禅と薔薇

高島市 曹洞宗 保寿院 禅の話と寺族の薔薇のブログ

薫習

2015年01月27日 | 小さな法話
あるお家にお参りした際に、「きょうはこの線香を使ってください」と持ち出されたのは、とてもよい香りのする線香でした。
火を点じるとかすかな煙とともに、その香りが広がっていきます。
お参りの後、いつものようにお家の方と世間話をして、自坊に帰り着きます。
着替えようとしたその時も、まだ香りがあたりを漂っています。

「薫習」という言葉があります。
本堂の中のように、長い間、微量の香で薫じられていて、いつのまにかその香りが建物にうつっているように、
私たちの行動も好ましい行動に薫じられていくのです。
それが、よい香りでありたいものです。

私たちは、そのまわりの香りを選ぶことも大切です。
また、私たち自らが、よい香りとなることも大切です。

家庭であれ、社会であれ、よい香りが満ち溢れることが望ましいことです。

その香りとは、「慈悲心」です。

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