飛行機を手に入れて・・・・
ソ連邦時代の経済運営はすべて計画性に基づいて運ばれていた。しかしこれが成功したかとなると話は全く別である。いまでいうソフトもハードも西側に比べたらあまりに遅れていた。そのためいくら5カ年計画を立てても結果は無残そのもの。
しかし共産党はそんなことにはお構いなく何カ年計画とやらを発表し続ける。一般国民はこのような党のプロバガンダに辟易するが大きな声で批判するわけにはいかない。そこでジョークでうっぷんを晴らすことになる。
モスクワでの政治集会で例のごとく党幹部が5カ年計画について語る。
「今度の5カ年計画を成功させれば、全ソ連国民が自転車を持てるようになるだろう。さらに次の5カ年計画を成功させれば全国民が自家用車をもてる。その次の5カ年計画が成功させれば自家用飛行機を全国民が持つことも夢ではない」
集会参加者はこの壮大なヴィジョンにいたく感激した。しかし参加者の1人が手を挙げて質問した。
「確かにすごい話だけれど飛行機をもらってどんな役に立つのです?」
幹部がわが意を得たりとばかりに、
「いい質問だ。君も知っての通り飛行機短時間で行ける。だから例えば、モスクワにトイレットペーパーがなくなってもあんたは飛行機でベルリンへ飛んでいけばいいんだ。そうすれば長い行列に加わらずにトイレットペーパーが手に入る」
Q:おとぎ話とソ連経済の違いは?
A:おとぎ話は“昔々”で始まり,ハッピイエンドで終わるけど ソ連経済は”やがて、いつか”で始まり、終りがない。
S・masanori