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コツコツ一直線

好きな作品をアニメ・ジャイキリ・牙狼<GARO>中心に感想レビューしています。

輪るピングドラム 第9話「氷の世界」感想

2011-09-10 03:58:14 | 輪るピングドラム(2011秋-2012冬)

 今回は陽鞠メイン回。前回晶馬がああなっただけにここで~と最初は思いましたが、陽鞠の過去が少し明らかになったり、謎な新キャラが登場してまた新たな謎が出てきたりと、更にピンドラワールドが広がっていく、とにかく不思議な1話でした。


 はじめは1話の水族館のシーンから。色々1話とリンクしているシーンがあってまた1話を見返したくなりました。
 おみやげ屋でペンギンを見かけ、ペンギンを追いかける陽鞠。エレベーターで地下へ行くことになります。そのシチュエーションはまるで不思議の国のアリスのようでした。しかも地下61階まで~。一体どんな水族館なんでしょう…。

 たどり着いた先は草原が広がる空間。現実と夢が混在しているような感じがしました。またその先には図書館がありました。像とかがまたウテナっぽいなと思ったり。今回は今までよりそう感じる瞬間が良い意味で多かったです。
 ペンギンの本を探そうとする陽鞠ですが、その本はなくて…。タイトルは「カエル君、東京を救う」。今回最後まで観ると、これに向けて最終回まで進んでいくんだろうか…とかつい深読みしてしまいます。

 図書館の中をひたすら進む陽鞠。その先にはカエル君シリーズの本がたくさん並んでいました。1冊だけじゃなかったんですね…。
 そしてその先には謎のピンク髪の青年が――!OPの最後の方にいたキャラが遂に登場しましたー。名前は渡瀬眞悧。日本人っぽい名前でちょっと驚きました。でも渡瀬の声を聞いているとどうしても声的にB型H系を思い出してしまいます…。良い声すぎて。幾原監督の作品にとてもマッチしている気がしました。
 渡瀬はこの部屋の司書的な役割を担っているようです。渡瀬はこの場所に関して中央図書館の分室と言いますが、明らかに違うような…。でも選ばれた者だけが入れる特別な図書館ということで、そう簡単には辿りつける場所ではないようです。
 早速カエル君シリーズについて尋ねる陽鞠ですが、カエル君シリーズはたくさんあるらしく、探すのにはかなり手間が…。それでもとりあえず探してみることになります。

 そんな中、1冊の本を開く渡瀬。「タイトルはカエル君 Hトリオを救う」。それはある3人の女の子の話でした。
 ここから陽鞠の回想に。小学校の頃、陽鞠は今ダブルHとしてアイドル活動している二人とよく遊んでいたようです。陽鞠、ダブルHの二人と友達だったのか…。これには驚きました。
 しかも元々オーディションは三人で受ける予定だったとか…。その年、三人でオーディションに参加することになったようですが、名前で早くももめてしまいますー。でも陽鞠のアイディアで「トリプルH」と名前が決定。三人ともイニシャルがHでトリプルHとなったようです。そしてこのトリプルHという名前、あの生存戦略の曲の歌手名なんですよね…。そしてED、あの面子の中に陽鞠がいた理由もそういうわけで…。小説版を読んでいた人がニヤリとしていた理由がようやく分かりましたー。そして早くも切ない気持ちになってきました…。

 そのことを思い出す陽鞠。苦い思い出があるようで…。次の本は「カエル君 高倉を救う」。
 おそろいのリボンをつけてオーディションに参加しようと決めた陽鞠達。母親にリボンを買ってきて欲しいとお願いしますが、品切れでおそろいのリボンを買うことはできず…。謝る母親ですが、陽鞠はおそろいじゃないと駄々をこねます。陽鞠にもこういう時が…。でも子供の時は結構こういう感じだったかも。自分も苦い思い出が…。
 今、買ってきてとわがままを言う陽鞠でしたが、その時、鏡が陽鞠めがけて倒れてきて――。そして陽鞠を庇って母親が大怪我をしてしまいます…。またもやショッキングな展開に…。


 後半。それから。命に別状はないものの、傷が深く入院することに。なんか高倉家、怪我と病気ばかりで大変なような気が…。今後も色々心配です。
 でも顔の傷は残ってしまうようで…。でも母親は陽鞠が怪我をしていないことに安心。母親はアイドルという陽鞠の夢を心から応援していました。高倉父同様、やっぱり良いお母さんです…。陽鞠もそれで自分の過ちに気づき、反省します…。ここのシーンはもう見ていて涙が…。

 その陽鞠の過去について淡々と振り返る渡瀬。更に検索は続きます。
 次の日、二人に話す陽鞠。陽鞠はオーディションは二人で参加してとお願いします。でも二人も陽鞠を放っておくことはできず。二人も良い子だったようで。
 お母さんのために頑張る陽鞠・二人。まじない的な感じで鯉の生き血を取ろうとしますが、先生に見つかって怒られてしまいます~。裸足のゴンって~。でもここでも三人がお互いを庇い合ったりと、友情を見せつけてくれました!友情っていいですね~。三人の友情は本物でした。友情を確かめ合う三人。確かにこの時、三人は親友でした――。

 次の本。ある日、一人で学校から出ていく陽鞠。でも消しゴムが飛んできたり、あの二人が陽鞠を不満気に見ていたりと、なんだか暗い空気が…。これが陽鞠が最後に学校に行った日だったようです。これは陽鞠が黙って去ってしまったからか、何か事件があってこういう態度をとっていたのか…どういうことなのか気になります。病気が関係していたんでしょうか。
 そしてダブルHの二人に会ったのも、それが最後。今の二人のアイドル名はDOUBLE H…。なんだか寂しいです…。

