ」「あの監督はなかなかの人物だぞ。ああいう人が認めてくれたんだ。お前は自分を信じてがんばればいい」
「家族みんなで応援するよ」
という声を思い出します。家族の言葉はやっぱい特別なものが。特に父親からの声が重く感じられます。この言葉を思い出し、河合は涙ぐんでしまいます。こっちも泣きそうです…。でも河合はすぐに気を取り直し、キャプテンとして、
「さあ、出るぞ!次のチーム待たすなよ!」
と皆に言ってベンチから出ようとします。しかし後ろから「和さん」と河合を呼び止める声が。高瀬です。ここ影が絶妙。高瀬は河合に謝ります。でも河合はそんな高瀬の肩に手を置き…
「スンマセンでした、スンマセン……」
「お前があやまることは、いっこもない」
「…オレはっ、もっと、一緒に……っ」
高瀬は涙しながら自分の思いをただ懸命に河合に伝えようとします。河合もこれに感高まり、高瀬を抱きしめて、
「力、足んなくて、ごめんな!!
お前をもっとうまく投げさしてやりたかった!!」
「う、ううっ」
と2人は泣きます。そして周りの桐青の選手も…。高瀬と河合の絆を感じさせるシーンでした。2人の声優さんの演技がとても良かったです。また泣いてしまいそうです…。どこまで泣かせるんでしょうか、この作品は…。敵、味方どちらにも感情移入できるところがこの作品の良いところのひとつですね。
…とここで文字制限に引っかかったので別記事になります。続きはこちらからどうぞ。まだ続きます。TBはできればこの記事「その1」の方にお願いします。