大分のさだまさしファンの独り言

大分に住んでいるさだまさしさんのファンです。所有のアルバムなどを紹介しながら不定期に思い出などを書いていこうと思います。

Sada Pedia 23 風待通りの人々

2013-06-28 23:03:50 | SADAPEDIA

すっかり月一回の更新になりましたが皆さんいかがお過ごしですか(汗)。

ベストアルバムの陣容も発表になりましたが、さすがに全て持っている楽曲ですから今回はパスかなあ、と。

まあ今まで30年以上ちょろいファンをやってきたので、多少の不義理は許してくれるのではないか、と。(誰に?)

さて6月のご紹介は(開き直り?)このアルバムです。

風待通りの人々 (88.7.25)



1、夢と呼んではいけない~星屑倶楽部 2、ふきのとうのうた 3、初雪の頃 4、十七歳の町 5、花の色 6、勇気を出して
7、普通の人々 8、凛憧 9、Bye Bye Guitar 10、少年達の樹 11、ONLY


①ヒット:C
シングル曲があり、ヒットしていればA、していなければB(ただしほぼ知名度なしならC)、シングル無しならC

②コミカル:C
関白宣言、関白失脚、雨やどり、私は犬になりたいなどのコミカル系があるか?
③国風:C
飛梅、まほろば、修二会などの日本の文化、建造物などの曲があるか?
④恋愛ソング:B
いわゆる恋愛ソングが多いかどうか?ちなみにさださんの場合皆無のアルバムは無いです。
⑤社会性:A'
前夜、空き缶と白鷺、遥かなるクリスマスなどの社会的な曲があるか?またその程度により分類

このアルバムは個人的にはものすごく思い出深いものです。当然ながら私の大学時代とかぶるからなわけですが、では内容はどうでもいいのか?というとそうでもなく、これと、約半年後に発売される次作の夢の吹く頃は就職活動、大学さぼってバイトばかりしていた自分に少なからず影響を与えているのです。また世相的にも昭和の末期にあたるこれらの作品は昭和ど真ん中の今までご紹介してきた数々のアルバムよりも鮮明に「昭和」を感じさせるのです。もちろんそれは昭和天皇の崩御ということとセットではあるのですが。

私は別に右翼的な思想は持っていませんし、かといって左翼的でも無く要は(自分で言うのもなんですが)極めてバランスのとれた考え方をしていると思います。しかし、実家が神道であることもそうなのでしょうが、昭和天皇のご存在は存外大きいものであることは認めなくてはいけません。

昭和64年1月の天皇崩御の前後に、私は就職も決まっていて、でも大学の卒業が(単位不足で)あぶなかったわりにバイトばかりしていた時期でしたが、世の中で起こった数々の現象を率直に受け入れることができませんでした。昭和天皇に傾倒していたという意味ではなく、22年と言う長い間、総理大臣が何度も変わる間、私の親と、この国の天皇だけは変わらずにずっとあり続けたのですから、仕方ありません。前年に祖母を亡くし、私的にも公的にも私の知っている人が亡くなったことが起因しているのかもしれません。もちろん正月参賀などはしていませんので、お目にかかったことはなく、TV、写真で見るばかりでしたが。

はっきり言うと私はこの『平成』と言う時代に、未だになじんでいないのです。それは別に私が悪いわけでも、政治や経済が悪い訳ではなく、あえていえば、それだけ昭和が好きだったと言えるのかもしれません。


さて、話がそれました。

このアルバムは、内容的には地味だと思います。
とにかく一般の方々の知名度のある曲がほとんどない。創り的にはGLASS AGE辺りのアルバムの系譜とでもいうのでしょうか、極めてオーソドックスな作りです。

しかし、出だしの「夢と呼んではいけない」から始まる静かなアルバムは決して凡作ではなく、十分ファン以外の評価にあたるものだと思います。

その一つが「初雪の頃」。「案山子」と対をなす、と勝手に思っている曲ですが、送り出した側、待つ側の案山子に対して、送られた側の苦労、切なさ、挫折、そして見栄などがほんのりとした作りで大好きな曲です。5月病で悩んでいる社会人必聴でしょうか(自信ないけど)。
また「普通の人々」。エレキギターの派手な出だしのこの曲は、バブルの終焉の世相を描いていて、「留守番電話の赤いランプ」「ドライビール」などの当時の風習を取り入れつつ、充実しているようで、葛藤もある、諦めもある、100%の満足と0%の不安のその両極のはっきりしたものではない、漠然とした不安をスリリングに描いています。「自分は幸せか?」「そもそも何が幸せなのか?」バブル時代に金と物を謳歌した日本人への警鐘だったのかもしれません。この曲は前夜や遥かなるメリークリスマスとは違う意味で社会的な曲だと思うのですが。

さらには秋桜とセットで聴いてほしい「凛憧」。嫁ぐ娘と母親の「秋桜」に対して、父親と娘の兄が、妹(娘)の結婚を通して考える形になっています。ある意味では「親父の一番長い日」的な曲ですが、あれほどパノラマ的ではありません。

