世紀末の詩

無駄な競争は心を貧しくする

足元すくわれ転ぶ前に・・いや転んでるけど気が付かないといった方がいいか・・

2011年06月13日 | 色々な裏
10数年前、小沢一郎が自由党か新進党だった頃でしょうか、ボケーっとテレビをみてると何についての会見だったか記憶は定かではありませんが、
執拗なマスコミの攻勢に小沢がとうとう激怒し、全国紙(多分、読売か朝日)の記者へ「それほどガタガタぬかすなら、オマエの社長を連れて来い。
つい先週、オレの事務所にオマエの社長が、‘国有地払い下げの件、よろしく(口利きを)お願いします’って、頭下げに来たばっかりだろうが。
嘘だって言うのなら、会社に帰って直接社長に訊いてみろw」(おおよそこんな感じで)とぶちかましたわけです。

おまけに生中継だったので、そのすさまじい面罵がまんま全国放送され新聞屋の面目丸つぶれ、政治屋とマスコミの癒着まで露悪したわけです。

小沢はもともと弁舌が達者でもなく、自民党幹事長時代からフィクサーの役回りで、その後も表立って政策を語るわけでもなし、
何を考えてるのか、自分としてはよくわからない人物だったわけですが、この会見によって、良い悪いはともかく、桁違いの権力と胆力をもった政治家だったんだと仰天しました。
実際、全国紙の社屋は、ほとんど国有地の激安払い下げ物件ですから、公権力とメディアは元から不可分でズブズブの関係にあります。
日本の新聞なんてのは旧ソ連のプラウダなみに完全な報道管制が敷かれており、とんでもなく作為的に虚偽で糊塗されていると思って間違いないです。

つうわけで、小沢一郎がとうとう資金管理団体の土地購入をめぐる騒動で強制起訴されましたな。今更って話ですが、
だいたいこの程度の収支報告の記載漏れをしていた議員は与野党にいくらでもいるし、慣例的に修正申告で咎めもなかったわけですから、
どんだけあからさまな国策捜査か、ってことです。法的解釈については通暁された方々が各サイト、ブログで詳しく綴ってますので、門外漢の自分の意見は割愛させて頂きます。

結局、なんで官僚とマスゴミがこれほど狂乱状態で小沢を抹殺しようとするのか、先の衆院選のマニフェスト、さしずめ「小沢マニフェスト」ですな、これの草案みれば大体の事情がわかります。
枢要部分を雑駁にまとめましたので、ちょっと読んでください。

・天下り、渡りの斡旋を全面的に禁止し国民的な観点から、行政全般を見直す。「行政刷新会議」を設置し、全ての予算や制度の精査を行い、議員の世襲と企業団体献金は禁止する。自民党長期政権の下で温存された族議員、霞が関の既得権益を一掃する。国の出先機関、直轄事業に対する地方の負担金は廃止する。

・特別会計、独立行政法人、公益法人をゼロベースで見直す。実質的に霞が関の天下り団体となっている公益法人は原則として廃止する。公益法人との契約関係を全面的に見直す。税金の使い途をすべて明らかにして、国民のチェックを受ける。歳入庁を創設し、年金保険料のムダづかい体質を一掃する。



早い話、小沢のグランドデザインというのは官僚統制主義と既得権益者支配の打破、国民資産を役人が収奪する財政投融資の廃止であり、
政権交代どころか、君主製から共和制へ移行するくらいドラスティックな事実上の「革命」だったわけです。

エントリのおさらいですが、日本の税収なんてのは国、地方を合算しても近年40~50兆円少々。
そのほぼ全額が公務員と特殊・公益法人等の外郭団体職員の給与、補助金と公債償還に充当され、不足分を150兆円規模の公債発行と財政投融資(郵貯、年金、簡保の流用)でまかない、特別会計360兆円(一般会計重複分を除く)という天文学的な借財を毎年積み重ねて編成するわけです。

特別会計をめぐっては、新規国債分だけでなく郵貯、簡保、年金基金など国民の個人資産までもが財務省主計局を通じ、各省庁、傘下の26000余の外郭団体、3000社余のグループ企業、所管業界へ流用されるわけです。事実上、これは役人の合法的マネーロンダリングであり、天下り利権により累積した公債は1400兆円規模に膨張。教育、福祉、医療、各種行政サービスが大幅に縮減され、結果、内需不足のデフレで国民生活は疲弊の極み、ボロボロです。

が、マニフェストで謳われた「特別会計、独立行政法人、公益法人をゼロベースで見直す。天下り、渡りの斡旋を全面的に禁止。」など役人にとってみればとんでもない話です。
なんせ東大出のキャリア官僚といえども、民間の金融や外資などへ就職した同窓に比べれば40代までは下手すりゃその半分にも満たない収入です。

ちなみに、駐ロシア外交官であった佐藤優さんによると、入省当時の初任給が手取りで8万円少々だったそうで...。事務次官レースに敗れた同期入庁者は一斉退職が暗黙ルールである以上、官僚のライフプランは天下りが前提となっているわけです。退官後には生涯年収が数億円規模に膨れ上がり、しかも事実上の不労所得ですから、これを妨げる輩に対し、あらゆる謀議、謀略をもって潰しにかかる、ってのは官僚の防衛本能みたいなもんです。
なんせ、検察、警察はもちろん裁判官、果ては国家予算の監視役を担う会計検査院の役人まで、およそ3万人ベースの天下りですから、今回の強制起訴は官僚の合従連衡、小沢のマニフェスト潰しに狂奔してるだけのことです。管内閣という「傀儡政権」を打ち立てることで天下り禁止法案を凍結し、事態は一時的に収斂できたものの、この際、完全に小沢を抹殺しておこうという腹でしょう。

やってることは、官僚統制国家の総本山・旧ソ連のKGBやノーメンクラウツーラ(共産党幹部とかの特権階級)よりもえげつないです。
なんせ当時のソ連ですら、検察による起訴有罪率は70%程度だったわけですから、起訴有罪率99%を越える日本の検察なんてのは事実上エスタブリッシュメントの暴力装置みたいなもんです。

また、新聞社と系列テレビ局のクロスメディアは総務省の許認可制度、公共電波の廉価使用と省庁の情報寡占で保護され、権益の見返りに大量の天下り役人を受け入れることにより成立するプロパガンダ組織です。
早い話、マスコミそのものが官僚の出城であり下部組織ですから、官庁の意向を受け垂直統合的にいかなる虚偽、捏造報道も厭わないというのは当然なわけです。

歴代検事総長が電通に天下りしている始末ですから、この国の報道、司法というものがどれほど絶望的に信用できないか、ということです。

実際、連中は鳩山内閣発足当初から子供手当てや高校無償化はバラ撒きだのと叩き、予算が無いから増税不可避とか難癖をつけ、挙句に政権を簒奪しました。が、再検証するにマニフェストの目論見通り国土交通省の外郭団体を地方自治体へ移管するだけでも10兆円規模の財源が確保でき、本来なら当初目標を達成できていたわけで、マスゴミがどれだけ大衆世論を悪しき方向に扇動してるか、って話です。「政治と金の問題」よりも「報道と金の問題」を俎上に上げないかんですな。

小沢一郎は一連の擾乱を「権力闘争だ」と言ったとのことですが、終局的に既得権益層が残された社会資本を寡占化するのか、一般国民がこれを奪還し社会格差を克服するのか、本質は「階級闘争」ではないかと.....。

独りファシズムより


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