世紀末の詩

無駄な競争は心を貧しくする

東電による人災は確定か

2011年06月14日 | 原発関連
IAEA元事務次長 一問一答 「東電は神のように尊大」
産経新聞

 福島第1原発事故をめぐり産経新聞のインタビューに応じた国際原子力機関(IAEA)元事務次長でスイスの原子力工学専門家、ブルーノ・ペロード氏との一問一答は次の通り。(ロンドン 木村正人)

 --福島第1原子力発電所事故で日本政府がIAEAに事故に関する調査報告書を提出したが

 「私は事故後の対応について日本政府や東電を批判するつもりはないが、両者が事故前に対策を取らなかったことは深刻だ。特に、東電の不作為はほとんど犯罪的だ」

 --なぜ、そう思うのか

 「福島第1原発の米ゼネラル・エレクトリック(GE)製沸騰水型原子炉マーク1型は圧力容器と格納容器が近接しており、水素ガスが発生すれば圧力が急激に高まる危険性が1970年代から指摘されていた。福島で原発の建屋はクリスマスプレゼントの箱のように簡単に壊れたが、スイスでは90年代に格納容器も建屋も二重にするなど水素ガス爆発防止策を強化した」

 --東電はどうしたのか

 「当時、スイスで原発コンサルティング会社を経営していた私はこの作業にかかわっており、マーク1型を使用する日本にも役立つと考えた。1992年ごろ、東電を訪れ、(1)格納容器と建屋の強化(2)電源と水源の多様化(3)水素再結合器の設置(4)排気口へのフィルター設置-を提案した」

 --対策費は

 「非常用の送電線は2千~3千ドル。排気口のフィルターは放射性物質を水で吸着する仕組みで電源を必要とせず、放射性物質の拡散を100分の1に減らせる。今回の震災でも放射性物質の拡散を心配せずに建屋内の水素ガスを排出できたはずだ。費用は300万~500万ドルで済む」

 --東電の対応は

 「東電は巨大で、すべてを知っていると思い込んでいた。神様のように尊大に振る舞った。東電が原子力安全規制当局に提出していた資料には不正が加えられていた。これは東電が招いた事故だ




「東電、20年間放置 人災だ」 IAEA元事務次長「福島第1に欠陥」
(産経新聞)

 【ロンドン=木村正人】1993~99年に国際原子力機関(IAEA)の事務次長を務めたスイスの原子力工学専門家ブルーノ・ペロード氏が産経新聞のインタビューに応じ、福島第1原子力発電所事故について「東京電力は少なくとも20年前に電源や水源の多様化、原子炉格納容器と建屋の強化、水素爆発を防ぐための水素再結合器の設置などを助言されていたのに耳を貸さなかった」と述べ、「天災というより東電が招いた人災だ」と批判した。

 日本政府は7日、事故に関する調査報告書をIAEAに提出、防止策の強化を列挙したが、氏の証言で主要な防止策は20年前に指摘されていたことが判明し、東電の不作為が改めて浮き彫りになった。

 氏は「事故後の対応より事故前に東電が対策を怠ってきたことが深刻だ」と述べ、福島第1原発が運転していた米ゼネラル・エレクトリック(GE)製の沸騰水型原子炉マーク1型については、1970年代から水素ガス爆発の危険性が議論されていたと指摘した。

 スイスの電力会社もマーク1型を採用したが、格納容器を二重にするなど強度不足を補ったという。当時スイスで原発コンサルティング会社を経営していた氏は改良作業を担当し、1992年ごろ、同じマーク1型を使用している東電に対して、格納容器や建屋の強化を助言した。

 このほか、水源や電源の多様化▽水素ガス爆発を防ぐため水素を酸素と結合させて水に戻す水素再結合器を建屋内に設置▽排気口に放射性物質を吸収するフィルターを設置-するよう提案した。しかし、東電は「GEは何も言ってこないので、マーク1型を改良する必要はない」と説明し、氏がIAEAの事務次長になってからもこうした対策を取らなかったという。

 一方、2007年のIAEA会合で、福島県内の原発について地震や津波の被害が予想されるのに対策が十分でないと指摘した際、東電側は「自然災害対策を強化する」と約束した。

 しかし、東日本大震災で東電が送電線用の溝を設けるなど基本的な津波対策を怠っていたことが判明。氏は「臨時の送電線を敷いて原発への電力供給を回復するまでに1週間以上を要したことはとても理解できない」と指摘し、「チェルノブイリ原発事故はソ連型事故だったが、福島原発事故は世界に目を向けなかった東電の尊大さが招いた東電型事故だ」と言い切った。

どうも適切な報告を国に上げていなかった可能性が大ですね。
地検は早急に事故精査に動き、真相を究明すべき。


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