さらにさらに、極めて私的な曲「Bye Bye Guitar」。さださんのファンでなければほぼ意味が分らないこの曲をアルバムに入れた。しかも幾太郎さんが亡くなって結構たったころ。その気持ち。

そしてさださんの得意な?バラード「ONLY」。

ある意味ではファン歴の短い人が聴いて「良いな」と思う曲もあれば、ある程度さださんのことを分ってから聴いて感動する曲まで様々な要素が入っているとも言えますし、逆に言えば、聴く人に阿(おもね)っていないアルバムともいえます。

人間の弱さ、儚さ、もろさ、そう言ったものを土台にして「頑張ろう」と思えるアルバムで、人間の「強さ」「能力」が必要以上に浮き出ていないアルバムだと思っています。

そして何よりも重要なのは、このアルバムの「風待ち通り」という架空の街を通して伝えたかったこと。
それは「幸せ」。
愛や恋、生活、人間関係、就職、離別、結婚。様々な場面で考えられる「幸せ」を、自分に置き換えて考えるアルバムなんです。

さて、ランキング。これは実は結構難しい。私的な思い入れがあるんで…
一応この企画のテーマ確認。ファン歴の浅い人に勧めるアルバム・・・ですから…。う~ん。

1位「風見鶏」
2位「夢ばかりみていた」
3位「ADVANTAGE」
4位「夢回帰線Ⅱ」
5位「私花集」
6位「風待ち通りの人々」
7位「自分症候群」
8位「おもひで泥棒」
9位「あの頃について」
10位「家族の肖像」


ご異論はあると思いますが、「幸せ」を考える意味でも聴いてもらいたい。地味なアルバムですが、きっと心のどこかで引っかかってくれると思います。そして、何回か聴いていただきたい。
様々な人間模様を感じていただけたらなあと。同様の「街」コンセプトの「Sada City」よりも洗練されていないですが、好きです。全ての登場人物が分離して、人間模様を感じるからかもしれません。その中に「Bye Bye Guitar」でさださんも登場するのですし。


では、微妙な空気感の中(分りますよ、ええ、空気は読める方なんで:笑)この辺でまた次回!


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5 コメント

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Unknown (高校の頃に聴きました)
2015-06-28 00:20:49
私もこのアルバムがとても好きです。
ドゥカティに乗りたいと主人に言われたら
死んだら困るからと、訳のわからないことを
言ってしまいます。
ドゥカティって当時はわからなかったのですが。

このアルバムが好きだということは
さだまさしファンの要素はあったと思っても
よいのかな…
ロバのパン屋さんへ (さだファンの管理人)
2015-06-29 20:49:01
このアルバムはA面の淡さとB面の輪郭の強さが極端でそのギャップが面白く感じます(もはやA面B面は死語ですが)。
>さだまさしファンの要素
私はあまり要素を気にしたことはないですね(笑)。これだけアルバム買ってもファンクラブに入ったことはないですし。つかず離れずが原則です。だから気楽なものですよ(汗)。
気楽がいちばんかもです。 (ロバ)
2015-06-29 23:00:52
前の方の席は夢のようにうれしいときも
あるのだけど、
ずっと後方だったり
もしくは、まだ若くて自分からコンサートに
行こうという欲がない時の方が
そのアルバムを純粋に味わえたし
そういう曲は頭の中にフレーズが残っています。
どうしても、身近に感じたいことがずっと
ありましたが、でも本当にリスペクトしていたら
あえて遠くから見るっていう聴き方が
きっと良かったのかな。
もう聴かないつもりでした。
でもラストレターに泣けて…新しいアルバム
聴きたい気持ちに…
風まかせにしてみたいです

無鉄砲なコメントなのにコメント返して頂き
感謝しています。
カセットテープ (ロバ)
2015-06-29 23:05:32
カセットテープでした!
懐かしいです。
私の初さだまさしは
家族の車にあった随想録のやはりカセットテープ

裏返る時の音まで、今聞いてみたいけれど
ポスターはどうしたかわからないです。

ありがとうございます
ロバさんへ (さだファンの管理人)
2015-07-09 02:21:01
返信が遅くなって申し訳ございません(謝)。
ブログの更新もままならないほどですのでお許しください。

私はコンサートで良い席だったことはなく、というより前の方の席で双眼鏡で覗いたり(もはやさださんがネタにしてますが:汗)ペンライト?みたいなものを振ったりというのは苦手ですから良いのですけど。
ちなみに私が最後にコンサートに行ったのは今から25年ほど前ですが当時と今とでは客層やルール?も違うようで。当時はさださんのコンサートで「立つ」なんてありえませんでしたし。まあそういった雰囲気が私を最近のコンサートから遠ざけているのかもしれません。まあ死ぬ前に一回は行きます。後ろの方の席でひっそりと見たいと思いますが(笑)。

>随想録
随想録はライブ盤では名盤です。再販されないため今やCDはオークションで高値ですが(私は定価で買いましたが)。一曲目のオーバーチュア―から交響楽が素晴らしいです。

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