世紀末の詩

無駄な競争は心を貧しくする

原子力損害賠償法の改正は日本中枢の崩壊

2011年07月30日 | 原発関連
事故を起こした電力会社が潰れないための原子力損害賠償機構法が衆議院通過

古賀氏によるとこの法改正は、簡単に言えば、東電が今回のような事故を再度起こしたとしても、絶対潰さないということを意味しているという。


一応自民党の東電に対する考え方の基本はこうだった。

賠償額スキーム法案に対する自民党の考え方(案)

(主な修正ポイント]

2011.07.15

1.原子力被害者への賠償を尽速かつ確実に進めるために、東電の賠償の支援・再生を行う新機構の設立の必要性は認識する。

2.また、将来の原子力事故に対する備えとしての保険機構的な機能の必要性も認識する。(この点は.下記の原賠法の見直しがなされれば、その役割は減少、消滅する)

3.東電の再生の在り方については、福島第一原発が収束し、事故調査委の報告も出され、賠償がおおよそ見えてきた段階で、改めて検討する。

4,このため、新機構の両機能を区別して管理できるよう措置を講じつつ、新機構のスキームを認める。

5.国の賠償の責任を明確にしつつも、株主等のステークホルダ-の責任を求めずして、電気料金値上げや最終的に税金の負担とすることを決めないことを求める。

6.さらに、仮払いを円滑に進めるとの観点から、新機構に仮払いの事務を代行する機能を追加する。

7.また、現実には使えない原賠法第3条但書の規定(天災地変による免責条項)や第16条(事業者の無過失無限責任)の規定など、民間の原子力事業者の事業の安定性・リスク逓減の観点から、原賠法の見直し条項(プログラム規定)、原子力事業の在り方の検討条項を追加する。



文科省のWebサイトには次のように書いてある。

Q5.原子力事業者が賠償措置額である1200億円を支払い終わったら、それ以上は賠償はなされないのですか?

A5.原賠法では、万一原子力損害が発生した場合、原子力事業者は生じた原子力損害の全額を賠償する義務を負っています(無限責任主義)

従って、1200億円を支払えばそれ以上は賠償請求に応じなくてもよいのではなくて、この1200億円は、万一原子力損害が発生した場合、
被害者に対して迅速かつ確実に賠償の支払いを行うための保険に過ぎません。1200億円を超える損害額については、自らの財力をもって支払う義務が残ります。

なお、事業者の財力等から見て必要があれば、国が必要な援助を行うことが可能となっており、被害者の保護に遺漏がないよう措置されています。

http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/faq/1261358.htm

つまり「原子力賠償法の上限1200億円」というのは、「東京電力が保険会社と、1200億円を上限とする保険契約を結ぶこと」を定めていて
東京電力の賠償上限額ではないことを意味する。

 責任の関係で言えば

国の負担=納税者による負担
東電負担=株主、債権者、経営者、電気料金負担者、利害関係者

となるはずだが、バランスもへったくれもありゃしない。

よく言われる「会社更生手続きでは、担保付社債より損害賠償債権が劣後するから、被害者救済ができなくなる」も
原賠法第16条によって不足分に対する国の援助が定められているため、被害者救済に支障は生じない。
さらにJALを見ても分かるが、事業者の破綻は事業の停止を意味しないのは周知です。

つまり東電を破綻させると電力の安定供給に支障が生じる、補償が遅れると言うのは詭弁であり
現行法では結果的に東電が会社更生法適用になってしまうので、
それではまずいと既得権益層が考えたのが今回の法改正なのでしょう。

さっさと現行法で対処してれば後手後手にならずに済んだことも多々あるでしょうし、まさに不正救済です。


御用学者や原発推進者がよく言う例えとして、車の事故の方がはるかに多いし死亡率も高い。
でも皆、車は乗るだろう?

しかしこういう意見もある。

「いったん事故がおきたときの被害の大きさが交通事故とは比べものにならないから、確率論だけで正当化するのはあまりにも乱暴だと思います」
「交通事故は自分が注意すればある程度避けられるけど、原発事故はそういう性質の事故ではないから、比較対象にはならないと思います」

これは高校生の意見だ。実に的を射ている。
言い換えればそのような例えで誤魔化そうとTVでコメントしている連中は高校生レベルなのだ。







国がいかに狂った基準を国民に押し付けようとしているか


基準値データ

飲料水
***************************************************************
アメリカ法令基準:0.111 Bq/L
ドイツガス水道協会:0.5 Bq/L
ウクライナ(セシウム137):2 Bq/L
ベラルーシ:10 Bq/L
WHO基準(セシウム137):10 Bq/L
WHO基準(ヨウ素131):10 Bq/L
-------------------------------------------------------------------------------
●日本の暫定基準値 
3/16まで
セシウム137:10 Bq/L
ヨウ素131:10 Bq/L 

3/17以降
乳児
100 Bq/L
成人
セシウム137:200 Bq/L
ヨウ素131:300 Bq/L 
-------------------------------------------------------------------------------
[参考] 国際法
原子力発電所の排水基準値
セシウム137:90 Bq/L
ヨウ素131:40 Bq/L 

食品
***************************************************************
ベラルーシ(子ども):37 Bq/kg
ウクライナ(野菜・セシウム137):40 Bq/kg
ベラルーシ(野菜):100 Bq/kg
アメリカ法令基準:170 Bq/kg
日本の輸入品規制値準:370 Bq/kg
-------------------------------------------------------------------------------
●日本の暫定基準値 (3/17以降)
セシウム137
牛乳、乳製品:200 Bq/kg
野菜類/穀類/肉/卵/魚/その他:500 Bq/kg
ヨウ素131
牛乳、乳製品:300 Bq/kg
野菜類(根菜、芋類を除く):2000 Bq/kg
-------------------------------------------------------------------------------
[参考] WHO
非常事態時における餓死を避けるための限界値:1000 Bq/kg


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