 そして二年後、陽鞠はその二人と再会することに。ある日陽鞠がTVをつけるとそこにはあの二人がアイドルとして歌っている姿が――。そしてあの生存戦略の曲。トリプルHとして歌っていたかもしれない…と、陽鞠も複雑な気持ちになったようです。改めてあの歌のクレジットがトリプルHとなっているのを思い出すとやるせない気持ちになります…。陽鞠の願望も込められていたんでしょうか。
 でも陽鞠は今では心から二人を応援していると思うように。この思い出を思い出したかったのも、終わったということを確認したかったからだと渡瀬に。二人の会話はやっぱり意味深なものでした…。


 その後、物語はまだ終わっていないと陽鞠に告げる渡瀬。そして取り出したのはペンギン帽――。それは運命の花嫁に捧げる花冠。陽鞠は帽子を被り、プリンセス・オブ・ザ・クリスタルの格好に。誰の花嫁になるのかと疑問に思う陽鞠。それに対し渡瀬は運命の至る場所にあると答えます。

「運命は何処に至るのか
 君は誰の花嫁なのか
 それまでは――」

 渡瀬も陽鞠を狙っているのでしょうか、そして現実で会う時は来るのでしょうか……?伏線がちょっと回収されたと思ったら、また伏線が増えてしまいました。
 陽鞠は渡瀬の手を取らず、元の世界へと帰ることに。渡瀬は陽鞠にペンギン、そしてあのマークがついた林檎を託し、陽鞠を送り出します――。そんな中、陽鞠は小さい頃のある記憶を思い出します……


「運命の果実を一緒に食べよう」
「選んでくれてありがとう」

『そうだ、私にはとても大切な人がいた…
 彼が、私の運命の人だ』


 陽鞠にもそういう相手がいたんですね。男の子は誰ともとれるように描かれていましたが、一体誰なんでしょう…?陽鞠の王子様はここまでの話で考えると、冠葉か晶馬という感じがしますが、そう簡単にはいかない気もしますし…。もうさっぱりです~。でも花嫁、小さい頃の誓いなど、更に幾原監督っぽい作品になってきたような気がします。
 と、思ったらキャストのところに「夏芽マリオ」という名前が…。あの夏芽の弟なんでしょうか。それなら夏芽がペンギンを持っていたり、情報通なのにも納得です。でも夏芽寄りのキャラだとすると、冠葉・晶馬とはなんだか敵対関係になってきそうな予感が…。とりあえず冠葉と晶馬で陽鞠を取り戻すー的な展開を希望します。 そして元の世界に戻っていく陽鞠が見たのはあの1話でプリンセス~が病室で、

「生存戦略――!」

 と叫んでいるシーン!この流れで生存戦略…燃えました。一体どこからどこまでが現実か夢か分かりませんでしたが、陽鞠にまた興味が出てきました。でもプリンセス・オブ・ザ・クリスタルは本当何者なんでしょう。今回ちょっと触れるのかなと思っていたのでちょっとしょんぼりしました。
 
 目が覚めた陽鞠。そして苹果からの電話で晶馬が事故にあったと知り…。そしてペンギン3号の傍らに「カエル君東京を救う」が。いつの間に~。なんだか青い鳥的な何かを感じました。
 今まではよく分からないなと思いつつ見ていたEDですが、今回でEDの意味も分かってきて見方がだいぶ変わりました。あれが陽鞠の願望だとしたら…。いつかこんな日がくればいいなと感じました。


 今回は回収された伏線もあれば、また新しい伏線が出てきて、またピンドラワールドが広がった感じがしました。高倉夫妻が消えた理由、渡瀬は何者?、陽鞠の運命の人って誰?など謎・伏線が出てきすぎて現段階では何を書けばいいのかさっぱりです~。この先も多分最終回を見るまで分からない謎も多く出てくるんでしょうね…。もやもやしますが、それこそ幾原監督作品という感じがします。
 とりあえず今回までの話を見て考える限り、なんとなく陽鞠達の両親がいなくなった理由には、三人の罪と罰が関係してくるような気がします。もしくは両親が罪を犯した可能性も…。今回観て更に三人が一体何をしてしまったのか、ますます気になってきました。ここまでも台風・鏡で怪我などハードな事件が起きているだけに、それ以上の事態が起こったんじゃないかと思いますが…。とにかく謎が明かされる時が楽しみです。

 また今回は絵コンテ・演出・作監・原画、すべてが武内宣之さん担当でしたー。全部担当ってすごすぎる~。一体どれだけの仕事を…。化物語など最近のシャフト作品に多く関わっている方のようで、ウテナの作画監督もされていたようです。今回空間の描き方がそれっぽいなと思っていましたが、納得しました。ピンドラの世界に上手くマッチしていたような気がしました。


 次回は話の本筋に戻り、晶馬達のその後について明らかになっていくようです。車にひかれてしまった晶馬は無事なんでしょうか…?とりあえず2クール目もありますし、生きているはずだと予想。ここで死んでいたらショッキングすぎます…。
 予告の声は冠葉。何と決着をつけようとしているのか気になるところです。1クール目終わりに向けて盛り上がっていきそうな感じがしました。
 エンドカードは渡瀬。やっぱり美形ですねー。渡瀬はなんだか理事長的なポジション・黒幕的な感じがしますが、果たして…?

 ではまた次回に!